沖縄の数に関する本の2冊目です。
神保町の明倫館で購入しました。この本,定価の上にシールが貼ってありました。「1000円(税込)」と書いたシールです。
なんというか,懐かしいです。
発売された後,消費税が導入されたのです。ですので,定価修正のシールが貼ってあるのです。
しかも,元の定価は700円です。それが,シールを貼って1000円(税込)になっています。
この当時は,狂乱物価の時代だったのです。ですので,紙代・印刷代もどんどん値上がりし,ついに,本の定価が途中で値上がりするという今では考えられないことが起こっていました。
そういう懐かしさもあり,この本は良い本になりました。
早速読んだのですが,前回本に比べ,難しいです。最後まで読んでも,難しさが先行してガツンと来るものがありません。ちょっと,残念と思いつつ,奥付を見てみました。著者の須藤先生は東大の教授だった先生で,どうも,大学の研究仲間向けに書いたような本なのです。
こういう難しいと感じた本は,また,日を改めて読むと,少し理解が進みます。それを楽しみに,本棚に並べました。
よく分かっていないのですが,「Facebook」を始めました。参加されている方々の顔写真や勤め先などが記されているので,安心できます。
一番驚いたのは,ケンチャコでお世話なった桔梗さんから友達リクエストが届いたことです。いろいろな方と,どんどんつながっていくので,インターネットは奥が深いと感心しました。
その桔梗さんから「第19回ザボハウス展」が開催されていることを知らされました。今週の月曜から始まっています。
www.zabohouse.com
今日,見学に行く予定です。
この展覧会には,本の挿絵などが描ける方がたくさん出品されているそうです。ありがたいですね。
ついでに,古本屋に行って,沖縄で昔使われていた算術について記してある本を買おうと思っています。
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もっと算数サイト向けに,5年生の「分数×整数」の練習ソフトの開発を進めています。
約分がないタイプ
約分があるタイプ
約分すると整数になるタイプ
いろいろと細かいステップがあるので,それに対応した問題が出るように作ろうと考えています。
かなり,複雑ですので,仕上がりは来週となりそうです。
なぜ,「分母」というのでしょう。
なぜ,「分子」というのでしょう。
この答えは,もはや誰も分かりません。中国からの輸入語だからです。
でも,この用語には,教育の一つの工夫が見えます。「母」「子」と,比喩表現がなされていることです。抽象的な概念を人に伝えるのは,難しいです。わかりやすくするには,例える必要があります。2000年以上も前の中国の学者も例えていたのですから,小学校現場では,大いに例えてほしいです。例えることが指導の工夫になるのです。
例えられた「分母」「分子」という言葉ですが,2000年以上も昔の言葉です。子ども達に分かりにくかったら,それをさらにわかりやすく「分母は,入れ物の目盛り」「分子は,中身」などと「見える化」をするのも,良い工夫となります。
算数や数学の本を読んでいると,ときどき,沖縄の昔の数について載っていることがあります。
気にはなっていましたが,そういう本があるとは知らなかったので,これまで読む機会がありませんでした。
本を読む面白さは,読みたい本・読むべき本が次々と本の中から登場してくる所にもあります。
そういう箇所を見つけると,すぐに付箋紙を貼り,「本」と書いたり,書名を簡略に書いたりしています。
この『琉球古来の数学と結縄及び記標文字』も,本を読むことで知った本です。
勉強になったのは,藁(わら)などを使って数を記憶する方法です。すでに,知っている方法も載っていますが,私の知る限りは,他の算術本には出てこない希有な方法が示されていました。
こういう記録を残してくれた矢袋先生に感謝です。おかげで私までが貴重な沖縄の算数を知ることが出来ました。
感謝の気持ちで読み進めていたら,終盤,驚くべき事実・考えが書かれていました。
沖縄の昔の藁を使った算術は,残念ながら高度に発達しませんでした。その原因は生活がそれ以上の算術を必要としていなかったからです。なにしろ,ある島では明治初年までお金が使われていなかったのだそうです。また,その島には,紙が明治20年頃まで無かったとも書いてあります。文化生活との縁が遅れれば遅れるほど,文化の基盤をつくる算術が発達しないのです。
ここから,ちょっと飛躍しますが,学力を高めるには生活の「文化前進」が大切と言うことになります。学校はコンピュータをどんどん導入しています。これは,それだけでもとても良い文化環境になっているのだと感じてきました。
