Category Archives: 事前学習法研究

三年一経に通ず=藪田兼嗣先生

藪田兼嗣先生事前に準備をした授業は,概してうまくいきます。
でも,時には,うまくいかない場合もあります。

逆に,何も準備せずにぶっつけ本番で授業をやっても,まれにうまくいくことがあります。

どちらでも,うまくいくのなら,何も準備しない方が良さそうに感じますが,それは自分の底辺に怠け心を植え付けるので,実に恐ろしい人生へ向かうことになります。

ぶっつけ本番でうまくいったとしても,それは「まぐれだったのだ」と,自分に言い聞かせ,また,そう見なして授業を振り返った方がいいです。

前進的に進む場合に大切となってくるのは,まぐれ・偶然という世界から,どれだけ遠ざかるかです。
少しずつでも,必然の世界に近づき,それが自然体でできるようにと自分を高めていくことです。

事前学習法の研究を,昨年の夏に若い先生方とスタートさせました。
あれから半年。
若い藪田兼嗣先生が,事前学習法の研究を自分の軸の研究としていくことを決意しました。
意図的に,意識的に,事前学習を取り入れて,これから先の実践に挑んでいきます。
これは,大した決意です。
この半年間の実践で,想定を超える確かな手応えを感じたのだと思います。

こういう決断をする時が,人生には何回かやってきます。
私の場合は,その最大の決断はSANSUソフトへの開眼でした。
過去の実践を全部否定してもかまわないと思うほどの熱で,SANSUソフトの開発の道を歩むべきと強く心に決め,今もその道を歩んでいます。

不思議なことは,SANSUソフトの道を歩んでいても,同時に,他の道もそれなりに学ぶことができてしまうのです。
作法の研究はその最たるものです。
絞り込んで学び続けることが,実は,人生の効果的な学び方になっているのです。

三年一経(いっけい)に通ず

寸暇の時間はこれにつぎ込もう。3年は取り組んでみよう。
そんな風にして進んでいくと,周囲もその目で見てくれ,その道が自分の軸となっていきます。

藪田先生はブログを公開しています。
そのブログの題名が,新しくなっていました。
「藪田兼嗣・事前成功法研究者のブログ」です。
いいですね。
3年後の藪田先生と,深みのある話を歓談したいと思っています。
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明治時代のはがきに,事前学習法

初期の頃の葉書郵便はがきです。
ちょっと古い感じがしますね。

このはがきは明治8年から発売が開始された,今となっては珍しいはがきです。
表面には飾り罫があり,「郵便はがき」の文字も上部ではなく,左側にあります。
初期の頃のはがきしかも,「はがき」の「は」は,変体仮名です。さすがに,PCのフォントには入っていません。
また,「はがき」の「が」は,にごらず「か」です。
こういう表記を見ると,この時代の文化を感じます。

郵便制度が出来て,はがきも日本で使われるようになりました。
はがきは江戸時代には無かった文化なので,はがきの使い方・書き方を誰も知らないところからのスタートでした。
相手と自分の住所氏名をどこに書いたらいいのかよくわかりません。
そこで,利用する人が間違えないようにするための工夫がなされていました。

はがきの左下の文章がその工夫です。初期の頃のはがき

此表面ニハ宿所姓名ヲ限リ認メ
 裏面ニ通信文言ヲ認ムベキ事

表面には,住所と名前だけを書くと,伝えています。
さすがだなと思うのは,「表面」の文字の前に,「この」と書いていることです。どっちが表面か分からない人に,表はこの文字を読んでいるその面であることを,「この」の文字がしっかり伝えています。
こういうの,いいですよね。

表面が見ている面と分かったので,裏面もすぐに分かります。
通信文を書くのは裏面だけと示しています。
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この取扱いの説明を記す丁寧さが,やっぱり日本的なのだと思います。
好き勝手に書かれたら,困る人が出てくるのは明白です。
困り事,困る人がなるたけ出ないようにと願って,また,郵便業務が円滑に進むことを願って,解説を印刷したのです。
これ,事前学習法に通じる日本人らしい工夫ですね。
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このはがきに似たはがきが手元に少しあります。
事前学習法セミナーの折に,どなたかに差し上げたいと思います。
次回の事前学習法セミナーは6月ですが,その前に,2月の野口塾IN大阪で,事前学習法に関わる算数ソフトの話をしますので,そこで差し上げたいと思っています。覚えていたら,ですが・・・・。
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事前学習法の格言

事前学習法セミナーin東京でお話しした中に,次の項目がありました。

3,事前学習法の格言

私が紹介したのは,中庸(ちゅうよう)に載っている一節です。

凡そ 事は予めすれば則ち立ち,
予めせざれば則ち廃す。

事前の大切さを,見事に言い表していますね。

小さな事でも研究をしていく時に,心の支えになってくれるのが,お気に入りの格言です。
ですので,事前学習法に関連して,あるいは自分が小さな研究を進めるに当たって,力が湧いてくるような,支えになってくれそうな,そんな言葉を各自が座右の銘として,持っておくことが必要であることを話しました。

山﨑先生の発表そうしたら,アニキ(佐々木先生)が,事前学習法研究会のFBにリンカーンの言葉を書き込んでくれました。
これが実いい言葉なんです。
なるほどと思い,私の手帳にメモしました。

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右は山﨑敏哉先生の発表です。
①に書かれていることを,格言風にすると,「仕込みが決まれば,授業も決まる!」となるのでしょうか。
意気込みを感じる発表でした。

若い先生は本気を出すと急成長します。
セミナーへ向けての努力が,その急成長を推進します。
将来が楽しみです。

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《事前学習法セミナーの予定》
6月頃 第3回 事前学習法セミナーIN大阪
夏頃  第4回 前学習法セミナーIN千葉
??  第1回 事前学習法セミナー全国大会IN大阪
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事前学習法 三大効能

