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福山先生のメーリングリストで

  山口県の福山憲市先生が主催するミス退治というメーリングリストに参加しています。
  このMLは非常にレベルが高いです。参加している先生方のやる気がどんどん高まっていく魅力あふれるMLです。
  そのMLに福山先生が次のように書かれました。
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4年の先生に話しました。
●一 十 百 千  十万・・・・・
こんな風に子どもたちが読んでいたので、
●一 十 百 千 一万 十万・・・・・
ぜひ、一万と読んでくださいとお願いしました。

「何の位ですか?」というテストの問題に、一万の位と書けない子がいるのです。
万の位と書いてしまうのです。
●一億や一兆は一とちゃんと言っています。
万もちゃんと一万と・・・・。

そう思う福山です。
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  子ども達がつまづくところが,フッと話題として流れてきます。
  読むだけで,刺激を受けます。

  「一万」と読ませるには,言葉の区切り目を下のようにするのがコツです。

   一 十 百 千  一万 十万 百万 千万  一億 十億 百億 千億  一兆 ・・・・・

  「いち じゅう ひゃく せん まん」と続けて言うのは,江戸時代に大流行した『塵劫記(じんこうき)』の影響です。
  
  塵劫記には,右の通り,大きい数のことが出てきます。それも,いの一番に出てきます。
  また,昔は書いて覚えるのではなく,声に出して何度も繰り返して覚える「口頭学習」が主でしたので,ズラズラと読んでいきます。繰り返し読んでいると,自然とリズムが生じてきます。リズムは五七調が基本。「いち じゅう ひゃく せん まん」が一区切りのようになって,今日に伝わっているのです。
  これが日常的な言い方になってしまい,今の学校でも「いち じゅう ひゃく せん まん」となっているわけです。

  算数は,見方を変えると「日常に密着した数学」なのです。ですので,日常的な言い方が算数には随所に見られます。
  たとえば,三角形・四角形・五角形と,3,4,5に漢数字を使って表記するのも日常の密着です。「三角形」「四角形」「五角形」が熟語として成立してしまっているので,その表現に合わせているのです。
  算数的には,「3角形」「4角形」の方が表現として良いのですが,今の時代はまだ日常優勢です。(国語的表現が優先されているとも言えます。算数ファンとして口惜しいところです)

  話を戻しますが,「一 十 百 千,  一万 十万 百万 千万, ・・・」と区切り目を変えると4桁で単位が変わる学習にも結びつき,より,算数的になります。

  福山先生のMLの記事を読んでいると,こういうことが頭に走ることが多々あります。私にはとても魅力的です。関心のある先生は福山先生にご一報ください。
   ( 2822640601◆jcom.home.ne.jp 半角の@のところは◆に変えてあります。)

  

5年の「分数×整数」ソフト,アップしました

  ようやく仕上がりました。「もっと算数」サイトを是非ご覧ください。
  http://www.mott3su.jp/ 

  大変だったのは,次の3つを区分けして出すことでした。
    1,約分をしない計算
    2,約分をする計算
    3,約分をすると整数になる計算

  算数の授業で使えるソフトは,家庭向けと違い,いわば,「完璧プロ仕様」となります。
  見た目,仕組みはシンプル。それでいて細かなステップに対応。
  これが授業用ソフトの条件と考えています。
  ですから,プログラムに時間がかかってしまいます。でも,元気に作り進めています。作ることがとても楽しいからです。

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  右の本,読んで元気が出ました。
  随所に,私が喜びそうなことが書いてありました。
  内容は,次第にどんどん難しくなるのですが,例題の出し方が上手で,かなり良い線まで理解できました。

  思ったのは,プログラムのことです。これまで,ソフト開発で書き続けてきたプログラムは,数学の言葉ではなく,たんなる略文による文章だったのだと分かりました。
  それでも,文学系の文章とは違い,寸分の狂いも無く書かなければなりません。そんなところが,数学的に感じられるのだとわかり,なかなか面白いと感じました。
 
  この本の著者の新井紀子先生はきっと大学でも上手な教え方をされていると思います。読んでいて,その筋道に感心させられました。

作法の本を書いています

  文春新書から出した『明治人の作法』。「何をどうする」というハウツーではなく,作法の考え方なども歴史的な所から書いてあるので,なかなか奥深い作法書となっています。
  この本,横浜市の教育委員会の目にとまったようで,『中学生のための礼儀・作法読本』(横浜市教育委員会事務局/ぎょうせい)の参考文献の欄に載っています。しっかりと役目を果たしているようで,とても嬉しく思っています。
  
  続いて,岩波ジュニア新書から『行儀作法の教科書』を出しました。
  この本はクイズ仕立てになっているので,かなり評判が良いです。そのためか,某出版社の方の目にとまりました。そうして,メールをいただき,目下,3冊目となる作法の本を書いています。

