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佐々木先生と城ヶ崎先生

  偶然は重なるようです。
  佐々木先生から,新しくICTを使った役割の御下命があったと電話がありました。
  千葉県の情報をこつこつとサーバーに入れたり,自ら学習ソフトを開発したり,ネット上の有効なフリーソフトを数多く見つけ出したり・・・。なかなか人のできなことをやり続けてきた成果が認められたのでしょう。
  「近々,会って勉強をしましょう」と話した後,城ヶ崎先生から茶話会の話が届きました。
  24日(日)の午後,茶話会を開くことにしました。
  佐々木先生,城ヶ崎先生から,算数ソフトを使った授業のあれこれを伺います。時間があまるので,近況も聞きます。
  
  2011年は,地デジに完全移行です。
  どこの教室のテレビでも,写りに差があれ,算数ソフトを映し出せる環境が整います。
  この年には何かが始まると思っていましたが,自分の近しい先生方と,自分が一緒になって動き始める事になりました。
  時の流れが算数ソフトを使う先生方と私を強く結びつけ,動かし始めているのだと思います。

  木曜日には,千葉大学の大田邦郎教授の研究室を訪ねます。算数・数学教育で交流をしてきます。この訪問も,時の流れの後押しを受けているように思えています。

  6年生の文字式のソフト,明日の夜までには,「もっと!算数」サイトにアップできそうです。
  

6年の文字式のソフト

  6年で「文字を用いた式」を学習します。
  「5 x X」のような表し方です。

  この学習で,ユーモアとしてよく使われるのが「謎の数字X(エックス)」です。
  単に「X」と言えば良いところを,わざわざ「謎の数字X」と言い換えることで,子ども達にXの中身が数字であることを伝えていきます。
  それだけのことですが,何とはなく推理漫画のようでもあり,教室がちょっとは盛り上がります。

  このユーモアは,笑えるだけではなく,案外重要な所を指摘しています。
  「Xの中が数になっている」
  この把握に,この単元での重要な思考方法が内包されているからです。

  上の画像に,5の段のかけ算がズラッと並んでいます。「5×X」というのは,この5の段の式を一つにまとめて束ねた言い方なのです。
  逆に,「5×X」を具体的にいうと,上の式のようにたくさんの,無限の表し方があります。掛ける数が小数や分数の場合もOKなので,無限が無限にあるほど,たくさんの式があり,それを全部まとめてギュ--ッとまとめて1つにして,考えやすくしているのが「5×X」なのです。

  この思考方法は,日常でも簡単に使うことが出来ます。
  秋田県,高知県,沖縄県,宮崎県,青森県,群馬県,福島県・・・を,算数的に1つにまとめると「県」となります。
  赤とんぼ,しおからとんぼ,むぎわらとんぼ・・・は,算数的には「とんぼ」となります。
  
  ただ,日常の言葉は,このように束ねても,そこから先の進展がありません。
  ですが,算数の文字は,その後,文字同士でたし算やひき算,かけ算わり算を行うようになります。数だけの特権だった四則計算が,文字でも行えるようになります。なぜなら,文字の中身は数の集合体だからです。
  「数の考え方」を,「文字に拡張」していく重要な場面が,この単元なのです。その橋渡しの考え方が,「一つにまとめる」という考え方なのです。

  さて,上のソフトです。薄紫のボタンをクリックすると,この「一つにまとめる」アニメーションが始まります。
  それを見ると,どんな学習がわかりやすくなるのでしょう。
  これは,ソフトでご確認ください。
  このソフトも,近いうちに「もっと!算数」サイトにアップします。
  類題もいくつか,作る予定でいます。
  6年生の先生,文字式の単元は,「もっと!算数」で楽しく取り組んでください。

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  『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』(DVDブック/さくら社)を使っている先生がドンドン増えています。
  うれしいです!
  日本中の子ども達が算数が好きになりますように,私も微力ながら,ソフト開発を進めていきます!!

奥田先生,佐々木先生,関田先生のメール

  高崎の講座に参加してきました。なかなか面白い講座でした。メインは深澤先生でしたが,間を受け持った4講座が実に良かったです。
  特に良かったのは,羽鳥先生の「日本人の心」の研究です。道集からこの方面の研究者が登場することがなんとも良い感じです。3年5年と研究の歳月はかかりますが,しっかりと学ぶと,不動の軸が生まれてきます。注目していきたいです。
  大田先生はいよいよ本論というところで時間でした。こういう終わり方は妙に惹かれます。なかなかやるなと思った次第です。2次会で少し前後を伺いました。骨のある話とわかり,話を聞いて良かったです。
  長谷部先生は研究者タイプです。三段階論で実践を語っていました。この先,論理を高めていくと,一つの思想として形成されていきます。楽しみな方です。
  神藤先生は,道集きっての勉強家です。今回は音読でした。映像を見て,その動きが多くの先生の学びの的になっていましたが,私の期待どころは特別支援のクラスを受け持つことで神藤先生が根源的な何かを見い出せるかです。期待度が高いです。

  道集に新しい動きがあり,講座に参加してよかったと思いました。

  不思議なもので,似たような動きが私の周辺でも起こっています。
  奥田先生は,管理職の先生から「算数について、コンピュータを活用した授業を研究してほしい」と頼まれました。
  佐々木先生は,教務主任の傍ら,算数少人数担当などとなり,「今年は元気算数(算数ソフト)をフルに活用して、ICT活用が学力向上にも効果があるということを証明できるように取り組んでいきたい」と決意をしています。
  関田先生は「算数は,様子を見ながらですが,早くも験也先生のソフト大活躍な予感がしています」とメールをいただきました。
  
