Category Archives: 事前学習法研究

事前学習,若い先生方の提案

大阪で第3回目の事前学習法セミナーが開催されました。
若い先生の発表に感動の連続でした。
「事前の充実」
それをどう行うか。そこが,実に良い形で具現化されていました。

丸岡会長からは事前学習の骨格についての話があり,また,算数や音読の実践を通して,「成果を実感できる」「小さな研究者だ」「時間が短縮する」と話がありました。
清寺先生からは,国語の説明文の実践を通して,「自分がどうやって学習を進めていのか,組み立てやすい」「子どもに明確なゴールを示せる」「子どもの中の差を少し埋められる」と話がありました。
河崎先生からは,算数の実践です。「子ども達が学び合いをするようになった」と話があり,それがチャイムが鳴っても続くという驚きの様子をビデオで見せていただきました。
紀先生は理科の実践です。「授業が進むにつれ,自主学習をする子がふえてきた」とのことです。
梶谷先生からは,事前学習と大乗仏教と共通点が語られました。
阿部先生は社会の実践です。同心円ですすむ社会で,「事前に意識すべき点の見つけ方」が示されました。
最後に丸岡先生の体育の実践です。「体育の実践は教室から始まる」という提案が出されました。

私は先生方の話を聞きながら,「これはすごい!」「おお,そこまで行くのか!」と感動してばかりでした。
先生方の提案に大きな力を頂きつつ,私も少し話をしました。
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かなり変わった「円すい」の提示

明日は楽しみにしている「事前学習法」のセミナーです。
セミナーを主催しているレッズの丸岡代表はじめ,伸び盛りの先生がたくさん集まるので,その先生方と話をすることも大きな楽しみです。
正三君の本も1冊持って行くので,懇親会の時にでも,回し読みをしてみたいと思います。
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b8077有田先生の継承セミナーに行くに当たって,いくつかプレゼント教材をカバンに入れました。
何を入れるか,あれこれ思っているとき,偶然,奥の方にあったケースの中から,昔懐かしい教材が出てきました。20年以上前の作品です。
こんな教材がよくぞ家に中に残っていたものだと,自分の不整理,不整頓もたまには良いことにつながると,変な感心の仕方をしました。
また,その当時のPCと当時のソフトで,よくぞこの絵柄を作成したものだと,ちょっと悦に入りました。

今,これに名前をつけるとしたら「円すいバッジ」ですね。
バッジと言っても,かなり大きいです。縦は10cmを超えています。

A4紙に印刷されているので,まず画用紙(できれば板目紙)に貼り付けて,切り抜きます。
それから,裏にクリップをセロテープでつけます。つける前に,クリップの先を90度ひねっておきます。すると,クリップがフックのようになり,「円すい」をワイシャツのポケットに引っかけることができます。こうすると,「円すい」はバッジのようになります。

ここまで準備して,どうするかというと,ただ胸のポケットに引っかけていつも通りに算数の授業をします。
円すいを教えるわけではありません。ただ,飾りとして見せるだけです。
普通に授業をしていても,子ども達は胸に飾られた「円すいバッジ」に目が行ってしまいます。
「珍しい物には目が行く!」
人間の持つ,この本能的な性質を利用して提示するだけです。

気になってしょうがない子も出てきます。
「先生,それ何ですか」と聞いてきます。
「気になりますか。明日,お話をします。」とサラッと流します。
胸に飾るだけですが,授業が終わる頃には,大方の子がこの形を見て「円すい!」と言えるようになっているから不思議です。

あしたの事前学習法セミナーに,これの実物を持って行くことにしましょう。
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東井義雄記念館の前夜の話

b8084東井義雄記念館ツアー。
前日,大阪に宿泊。
大阪の先生方と合流し,あれこれ話しました。

グイッと来た話がいくつもありました。
1,小さい「っ」を書く指導は,事前学習が最高!
2,組み体操の基本は「立腰」
3,自分の個性を自覚し指導したら,保護者授業アンケートの「担任への評価」が全員Aとなった!

小さい「っ」の事前学習は,9日(土)の事前学習法セミナーで話題に出ると思います。
事前学習のポイントがつかめるナイスな学習です。
事前学習法について,興味のある先生,一度話を聞きにお越しください。
それだけで,指導の姿勢がグイッとよい方向に転じます。

組み体操の立腰は,「言われてもっとも!」と思いました。
立腰をしていない子が立腰を始めると,腰付近の筋力ができていないので,初め筋肉痛になります。
でも,しばらくするとそこを通過するので,組み体操の時の飲み込みが違うそうです。

楽しい話で盛り上がりました。
そうして翌日,東井義雄記念館です。
大阪からバスで行ったので,結構,バスに揺られました。
それでも,行ってよかったです。
東井先生の息子さんのお嫁さんの話に,ピカッと来る良い一言があり,私のこれからの勉強に力強い応援を頂いた気持ちになりました。

帰りは野口先生と新大阪から東京まで,ずっと歓談です。
充実しました。
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杉並区の『なみすく』

なみすく東京の杉並区の小学校に配布されている『なみすく』にインタビュー記事が載りました。

リンク先のURLを取得するために,なみすくのHPを見に行きました。
そうしたら,ちょうど私の載っているページが見開きで紹介されていました。ちょっと覗いて見てみたいという先生は,こちらをクリックしてください。4月いっぱいぐらいまでは,見ることが出来ると思います。

テーマは「親子で希望の持てる新学期を迎えよう!」です。

小見出しが3つ。
1,「小さい字」に慣れておけば新学期の教科書への抵抗が減る
2,苦手を克服する,しないは二択で子どもに選ばせる
3,姿勢を正すと,気持ちが前向きになる

2番目,3番目はブログでも似たようなことを書いていますので,ご存じの先生が多いと思います。
1は,教科書の文字が急に小さくなるという話です。
3年生を受け持つ先生は,2年の教科書下巻と3年の上巻を開いて見比べてみてください。3年の教科書は文字の大きさが小さくなっています。そのために,見開きに載っている情報量がぐんと増えています。
子ども達は,先生には解らない圧迫感を感じているのです。
そこを少しでも解消してあげましょうという,いわば,事前学習を記事にしていただきました。
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算数セミナー,大満足!