これの類書が神田の古本屋に並んでいます。26日に購入しようと思っています。
算数から文化が見えてきて,ますます面白い世界だと感じ入っています。
本は山のように出ているので,何を読むかは選ばなければなりません。
基本的に,「今必要な本」と,「10年後に自分のためになる本」という視点で選んで読んでいます。
そんな中,『出会いでつむぐ私の半生』を読みました。感動的に読み終えました。「10年後」という私の視点に,よい影響を与えてくれたからです。
著者の佐々木正美先生は私より20歳年上です。年上の人が書いた本だったこと。これが良かったのです。
20歳年上と言うことは,20年後には自分も今の佐々木先生の年齢になります。そのときには,佐々木先生のように人生を振り返ることが当然のように予測されます。
どんな境地で振り返りたいか。今の自分の年齢なら,その振り返る像を作り上げることが出来ます。いい境地に立てるようにできるのです。なんだか,心の底から良い人生になるよう,日々,前進しよう!という気持ちになります。
そういえば,貝原益軒の『養生訓』も,宮本武蔵の『五輪書』も,本居宣長の『玉勝間』も,心にグイグイ来る本でした。個々の専門的な話の面白さとは別に,「人生を長く生きた人の境地」を感じていたのだと思いました。
佐々木先生の本を読んで,専門家で長生きの方の本をもっと読みたいと思いました。こういう自分の歩みに刺激を与えてくれる本は,なかなかありません。良い本です。
佐々木正美先生は,精神科医の先生です。特別支援教育では大変に高名な先生です。志ある若い先生には,是非読んでほしい一冊です。
城ヶ崎先生,佐々木先生と3人で集まり,「茶話会」です。
前半は,「算数ソフトを使った成果」の話で盛り上がりました。
この内容は,実に濃いです。
「使う先生の技量・好みなどによって,使い方を変えられる作りになっている」という佐々木先生の分析に,グッと強い力を感じました。
いろいろな指導方法が,これから先も数多く発見されていくことが,明確に分かるからです。
うれしさが高まると,話も弾みます。
1年後には,算数ソフトから得られる大成果を本にまとめよう!
その1年後には,~~~を作ろう!
そうして,5年後には・・・・と,無謀な話をしました。
その勢いで,「チーム算数」として,この先も集まり,前進することにしました。
向こう10年ぐらいが,「算数大前進の時代」になると私は見ています。
それを見ているだけで時を過ごす事も出来ますが,「チーム算数」は流れに入って流れを作るぐらいになろうと考えています。
面白いことがたくさん見え,たくさん起こると,予感しています。
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城ヶ崎先生のブログがオープンしています。とても内容が濃いです。ぜひ,お読みください。
http://jyo12345.blog97.fc2.com/
ペンキの図です。
教科書にも定番のように出てきます。
この図を使わなくても,分数×整数の理解(なぜ,分子×整数をするのか)は,できます。
その場合は,「ジュースが2/3Lあって,それが3つあったら,何L?」などといった,イメージしやすい問題を出します。
また,分母・分子を一言で説明できる状態に子ども達を伸ばしておきます。「分母は入れ物の目盛り」「分子は中身(ジュース)」という具合に。
このように,「目盛り」と「中身」と例えておくと,3つあるのは目盛りなのか中身なのか,簡単に分かります。もちろん,中身です。
だから,「中身(分子)×整数」となるのです。
しかし,それでもペンキ塗りのような図が教科書には登場してきます。6年生で学ぶ「分数×分数」に備えるためです。
×分数を理解するには,「単位分数でいくつ分」という頭の働きが必要です。そのために,「1がいくつ分」という姿(単位量あたりの大きさの考え方)がかけ算の姿なんだと示す必要があります。ペンキの図はそのためにとても便利な図なのです。(動けば,もっといいのですが・・)
このソフトがアップされたら,アニメーションをぜひご覧ください。動きます!!
動くので,子どもにとってちょっとわかりにくい教科書がとってもよく分かるようになるのです。
かけ算九九を学習した頃は,「かけられる数」という言い回しがありました。
分数のかけ算では,「元の数」「単位となっている数」「単位量」などと,言い回しを変える配慮があるとグッドです。「元」も「単」も,「1」という意味を持っているからです。
「かけられる」というのは行為から見た言い方です。分数のかけ算では,計算の仕組みを考えるので,この言い方は,ちょっと向きません。