Blog

6年 点対称 ソフト3号

  点対称では,対称の点を結んだ直線のちょうど真ん中に,対称の中心が位置します。
  ですから,左の画像で言うと,「A0=BO」ということになります。

  点対称の図形には,この関係が保たれていることを子ども達に見せたいと思い,ソフトを作り進めています。

  [?]ボタンをクリックしたら,次のように動くようにと考えています。

    1,鉛筆A,Bが点対称の図形の辺の上を移動する。
    2,AとBを結ぶ直線も,鉛筆に合わせて動く。

  こういうソフトが出来れば,ABは常に対応する点に位置し,ある時は近づき,ある時は離れるが,それでも常に「AO=BO」の関係が保たれていることが分かります。何とか,作り上げたいです。

  ABが辺を動く様子をみると,辺の上のどこの点にも対称の点があることも分かります。
  作図をすると,どうしても頂点ばかりに目がいきますが,それ以外の所にも,対称の点があります。
  そういう理解を深めてほしいと思います。

  それともう一つ。「線が動く」ことを頭にしっかり入れてほしいと願っています。
  ==算数の線は動く==
  「そんなこと,常識だよ!」と感じる子に育ってほしいのです。

  中学・高校へ進むと,数学の線はやたらと動きます。教科書や参考書では図として固定されていますが,概念ではとてもよく動いています
  しかし,図では動かないので,わからない子はセンスがないということで,あきらめの道を進みます。悲しいことです。
  小学校の内から,線が動くことを何度も見ていれば,「放物線と接線」のような学習場面でも,これはこうやって動くんだ,と頭の中で動きを把握できるようになります。動きを見ることは,頭で図を動かす力を高めます。
  こうなると,算数・数学は楽しい世界になります
  「線の動きを見せてあげたい!」
  
そんなことを思いつつ,点対称の3つめのソフトを作り進めています。近日中に,「もっと!算数」サイトにアップできるように,頑張ります。

---------
  『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(DVDブック,さくら社)を使う先生がどんどん増えていて,本当に嬉しいです。「無くてはならないアイテム」と言ってくださる先生もいます。嬉しい限りです。
  ソフトを使う大きな成果として100点が増えています。これも嬉しいことです。
  その上,さらに,頭の中に豊かな算数がたくさん入るので,これが後々とてもなく大きな力になるのだと思っています。

6年,分数のかけ算/ソフトと学習パズル

  6年生になると,「分数×分数」を学びます。
  『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(6年4巻,さくら社)に右のソフトが入っています。
  
    途中の約分が無い問題
    途中の約分が1組の問題
    途中の約分が2組の問題

  どれもこれも,良い感じで出題できます。
  ですので,このソフトを見ていると,なるほど,「約分は斜めにも出来るんだ!」とわかります。

  でも,どうして,斜めに約分をしてもOKなのでしょうか。
  これについては,先生が把握していないとなりません。
  
  基本は,「交換法則」です。
  たとえば,分子に交換法則を適用すれば,下のように上下で約分する形になります。

  ですから,斜めに約分をしても,OKなのです。

  約分を楽しく頭に入れる「約分ことばパズル」があります。
  「算数数学好きを増やす会」のメーリングリストに,佐々木先生が昔懐かしいパズルを紹介してくれました。

  同じ文字を約分するパズルです。
  出てきた答えは,分母から読みます。「すかい」となります。分子に交換法則を使うと,「すいか」が正解となります。

  こんなパズルをやって,「斜めに約分をしてもOKなこと」「交換法則が使えること」を子ども達にしっかり伝えるのも,算数を楽しくする良い工夫となります。

  さらに,この「約分ことばパズル」は,もう一歩踏み込んで,「約分そのもの」を意識したパズルへと発展させられます。
  まずは,下のように,平仮名か片仮名で出題します。

  約分できません。

  でも,これをローマ字にすると・・・・

  ごらんのように「AKB」になります。
  このローマ字化するところに,約分の約数の味が込められています。
  
  こうして,「斜め約分」を楽しんでから,ソフトでチャッチャカとチャレンジするのも,良いですね。    

    
  

6年の算数ソフト/点対称2号

  少し,目鼻が立ってきました。

  6年生の点対称の作図ソフトです。

  点対称は180°回転させて重なる図形ですので,作図の時には,頭の中でグルリとしなければなりません。
  でも,そうすると,わかりにくくなったりすることもあるので,中心を通る補助線の考えも利用して,しっかりと作図できるようにします。
 
  その補助線が出るようにしました。
  [?]ボタンが右隅にあります。これをクリックすると,緑色の補助線が出ます。
  点対称の図形を作ろうとして,ちょっと??となった時に,使えるツールです。

  明日の夜中までには「もっと!算数」サイトにアップできるように進めています。
  6年生の先生,アップされたら,是非ご活用ください。

  
  城ヶ崎先生と電話をしたら,体育の時間,グランドで位置を子どもに伝えるとき,「センターラインを対称の軸にして,ここと線対称の位置だよ」と話したら,子どもにスッと伝わったそうです。
  算数の勉強をしっかり進めると,伝達力が高まりますね。
  

    

6年の算数ソフト/点対称2号制作中!