「算数スタートダッシュセミナー」
充実して終了しました。私は大満足です!!

一番印象的だったのは,静岡の鈴木先生が参加されていたことでした。
さくら社を設立した頃,静岡にある登呂遺跡を案内していただき,一緒に見学をいたしました。
ファミレスで休憩をした折,「一発君」のスタンプを見せてくれ,懐かしい実践がよみがえりました。
その鈴木先生がセミナーの会場に入ってこられ,とても驚きました。
鈴木先生のと再会は,神様からのサプライズだったように思えています。

セミナーは,事故による鉄道の運休というアクシデントに見舞われましたが,予定通りに進められた。

b8112藪田先生,丸岡先生,佐々木先生,佐藤先生,奥田先生,藤本先生。
それぞれに特色のある話をしてくださり,「小さな研究が始まっている」と強く感心しました。

算数ソフトはそのソフトの数が1400本を超えるほど,大量にあります。
「数は力なり」というように,教材も大量にそろうと,いろいろな角度からの使い方が生じてきます。

◆単元の導入に,その単元のソフトを5本,10本と見せるようにすると,子ども達の学習意欲が非常に高まる。
◆ソフトの中にある各種ボタンを「易しい」→「難しい」へと徐々にレベルアップさせるように使うと,子ども達はどんどん挑戦してくる。
◆手作りの教材と一緒に算数ソフトを使うと,子ども達の理解度が大きく高まる。

新学期のスタートダッシュは,やはり,算数ソフトを見せることだ!と強く思いました。

いろいろな研究会に顔を出していますが,この算数ソフトのセミナーは格別です。楽しくって仕方がありません。
その使い方に,ざぶとん一枚!
その論理展開に,ざぶとん一枚!
そんな目から鱗の話がざくざくでした。

なんというか,このセミナーに関われて,本当に良かったと思っています。
事務局を担ってくれた吉田松陰先生こと小出先生に感謝しています。
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TTと習熟度別,学習効果は・・・(チーム算数談義)

城ヶ崎先生,サイン中久しぶりの「チーム算数」開催日でした。
開口一番,城ヶ崎先生がカバンから新刊『子どもと「ぶつからない」「戦わない」指導法!』(学陽書房)を出し,私に下さいました。
せっかくなので,サインをいただきました。
写真は,そのサイン風景です。

城ヶ崎先生から,「TTと習熟度別、学習効果はどちらの方があるのか」の話を伺いました。
結論から言うと,TTとのことです。
その理由は,・・・・。
ぜひ,城ヶ崎先生の講座でお聞き下さい。
納得感の高い話を聞くことができます。

今,問いと答えを示し,その理由を示していません。
このスタイル,意外なのですが,思考を円滑にしてくれます。

もし,問いだけ出したとすると,今回の場合はまず2つある選択肢からどちらかが正解であると,とりあえず決めることになります。
その選択があっていれば良いのですが,もし,間違えてしまうと,考えた理由の筋が通りにくくなります。せっかく考えたのだけど,ご苦労様でしたとなりかねません。

ところが,問いと答えを示されると,問いからも答えからも,理由へと迫ることができます。
TTの方が良いとのことなので,TTの良さを考えるか,習熟度の負の部分を考えればいいのです。
問いと答えから挟むように考える,「挟み撃ち思考」ができます。

こういう挟み撃ち思考,算数で結構使えます。
問いと答えを示し,その理由を考えさせる学習です。
25と17をたすと42になるけど,どうしてでしょう。
というような学習です。
合わせると42になるのだから・・・と,考えが42になるようにと働きます。
式と答えの間に整合性が出るように思考が働くので,理由付けで間違えることが難しくなってきます。
そうなると,余裕が生まれてくるので,いくつかの方法で理由を示したくなってきます。
図で書いたら,42になったよ!
数直線でも,目盛りを追っていったら42だった!
位取りの表の中にお金を書いたら,確かに42円だった!
多岐にわたって考え,しかも,自信を深めます。

中学の論証は,仮定と結論が示されていて,証明を考えます。
挟み撃ち思考は,まことに,論証と同じ形なのです。
思考力や考える力を付けるのであれば,証明しやすいように問いを出すことが肝心となります。

授業の導入をどう考え実践していくか。事前学習法研究会で研究が進んでいます。
こういった提示の仕方も,事前学習法の一つです。

チーム算数で面白かったのは,城ヶ崎先生の国語(物語文)の事前学習法です。
物語文を読む前に,ストーリーを先生が簡単に話したそうです。
それから,本文の学習をします。
そうしたら,思わぬ効果があり,国語の授業が急速に盛り上がり,面白くなったそうです。
その話を聞きながら,私は兵庫の松田先生の話を思い出していました。
特別支援のお子さんにも,ストーリーを先に教えておく指導が,非常に有効なのです。

事前学習法は,単元の導入・本時の導入を改めて考え,より学習効率の高い導入を考える研究です。
非常に広範囲に研究ができるので,これから先が益々楽しみです。