  昨日,その見本原稿を10ページ分ほど書いて送ったところ,とても面白いとのことで,最後までどんどん書いてほしいと連絡を受けました。
  
  こういう流れを振り返ると,やっぱり小さなテーマでもいいから,その道をとことん勉強することが大切なんだと感じます。
  最初は小さなテーマと思っていても,勉強を重ねる内に,どんどんその道の勉強したくなります。すると,その世界がなかなかどうして案外広い世界に見えてくるのです。知れば知るほど広く感じてきます。不思議な物です。そうやって,奥深く入り込んでいいくうちに,その道の専門家のようになっていきます。
  
  小さなテーマといえば,算数ソフトを使って授業をすることも,今はまだまだ小さなテーマです。でも,時代の流れる方向を考えると,いつまでも小さな道のままとはとても思えません。近い将来,それなりの道になるように感じています。時代の流れが急になれば,かなり大きな道になると思えています。
  その道がまだ小さい今の時代から,算数ソフトをどんどん活用する先生がいます。そういう先生と少しずつ友達になっています。その方面の本作りの時には,何人かの先生のお力をお借りしたいと思っています。そのときには,どうぞよろしくお願いします。

5年生 「分数×整数」の計算練習ソフト

  「分数×整数」の計算練習用ソフトです。

  分数の絡むソフトは,本当に作るのに難儀します。
  途中で約分をしたり,しなかったりするからです。

  PCソフトなんだから,ピッピッ!と自動的に作れると良いのですが,そうはいきません。
  自動的になるのは,先生方が使うときです。作るときは,一つ一つ,「この数とこの数が出合ったら約分をしなさい!」 と命令を書いてきます。まさに,手作りなのです。
  
  ありがたいのは,時間をかければ何とか作れますので,求められるのは「根気」です。この「根気」のエネル源は,子ども達が喜んで算数をしてくれるその様子です。先生方から,子ども達がこうだったよ!とメールをいただくことが何よりも嬉しい力になっています。ありがとうございます!!

  火曜日には1本アップできると思います。
  算数ソフトファンの先生方,どうぞお楽しみに。

石川へ行きます!

  来月の26日,石川県で開催される野口塾に参加します。その先,7月には山口県と兵庫県のセミナーに参加します。
  お近くの先生,どうぞ,お誘い合わせの上,ご参加ください。
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  第91回 授業道場 野口塾 in 石川 に参加します。
  6月25日(土)石川県です。
  詳しくは,↓をご覧ください。
  http://www.geocities.jp/mymmtuba/nogutizyukuisikawa23.html
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  第6回 元気だ!授業・学級づくりセミナー
  7月23日(土)山口県です。
  http://edublog.jp/dutch/archive/405
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  第4回教材・授業開発研究所全国大会in兵庫
  7月30日(土)兵庫県です。
  http://edublog.jp/jd-n/archive/392
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  どの講座も,私の話は算数です。
  子ども達がどんどん手を挙げて,算数のきまりもどんどん見つける,これまでにない新しい感覚の算数のお話をします。
  特に,算数ソフトを使って授業をされたことのある先生は,気合いを入れてご参加ください。先々の事もあるので,懇親会でぜひ先生のソフトを使った実践の成果を教えてください。
  

『算術と数学の歴史』(古書)

  神田の古本屋で見つけた『算術と数学の歴史』(昭和16年)という本です。
  うっすらと,「僕らの科学文庫」と表紙に彫り込みが入っているのが見えるように,この本は当時の小学生高学年・中学生向けに書かれた本です。
  でも,中身は非常にレベルが高いです。
  第1章に「フィボナッチ級数」がでてきます。これを知っている小学校の先生はあまりいません。でも,これを知っていると植物の観察の視点ががらっと変わります。
  自然界とのつながりの深い級数なので,案外,理科が得意な先生の方が知っているかもしれません。

  太平洋戦争開戦の8ヶ月前に出た本ですが,時局が暗くなっても算数を大切に伝えようとした人たちがいたことが,嬉しいです。

  この本には,800年前のドイツの九九表や,2500年ほど前に活発だったピタゴラス教団が作った九九表なども載っていて,算数周辺のとてもよい勉強になりました。
  こういう本を読み終えると,算数の本を作りたくなります。かなり面白い本が作れると思うのですが,これはもう少し先までとっておきましょう。

  デカルトのことも,おしまいの方に少し載っていました。
  デカルトが『解析幾何学』を発明したこと。「解析幾何学」というのは,「グラフ」の方法による幾何学であることなど,簡単に説明されていました。そうして,デカルトはグラフの目盛りをうんと小さくし,折れ線として見えているグラフを曲線としてみて考えていたとあり,「見方」の認識がまたひとつ良い感じになりました。