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3年生のわり算で平均点が94点でした

友達の平野先生から,とっても嬉しいメールが届きました。

平野先生の小学校は,目下,運動会の練習中のまっただ中です。
昨日も3時間もの練習が行われたそうです。
そんな中,3年生のわり算のテストが実施されました。
その結果,なんと,驚く無かれ平均点は94点だったそうです。

運動会で盛り上がっている中,きっと算数も運動会に負けないぐらい,大盛り上がりしたのだと思います。算数ソフトをバリバリに使ってくださる平野先生の教室だからこその快挙ですね。

平野先生のメールには,1時間の授業の流し方が書かれていました。
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「前時の復習」→「課題発見」→「自力解決」→「比較検討」→「適用問題」→「まとめ」→「練習問題」
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校内研修が充実している学校では,これに似た流れで授業が展開されます。
いわゆる問題解決学習ですね。
平野先生は,「どこの場所で、クラウドを使うのが効果的か……。いろいろと模索している状況です。」と記されていました。
平野先生の日頃からの授業への研究が,大きな成果を生み出しているのだなと感心しました。

問題解決学習は,伝統的な指導法なので,やり玉に挙がりやすいです。
1時間に1問しかやらないと批判を受けていたこともありました。
1問だからだめと考えるのは,利の通ったことです。
普通の小学校の公開研究会を見学させていただいていますが,目を覆いたくなる授業も展開されています。
1時間に1問となりそうな場合に,うまいことどこかに算数ソフトを提示したら,どうなるでしょう。
1時間の問題量が5問10問と一気に増えてきます。
授業内容がよりわかる状態になりますよね。

問題解決学習の持つ力で,私がもっとも重要と思っているのは,「問題把握」です。「課題把握」と言ってもいいです。
その時間に何を勉強するのか,それを明確にすることです。
若い頃は,「目的を明確にすることで,目的意識的に授業に臨むことができる」など,ちょっと気取って考えていました。
その本時の問題を子ども達が自ら見つけるように導くと,これが平野先生の書かれた「課題発見」といういい方になります。

次に重要と思っていることは,問題解決学習の流れを,その時々によって伸縮加減させることです。
自力解決を短くし,すぐに比較検討する場合があってもいいのです。
比較検討するほどでもない場合は、簡単にまとめて,練習問題に進んでもいいのです。
そういう斟酌できる力を持つことが大切と思っています。
平野先生は,きっと斟酌力が高いのだと思います。

ついでに,もう一言書くと,退職をした頃の私は,問題解決学習は,ちょっと疲弊しつつある指導法と感じていました。
ですが,最近は,その思いを変えています。
算数ソフトを活用している先生方の声に耳を傾けると,「問題解決学習+算数ソフト」でかなり鉄板的な授業が進んでいるからです。
大先輩が築き上げた問題解決学習に学びつつ,新しい教材・算数ソフトの活用で,流れを斟酌して展開する授業が,すこしずつ研究されているように感じています。

平野先生とお会いして,どんな風に授業をされているのか伺ってみたいと思っています。
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b83733年生のわり算のソフトです。
こんな風に,3こずつ分ける様子をクリックで示すことができます。
あまりの無いわり算の全部を,このソフトで見せることができるので,とっても便利でわかりやすいです。
こういうので5問,10問とやって見せたら,授業も生き生きしてきますし,わり算の意味もしっかり習得できますよね。

3年生の円のソフト

b83743年生で円を学習します。
これは,その円のソフトです。

点アから6cmの所に点をうちます。
点が増えると,どんな形になるでしょうか。

1点から等距離にある点の集合体。
平面なら「円」。
空間なら「球」。
大人には,「当たり前じゃん。そんなのもわからないの?」と感じ取れる所ですが,算数発展途上中の子ども達には,これは意味が通じにくい世界です。

点アから6cmの所に点を打つことは,2年生の長さの勉強でしています。
だから,それを2つ3つ4つと増やしても,大して問題なかろうと思うのですが,そうはいきません。
長さの時は,1つだけしか点を打たなかったので,「6cmの点は1つ」と自動的に思っている子がいるのです。
それを2つ3つ・・・・と打つと言われても,どんな風になるのかイメージがわきにくいのです。

そんな思いから作ったのが,このソフトです。
ご覧のように,右端にある桜スライダーを下に下げるだけで,点の数が次第に増えていきます。
見ているだけで,面白いです。
最大,点の数は360個まで増やすことができます。
小さな点ですが,360個も並ぶと,隣同士がくっついてしまい,円に見えます。

こういう点の数を自動的に増やしたり,減らしたりする様子は,普通見ることができません。
ですので,子ども達は驚きと関心を持って画面を見てくれます。
円はラインなのですが,実は,点の集合体なんだと感じ取ってくれます。
数学的な感覚が習得できますね。