  私自身,先月,ノートを一冊作り,算数ソフトを使っている先生から教えてもらった「嬉しい成果」の話を記録し始めました。そこへ,奥田先生,佐々木先生,関田先生からの嬉しいメールです。何か,未来へ向かっての動きが始まっているように感じています。
  
  なんというか,これまでの算数の指導は,かなり「疲れ感」を持っています。教える先生も,教わる子ども達も,ちょっとつらいのです。
  ところが,算数ソフトを使うと,「喜び感」に変わります。教える先生にはゆとりが生まれ,教わる子ども達は夢中になります。
  時代の流れが算数にも及びつつあると考えてよいのではないでしょうか。

4年の変わり方/算数ソフト

  4年生で学ぶ,「変わり方」のソフトです。
  
  この問題は,ちょっとひねりの入った問題です。
  階段の「段数」と,「周りの長さ」の関係を式に表していくのです。
  どこがひねっているかというと,階段の段差の部分です。
  この段差の部分を外側に押しやるように移動させると,単なる正方形になります。
  ですので,基本的な学習なら正方形の周りの長さの問題にした方がよいのです。でも,算数には,こういったちょっとしたトリックのような出題があるので,頭の体操として楽しむのもグッドです。
  このように解説をしても,階段が正方形と同じ長さになることを,なかなか理解できない子もいます。そんなときは,水色の[?]ボタンをクリックしてみてください。
  なんと,階段が正方形に姿を変えます。
  
  この学習,6年生の「文字を用いた式」(文字式)につながります。
  そうして,中学の「y=ax」へと進んでいくのです。重要な単元ですから,「もっと!算数」にアップしたソフトを活用して,子ども達の頭を上の学年にしっかりとつなげてほしいです。

  このソフトも,近日中にアップします。
  その後は,6年の「文字を用いた式」のソフトを順次アップします。今しばらくお待ちください。

流れに乗る

  新年度,新しい教室で子ども達との出会いが始まりました。
  先生も子ども達も,これから先,どんなことが待ち受けているのかと,わくわく感でいっぱいと思います。
  
  新学期になって,気分がいいからと,太陽が「ようし,一丁,今日は南から上がってみるか!」となったら,楽しいでしょうね。月も「新学期だから,満月を一週間ぶっ通しにしてあげよう!」となったら,嬉しいですね。
  でも,そんなことは絶対に起こりません。自然の流れは人間界に何があってもいつもと同じように続きます。
  不思議なもので,そんな自然のいつもの流れが,とてもありがたいのです。

  人間も自然の一部です。
  ですので,大きな変化が無く,これまでの流れに乗っていることも,なかなか良い気分と感じられてきます。
 
  これが,「自然の流れに乗る」という方法で,新学期の指導としても活かされています。
  給食当番・掃除当番・係活動・・・
  新しく決め直します。
  ここを「前の学年ではどうやっていたの?」と,前の学年の流れに乗ります。
  「先生にわかるように,上手にやってね」と,出来るだけ良い感じでやってもらいます。
  そうして,「良い方法だね」「良い先生だね」と前の学年のことをうんとほめます。
  前の学年のことも,前の先生のことも,子ども達は大好きです。それをほめてくれる,新しい先生もうんと好きになります。

  そうして,1週間,2週間と経ってから,自分の勉強してきた方法をそこに組み込みます。
  「学年が一つ上がったんだから,ここはこうして見てはどうだろう」と。

  城ヶ崎先生と新学期の話をすると,たいていは,このような話になります。
  前の担任の先生の方法を知ることが出来,子ども達の様子も見ることが出来ます。
  力づくで変える必要もなく,自然の流れに乗っていくのは,城ヶ崎先生が学んでいる古武道の流れです。

  

墨子

9日(土)に開催される,高崎の講座に参加します。
懇親会も参加します。算数ソフトを使っている先生とお話が出来たらと思っています。
(講座内容は,下の方をご覧ください)

花粉症の対策が功を奏し,ほぼ問題なく今日まで過ごせています。昨年の8倍とも10倍とも言われていたので,1月中旬には医者へ行き,飲み薬,塗り薬,点眼剤をいただきました。そうして,ちょっと値段の張るマスク。おかげで,快調に仕事が進んでいます。

  『墨子』を読み返しました。
他国を攻めるのは愚であり,そんなエネルギーがあるなら,それを国力向上に使おう!というような主張もあり,なかなか良かったです。さらに良かったのは,それでも他国が攻めてくることがあるので,城の守り方を明確にしてしたことです。
“守り”が国を富ますのです。
これは,戦後の日本の歩んできた道です。仮想敵があったとしても公言はせず,ひたすら専守防衛。攻めない分,人材が人財となり,豊かな国へと大成長しました。

儒教と並ぶほどに大繁栄した墨子の集団ですが,あっという間に消滅します。時代の流れに対応できなかったかたくなさ,戦国の世の終焉,なるほどと感じるものがありました。

宇佐美先生は,「とにかく,たくさん読みなさい」とおっしゃいます。読めば,何が良くて何がダメかがわかってくるからです。
算数的に言えば,量をこなすと平均や最高値・最低値が見えてくるのです。さらに,普通ゾーンも感じ取れるようになります。
なぜ良いかなどの理屈も,量が言葉を生み出してきます。
この論理,算数ソフトにも通じています。とても簡単に量をこなすことができるので,しかも,数と図を同時認識できるので,自分から説明したくなるのです。
次は,再び「論語」の読み返しをしたいと思っています。