  点対称の2本目のソフトをつくっています。
  親友の奥田先生から「頭ではわかっていても、目が慣れるまで時間がかかる」のが点対称とアドバイスをいただきました。
  ありがたいです。10年ぶりに復活した「対称の図形」。アドバイスのおかげで,過去の授業の光景が浮かんできました。ソフト開発にも元気をいただきました。

  点対称の図形を書くとき,「頂点→中心→解答点」という目が働かないと,正しく作図できません。そこで,そういう補助線が出るように,ソフトを作り込んでいます。
  完成したら,「もっと算数」にアップしますので,初めて点対称を指導される6年の先生,ぜひぜひ,ご活用ください。大先輩の奥田先生のアドバイスが効いているソフトです。授業の役に立ちますよ。

  すでにアップされている,線対称のソフトを,城ヶ崎先生が授業で使いました。
  その授業の話を伺ったのですが,「さすが!」の連発でした。
  作図操作は子どもがマウスで行います。みんなが見ている中,マウスを動かすのですから,多少なりとも緊張します。マウスの動きがぎこちないとき,他の子は「違う,違う,こっち!」などと「日常の言葉」が次々出てきたそうです。
  これを聞いて,「なんともったいない」と思った城ヶ崎先生は,「算数の言葉」を使うように指導しました。
  「上」「右」「対称の軸」,数
  これで子ども達の言い方が,より具体的になり,伝わりも良くなったとのことです。
  学習の雰囲気もグッと良くなったのだなと,話を聞きながら思いました。

  算数ソフトを使うと,指導者にゆとりが出てきます。言葉の指導などもソフトを使っているときにどんどん進めていくと,他の授業でもそれが生きてきますね。
  これも,新しい算数指導の一つの姿です。
    
    
  

6年の算数ソフト/点対称

  点Oを中心に,180度回転させて,ぴったりと重なるのが点対称です。
  [?]ボタンをクリックすると,回転が始まり,重なるかどうかの確認が出来ます。
  SNWの3問へのチャレンジが終わったら,用語の勉強が出来るようになっています。
  また,[2]の部屋に入ると,さらに4問登場します。
  合計7問出来るので,点対称かどうかの感覚はそれなりに高まると思います。

  線対称も,点対称も,どちらにも大切なのは,動く前の残像が残っていることです。紙の教材を作るとき,この残像の用意まで気を配れると,良い教材になります。
  この「残像」の考え方は,展開図にも適用されます。同じ展開図を2枚用意し,1枚だけを組み立て,1枚は開いたままにしておきます。ビフォー,アフター。この両方を同時に見ることで,そのつながりがつかめるからです。

 
  このソフトも,来週中には「もっと!算数」サイトにアップします。6年生の先生,もうしばらくお待ちください。
 
  

アメリカでは,7歳から微分積分だそうです

  千葉大学の大田先生の研究室におじゃましたとき,紹介してもらった1冊が,『アメリカ流 7歳からの微分積分』(ドナルド・コーエン)です。

  正直なところ,この教え方は数学者でないと出来ない方法です。ですが,算数・数学の考える力をいっそう伸ばす考え方が,この本には記されています。

  たとえば,次のように書いてあります。

  「問題を解くには,パターンをまずさがしてみることです」

  同様のことは,元筑波大付属小の正木孝昌先生も『算数の授業で教えてはいけないこと,教えなくてはいけないこと』,「算数的な見方をどうのように教えるか」「きまりを見つける経験をさせる授業」と,記しています。

  コーエン先生は,「何が起こっているか,どういう仕組みになっているか,理解をすることです」と続けています。
  これが,「はじめに」に書いてあるのです。洋の東西を問わず,算数・数学で大切なことは,「きまりを見つける」事なんだと,再認識できました。

  コーエン先生のこの本は,いきなり,無限級数の話から始まります。かなり,くじけそうになりますが,これがわかりやすいのです。大筋の考え方が,読み進めていると分かってきます。
  個人的に,ちょっと嬉しかったのは,所々に出てくるベーシックのプログラムを,ディレクターだったら,こう書くのかなと,プログラム言語変換ができたことです。ですので,事例として示されているいくつかを,いつの日にか,ソフトとして作ってみるのも楽しいだろうなと思いました。
  
  城ヶ崎先生や佐々木先生と話している算数ソフトの授業も,算数的きまりを子どもが見つけ出していく授業なのです。どんどん理解できるのは,「決まりを自分で見いだしている」からなのだと,強く感じます。
  ここから,一歩踏み出すこともできそうです。ソフトできまり見つけに慣れた子は,「算数の問題を見たとき,パターンを見いだそうとする子に育つのではないか」と,コーエン先生の本を読んで思いました。
  算数ソフトを使った授業を通して,たくさんの研究が出来そうです。嬉しい限りです。