佐藤先生事前学習法に関心を持ってくださる先生方が少しずつ増えていることが,今,とても嬉しいです。

セミナーの最後に,「事前学習法の可能性」についてお話をしました。
その可能性の前に,いくつかのことを話しました。

1,なぜ,事前学習法に行き着いたのか
2,事前学習法の3大効能
3,事前学習法の格言

これらの話をしてから,

4,事前学習法の可能性

について,お話をしました。

普通の授業法との違いの一つが,「3大効能」です。
【第一効能】格差が縮まる
【第二効能】不明・不足が減る
【第三効能】能動的になる
この1つ1つに大事な内容が込められていますが,そのことと同じぐらいに大事なことは,この3つの効能が絶対ではないということです。
大事なことは,事前学習法を学んでいる先生一人一人が,どんな効能があるのかと,束ねていくことです。

事前学習法は,「これはこうする」とか「あれはああやる」と,手取り足取り教えていく指導法ではありません。
事前に何を教えるのかを自分で考え,実践する指導法なのです。
ですので,人によって効能が微妙に違っていて普通なのです。
私は3大効能と考えていますが,丸岡会長はもっと数が多いかも知れません。
写真に写っている佐藤先生には,違う項目が立っていると思います。
論理的に実践を振り返りつつ,実践が進んでいくのが事前学習法の特色です。

なぜ,こんな風に考えるのでしょうか。
それは,事前学習法を実践している先生方一人一人が「小さな研究者」のように育っている現実を見ているからです。
小さな研究者集団。これが事前学習法研究会の姿です。
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写真は,算数で驚異的な成果を上げ続けている佐藤先生です。
20代の先生が,こんなすばらしい大成果を上げています。
小さな研究を続けることが大切なのだと,つくづく思います。
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第2回 事前学習法セミナーは熱かった!!

第2回事前学習法セミナー東京の八王子で第2回事前学習法セミナーが開催されました。
どの話も熱い内容で,事前学習法への期待度がグイグイ高まりました。

写真は,副会長の藪田先生のお話です。
事前学習法を取り入れて,先生が変わったのですが,同時に子供達も変わったというお話の一こまです。
感動しました。

この日は,会長の丸岡先生と,会長補佐の紀先生が大阪から駆けつけてくれました。熱いものを感じます。
また,小出先生の師匠筋に当たる佐々木先生も駆けつけてくれました。
その佐々木先生が,「事前学習は簡単だけど,奥が深い!」とズバリと評価してくれました。
「いいものは,いい」という立ち位置を一貫して守っている佐々木先生の評価です。素直にありがたいと思いました。
佐々木先生は,事前学習法研究会のアニキになりました。

発表はどれも驚くほどの良さでした。
その中で,異彩を放ったが河邊先生の校外学習の事前学習法でした。
内容があまりにいいので,事前学習法の校外学習部の部隊長に任命しました。即,引き受けてくれました。

懇親会では,この先の取り組み発表がありました。
「事前学習法セミナーIN千葉」を来年開催します。担当は小出先生。佐々木アニキが補佐をしてくれます。
「事前学習法 全国大会IN大阪」を来年の夏開催します。東西の20代,30代の先生方が渾身の指導を提案します。熱い大阪になりますね。
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若い先生,ぜひ,事前学習法セミナーにご参加下さい。
大成長が期待できます!
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論理的な思考

神田の古本屋 明倫館「事前学習法研究会IN東京」に,丸岡会長も参加するのですが,大阪で丸岡会長と会った時に,彼は次のように話していました。
「社会を事前学習法で授業したら,テストの平均点が16点もアップしました。」
社会は点数とは関わらない部分が多いのですが,それでも,同じ時間数を授業して,テストも高得点というのは,実に嬉しいことです。

知るとかなり効果が出る指導です。
どんな学習なのか,話を聞きに来て欲しいと願います。今度の日曜に,八王子で第2回目の事前学習法セミナーを開催します。ぜひ,お越し下さい。
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8と4を合わせるといくつになるか。
これを子ども達にさせると,8に1,2,3,4と順に加えていき,12とする子がいます。
また,4を2と2に分けて,10を作って12と考える子もいます。
どちらでやっても,12と出てくるので,どっちを選ぶかは子ども達の自由,と考えることが出来ますが,この考え方は危険です。

先月,叱り方の中嶋先生が,我が子の算数力が飛躍的伸びていることを話してくれました。
特に,たし算・ひき算を急速に出来るようにしたのが,「数の合成分解」と話してくれました。
4を2と2に分けるような合成分解をしっかり,何度もソフトで勉強したので,その先の計算がスイスイ進んだそうです。
理解の度合いが違うという感じなのだそうです。

この話を聞いて,さすがだなと思いました。
算数は論理的な思考をしっかり学習することで,その先の飛躍につながる勉強なのです。

昔はソフトがなかったので,論理的に学ばせると,ついて行くのが難しい子もいました。
やむなく,結果が同じなら・・・と安易な道で取り組むこともありました。
今は,算数ソフトがあります。
何度でも簡単に合成分解の学習を学ぶことができます。
しかも,面白いので,自分から分かろうとしてきます。
合成分解という論理をしっかりと理解してしまうと,それは一つの素質となり,その論理を自由に使って計算を考えることが出来るようになります。
この状態は面白いです。頭がよく働くので良い感じになります。

算数に出てくる論理的な思考を正面から学べる時代になりました。
どの子も,しっかりした算数力が付く時代です。
いいですね。
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写真:私がよく行く古本屋さん。神保町の古本屋街にある明倫館です。理工系の本の専門古書店です。
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