何度か見た後,「同じようにしてみんなもノートに点アを書いて,そこから6cmのところに点を打って,円を作りましょう。」と授業をしたら,面白いでしょうね。
「大変だ!」と感じられてきます。
そうなったとき,コンパスの登場です。
「実は,こんないい物があるのです。」とコンパスを出すと,「コンパスだ!」と知っている子が声を上げてきます。
道具のありがたさが少し伝わりますね。

コンパスのことを江戸時代には「ぶんまわし」と呼んでいました。
行為がそのまま名称になった感じですね。
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算数ソフト
クラウド版(Aタイプ):インターネットに接続できるところで使うタイプです。
ダウンロード版(Bタイプ):1度ダウンロードしたら,ネットが無くても使えるタイプです。

3年生の「円と球」用のソフトは,7本収録されています。
どれもこれも,いい感じのソフトです。
算数ソフトで授業が大きく前進しますね。

河邊先生からいただいたメール

友達の河邊先生から、うれしいメールをいただきました。

河邊先生は、4月の途中から、算数クラウドを使い始めました。
そうしたら・・・
「授業の雰囲気が変わりました」
となったのです。
なんだか、うれしいですよね。

子供たちにも、算数クラウドは大評判のようで、教室でPCが使えなかったとき、
「今日はPCを使えないの?!」 と言ってくれたそうです。
とっても残念だったのでしょうね。

そうして、河邊先生のメールには次のように書かれていました。
「この算数ソフト
知っているのと知らないのでは
学級は大違いです。」
ソフトを作ってよかったなと痛感しました。

b83786年生の分数のかけ算のソフトです。
まずは、「×整数」です。
整数倍ですから、右へ右へと増えていきます。
それを、「ぬる」ボタンのクリックで、何度も楽しく見ることができます。
この「見る」ことで、分数になってもかけ算の意味は同じなんだと体験的に理解していくことになります。

そうして、それから、「×分数」です。
「×1/2」だったら、どうなるでしょう。
「×3」は、目盛りの3まで延びました。
「×2」は、目盛りの2まで延びました。
・・・・・・・
と事例を並べると、「×1/2」も見えてきますね。
目で見たことを、黒板に大きい順に並べていくと、新しい学習も推測しやすくなります。

ここで肝心なことは、「きっと、こうなるだろう」と思ったことを、確かめることです。
「×分数」の方にも、刷毛の形をした「ぬる」ボタンがあります。
子供たちにクリックしてしてもらうのもいいですね。
クリックして、赤の幅が予想通りになったら、それって、うれしいですよね。

河邊先生のように,教室の雰囲気をぐいっと良い方向に変えて,子ども達の算数力をどんどん高めてほしいです。

3年生の棒グラフ,これがわからないと全滅。

b83873年生で棒グラフを学びます。
この棒グラフ,なんといっても肝となるのは,縦軸の目盛りですよね。
縦軸の目盛りが正しく読めれば,基本の大筋はOKとなります。
逆に,縦軸の目盛りがよくわからない子は,ほぼ全滅となります。

こういう,「これがわからないとこの単元は全滅するというポイントがある」と頭が働く先生は,とってもグッドです。
でも,「全滅ポイント」と言ってしまうと,悲壮感ただよう雰囲気になります。
ここを「楽勝ポイント」と言うようにすると,妙に明るく前向きな気分になります。

棒グラフの「楽勝ポイント」をソフト化したのが,右のソフトです。
「01B,復習/数直線の読み方」です。

棒グラフに出てくる縦軸の仕組みは,
A,1ずつ増える(10ずつ,100ずつ・・)
B,2ずつ増える(20ずつ,200ずつ・・)
C,5ずつ増える(50ずつ,500ずつ・・)
の3種類です。
これを,短時間にドドッと勉強できるように,7種類の縦軸を用意しています。

算数ソフトをご活用くださっている3年生の先生,このソフトをちょっとした時間に2回,3回とやってみてください。
効果が大きいですよ。
ほかの棒グラフソフトもいろいろあります。
これはいいなと思ったソフトをバリバリにご活用ください。
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今度の土曜日は,三省堂本店で野口先生の「道徳授業の考え方が基礎からわかる」があります。
24日(土)は,渡辺先生企画の「歴史授業セミナー」があります。
25日(日)は,野口塾ビギナーズです。
算数が専門の私ですが,顔を出すのは,なぜか国語や道徳,それに社会。
こもまた,面白いものです。
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6年の線対称のソフト2本,近々,アップします!

