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2年生の九九のソフト

  「もっと!算数」の新作を1つ作り進めています。
  2年生の九九ソフトです。
  
  名前は「九九の積み重ね図」です。
  妙な名前です。
  でも,私にはこの名前が良い感じです。

  まだまだ作り途中ですが,見れば,どんな仕組みなのか,うすうすわかると思います。
  図が「平面座標」の考え方になっています。
  ですので,図を開いたまま九九を打ち出しするだけで,座標の素地が養われてきます。

  思うのですが,なぜ,長方形の面積を求める公式は「たて×横」なのでしょうか。
  座標への発展を考えたら,「横×縦」となってしかるべきものと考えています。
  座標へと考えなくても,平行四辺形も台形も横(底辺)から縦をかけます。
  「横→縦」が基本なのです。
  そう思うと,どうして,長方形は「縦×横」になったのか,不思議でならなくなります。2500年以上も前の中国の話を持ち出すまでもなく,縦横(じゅうおう)という熟語があるほど,縦は横よりも偉い位置にあるので,それを受け入れて「縦→横」の語順になったのだと思っています。
  西洋数学の系統をもう少し捉えて,明治初期に,「横×縦」と決めてくれれば,中学でのX軸・Y軸もすんなり頭に入り,座標への導入も少しは楽になっていたと思います。どうにも,熟語の語順に乗ったまま今に至っているようで,ちょっと残念に思っています。
  なんというか,長方形の面積の公式の求め方は,算数ファンとして悲しいです。でも,悲しがっていても「縦×横」はこの先も続きます。しっかりとそれも受け止めて,前進することが“通”の生き方です。

長瀬拓也先生の本

  若い先生が,また本を出しました。
  長瀬先生は30歳です。この若さで著書が多数あります。どうして,こんなに・・・と思う方は,長瀬先生の本を先ず見てください。読めば,なるほどと感じます。
  一つは読者の身になって書いています。だから,共感するところがあちこちに出てきます。もう一つは,途中にいろいろな本が紹介されています。自分の読んだ本があれば,ハッとします。著者との距離が近づいた気持ちになります。長瀬先生はこういう本を読んできたのかと,追いかけやすいです。

  この本は,教壇に立ったけど,あれこれあって,曇天気分にになっている先生にお勧めです。そうか,と薄曇りから晴れ,快晴に向かうヒントが得られます。また,本を書きたいと思っている先生にも,こういう書き方があるんだと,参考になります。良い本です。
  

埼玉県毛呂山町へ

  埼玉県の毛呂山(もろやま)町へ行ってきました。総務省のICT絆プロジェクトの会議のためです。
  私の役割は,教材選定のアドバイスです。少しお話をさせていただきました。
  ありがたかったのは,現場の先生がとても真剣で,前向きだったことです。
  
  会議終了後,情報教育推進室に案内されました。室長自らが作り上げたソフトを見せていただきました。
  http://www.town.moroyama.saitama.jp/www/contents/1285736768773/index.html
  こちらにアップされています。膨大な量があります。
  パワーポイントで作られているそうです。いったいどうやったらパワポで作れるのでしょうか。ディレクターしか知らない私にはつかみきれない制作の世界です。

  現場で教材ソフト開発をされている先生はたくさんおられます。その中でも,「さすが違うな!」と感じる先生がいます。私の知り合いの中では,佐々木智光先生,金川秀人先生,奥田吉彦先生が群を抜いてすばらしい作品を作っています。アイデアや発想,学ぶところが多いです。毛呂山町でまた優れた教材ソフト開発の先生と出会えました。とても良かったと思っています。

  この日の前日は,医者三昧でした。花粉をキャッチしていたので,今年はしっかりガードをと思い,耳鼻科→皮膚科→眼科と,めぐりました。ですので,毛呂山町への鞄の中は薬袋がいっぱいでした。病院の待ち時間はいつものように読書です。『荀子』を読んでいました。『論語』の時代との違いを感じさせる作品で,なかなか面白いです。

『直感でわかる微分積分』は良いです

   算数のことをもっとよく知りたくて,数学の本を時々読んでいます。

  右の本は,神田神保町の岩波書店に入ったとき,目にした本です。算数・数学は抽象の世界に入り込むので,「直観でわかる」ことは非常に重要です。そんな思いがあったので,書名を見たとき,びっくりしました。
  すぐに購入して,時間を見つけて読みました。

  とっても良かったです。
  
  微積の本ですから,変化が基本です。
  変化・動き,これを概念として把握できるかどうかが,算数・数学の力なのだと,この本を読んでいっそう強く思いました。
  何というか,算数のソフト開発研究に自信を持たせてくれる,そんな本でした。
  
  初めて知ったことも,たくさんあります。
  小学校の算数の鬼門,「速さ」の概念をつくったのは,なんと,ニュートンなのです。ニュートンといえば,リンゴのお話に登場する理科の偉人です。でも,数学の偉人でもあるのです。
  ニュートンの事を知りたくて本も読みましたが,私の読みでは「速さ」のことは,引っかかってきませんでした。ニュートンの本ももう少し読んでいこうと思います。  

中嶋郁雄先生のブログに

  中嶋郁雄先生のブログがあります。「叱り方研究会」という名称のブログです。
  このブログに,中嶋先生が「算数を授業の核とすることに自信を持つようになりました」と記しています。さらに,「「算数ソフト」をどのように授業の中に取り入れるか・どのように使いこなすか・・・。これが、今私にとって重大な研究テーマとなっています」と記しています。
  実に嬉しいことです。すでに,何冊も本を書いている中嶋先生がこのような姿勢でいてくださるのですから,私もますます励もうと思います。
  
  「もっと!算数」のサイトがオープンしたら,それにまつわりながら,中嶋先生のような先生方と共に前進をしていきたいと思います。算数ソフトを使う算数の授業は,これまでとはひと味違う新しいタイプの授業となります。ですので,あちこちで躓きながらの前進になると思います。
  でも,夢があります。未来があります。新しい時代の扉を開くロマンもあります。少ない人数でも歩んでいる内に一緒に歩む先生が増えてくると思います。子ども達を算数好きにする全国的研究が始まるような気がしています。面白くなってきました。楽しみが増えました。

6年の算数ソフト_速さ

  とっても人気のある,速さを体験するソフトです。
  これは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の6年2巻に収録されています。

  このソフトを見たことがある先生に,お話をします。

  「速さ」が,「道のり」と「時間」で決まることは,このソフトを使って,体験的に理解できます。[速さ]ボタンをクリックすると,その式も登場します。
  基本的には,これでとても良い授業が展開できます。

  これに,一つだけ,「押さえ」を加えることができます。それは,「分数」を見せることです。
  上の画面のどこかに分数の線(括線)を引くことができます。すぐに,わかったと思います。先生のお考えの通り,そこに線を引くと,急速にどうやって計算をしたらいいかがわかってきます。これが,「1時間あたり(時速)」という単位量を求める式につながります。

  高学年の算数は,「分数が支配している」と考えても差し支えないほど,分数で考えるとあれこれが「はは~ん,なるほど!」となります。
  具体や半具体と分数を結びつけるようにするのも,問題を解く一つの有力な方法となります。