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6年生の線対称のソフトを2本,近日中に6年のクラウド版・ダウンロード版に追加します。
ネットストアにご注目ください。

今回は,ネットストアに「お試し単品アプリ」が出る予定です。
クラウド版もダウンロード版も使っていない先生でも,どんなソフトなのか動かすことができます。
お試しアプリは,5月末日まで動くので,その期間中に子供たちにちょこっと見せることもできます。
見せるだけでも,かなりの勉強になりますよ。
6年生の先生,チャンスです!

「お試しアプリ」のダウンロードは一週間ぐらいを予定しています。
期間を過ぎるとダウンロードできません。ちょこっと,ストアをのぞきに行ってみてください。
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ソフトの説明を少ししましょう。
今回アップするのは,「左右の線対称」と「上下の線対称」の2本です。
図形上に薄いボタンがあります。
丸井のと,四角いの。
このボタンをドラッグすると,図形が変わります。
もちろん,寸法の数も同時に変化します。

うれしいのは,辺の途中からの対応の線が出ることです!
これで,辺上のどの点で考えても,対象の軸までの距離は同じなんだと,簡単にわかります。
しかも,動かせるので,視覚的印象がとっても強力です。

もちろん,同じ長さの意味を表す「記号」も表示できます。
数を見て,「対応している長さはいつも等しい!」とわかってきたら,それを「記号」でこんな風に表すんだよと示すことができます。

数で長さを具体的に理解し,それを記号でスパッとわかるようにする。
これって,数で式を書いていたのを,文字の式にしてグワッと把握するのに似ていますよね。

数の式で何度も計算体験をしているうちに,どうも計算の中に法則(交換の法則など)があることがわかってきます。
その法則を数でいちいち説明したら大変なので,xやyなどの「文字」を使って,数の代わり,つまり「代数」にして簡単に表していきます。
こういった算数・数学の大きな流れに似たものを,対称の図形の「数→記号」に見ることができます。
こんな風に対象を眺めるのも,なかなか乙なものです。
ですので,対象の学習をするときには,「数」で勉強して,次第に「記号」をつかってという流れがグッドとなるのです。

三角形の本『三角形の七不思議』は難しいですが,グッドです

ときどき気になるのは,「正三角形」や「二等辺三角形」という名称。

すでに,熟し切っている名称なので,正・三角形と考えたり,二等辺・三角形と考えることはあまりしません。
ですが,小学校で教えるとなると,正と二等辺の違いが大事なポイントになります。

昔は,それぞれ別物としていたのですが,集合を小学校でも・・と進んだあたりから,正三角形は二等辺三角形の仲間という扱いになってきています。
論理的にはそうなんだとわかるのですが,どうしても生活感(国語感)がそれをじゃましてきます。

赤とんぼ・糸とんぼ。
この場合,赤とんぼと糸とんぼは別物です。
糸トンボの仲間に赤とんぼがいたり,赤とんぼの仲間に糸トンボがいるという,包含関係は成立していません。
たいていの名称は,他と区別するために名前を付けているので,それぞれ別物と考えるのが自然です。
国語の説明文でも,上位概念や下位概念の説明に箱に入れた図で上手いこと説明してくれています。

そんな中,子ども達の前に,正三角形と二等辺三角形が登場します。
いきいなり集合として教えると,感覚的難しさが増してきます。
ですので,最初は素知らぬふりをして,それぞれ別物扱いし,正三角形にも二等辺三角形にもしっかり慣れ親しんだ頃,実は・・・とやるのが,親切というものだと思っています。
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b8394三角形の面白い本を見つけました。
『三角形の七不思議』

三角形と書いてあるので算数レベルかなと思いましたが,しっかりとした数学書でした。
すっかり忘れてしまっている世界が次々登場してきます。

でも,スタートの易しいところは,面白いです。
へー,ホーの連続です。平方ですから,2乗の驚きです。

1枚の折り紙から,最大の正三角形を切り抜く方法をご存じですか。
折って,切って,大きめの正三角形を切り抜く方法は,教科書にも出てきています。
しかし,最大の正三角形となると,これはかなり難しいです。
それが,この本に出ています。
普通の折り紙は1辺が15cm。
細矢先生が計算した結果,頂点から4cmずらすと最大の正三角形を得ることが出来るそうです。
詳しくは,この本に出ています。
これを知っただけでも,この本には感謝です。

面白かったのは,「チェバの定理」です。
チェバという名前の定理があることすら,知りませんでした。
どんな定理かのかというと,三角形の中に任意の1点を取ります。
頂点からその点を通り,辺まで直線を引きます。
すると・・・・。
そういう定理です。

こういう面白い定理を知ると,小学生にもわかるような感じで,ソフトで作ってみたくなります。
ただ,難しいなと思うところが最低でも2カ所も出てきます。
大山が2か所もあると,気が引けてきます。
もう少し,暇になったら,そういうソフトも作ってみたいと思います。
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