Monthly Archives: 2月 2015

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TTと習熟度別,学習効果は・・・(チーム算数談義)

城ヶ崎先生,サイン中久しぶりの「チーム算数」開催日でした。
開口一番,城ヶ崎先生がカバンから新刊『子どもと「ぶつからない」「戦わない」指導法!』(学陽書房)を出し,私に下さいました。
せっかくなので,サインをいただきました。
写真は,そのサイン風景です。

城ヶ崎先生から,「TTと習熟度別、学習効果はどちらの方があるのか」の話を伺いました。
結論から言うと,TTとのことです。
その理由は,・・・・。
ぜひ,城ヶ崎先生の講座でお聞き下さい。
納得感の高い話を聞くことができます。

今,問いと答えを示し,その理由を示していません。
このスタイル,意外なのですが,思考を円滑にしてくれます。

もし,問いだけ出したとすると,今回の場合はまず2つある選択肢からどちらかが正解であると,とりあえず決めることになります。
その選択があっていれば良いのですが,もし,間違えてしまうと,考えた理由の筋が通りにくくなります。せっかく考えたのだけど,ご苦労様でしたとなりかねません。

ところが,問いと答えを示されると,問いからも答えからも,理由へと迫ることができます。
TTの方が良いとのことなので,TTの良さを考えるか,習熟度の負の部分を考えればいいのです。
問いと答えから挟むように考える,「挟み撃ち思考」ができます。

こういう挟み撃ち思考,算数で結構使えます。
問いと答えを示し,その理由を考えさせる学習です。
25と17をたすと42になるけど,どうしてでしょう。
というような学習です。
合わせると42になるのだから・・・と,考えが42になるようにと働きます。
式と答えの間に整合性が出るように思考が働くので,理由付けで間違えることが難しくなってきます。
そうなると,余裕が生まれてくるので,いくつかの方法で理由を示したくなってきます。
図で書いたら,42になったよ!
数直線でも,目盛りを追っていったら42だった!
位取りの表の中にお金を書いたら,確かに42円だった!
多岐にわたって考え,しかも,自信を深めます。

中学の論証は,仮定と結論が示されていて,証明を考えます。
挟み撃ち思考は,まことに,論証と同じ形なのです。
思考力や考える力を付けるのであれば,証明しやすいように問いを出すことが肝心となります。

授業の導入をどう考え実践していくか。事前学習法研究会で研究が進んでいます。
こういった提示の仕方も,事前学習法の一つです。

チーム算数で面白かったのは,城ヶ崎先生の国語(物語文)の事前学習法です。
物語文を読む前に,ストーリーを先生が簡単に話したそうです。
それから,本文の学習をします。
そうしたら,思わぬ効果があり,国語の授業が急速に盛り上がり,面白くなったそうです。
その話を聞きながら,私は兵庫の松田先生の話を思い出していました。
特別支援のお子さんにも,ストーリーを先に教えておく指導が,非常に有効なのです。

事前学習法は,単元の導入・本時の導入を改めて考え,より学習効率の高い導入を考える研究です。
非常に広範囲に研究ができるので,これから先が益々楽しみです。

年度末は,工藤先生の算数ソフトでまとめ!

算数ソフト年度末の3月28日(土)は,「算数スタートダッシュ!セミナー~算数ソフトを授業開きに~」です。
新年度の算数をどう創り上げていくのか。
そのヒントが満載のセミナーと思っています。
皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
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セミナーは新年度に向けてとなっていますが,今は年度末です。
算数もそろそろ学年のまとめですね。

このシーズンになると思い出すのは,工藤良信先生の「算数ソフトでまとめ」という画期的な勉強です。
特に難しいやり方ではありません。
2時間~3時間ぐらい使って,算数ソフトを教科書に合わせて順次見ていく勉強です。
すでに授業でソフトを見ているので,思い出しが実に早いそうです。
数問クリックして見せて,しっかり思い出したら,ハイ次へ!となります。
口頭でどんどん答えさせていくだけでも,思い出しがしっかりできます。

今は,算数ソフトのクラウドもできています。
クラウドは,ソフトのチェンジが実に素早くできます。
単元のチェンジも簡単です。
今年度の算数のまとめも,充実して行えますね。
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明日は,「チーム算数」です。午後2時から。さつきが丘のジョナサンです。
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はじまりの1と0

0か1かビルに入ると,入ったところが1階で,その上が2階。
下は地下1階,地下2階となっています。
規準をどこに置いたらいいかと考えると,入ったところである1階が妥当だろうと思えます。

一方,温度計を見ると,1度とマイナス1度の間に0度があります。こちらの規準を考えると,0度と感じられてきます。

こういう1から始まる数え方と,0から始まる数え方があるのは体験的に誰しもが知っています。

この違いはどこにあるのかと考えてみると,これが私にはなかなか面白いのです。
1からはじまるものは,どうも生活臭いのです。日常生活から生まれてきたように思えています。0は存在していない状態をさしているので,日常生活ではあえて言う必要がありません。言葉になりにくかったのでしょう。生活の中では無いものは無いのです。

これに対して,0から始まるものは算数臭いのです。メジャーなど算数の数直線を基礎とした計測器から生まれてきたように思えています。算数では,あるはずのない0がしっかり存在していています。人為的に創り上げ,他の数と同様に扱っているからです。小数第一位で四捨五入すれば,0も他の数同様のテリトリーを持っています。
無いものもあるとして考え,そこに一貫性を持たせているのが算数の世界です。

面白いのは年齢です。
昔は,「数え」という数え方で年齢を言っていました。
生まれたら,その時から1歳なのです。お正月が来たら2歳です。
とても強い生活臭さを感じます。誕生日そのものも面倒で,お正月が来たら,国中の人が一斉に一つ年を取ります。まさに,新しい年(年齢)になるのです。
世の中が新年になり,人々も新しい年齢になります。めでたさが今とは比べられない大きさに感じられてきます。極めてめでたかったのですね。

「満」で年齢を数えると,生まれてから1年間は0歳で,誕生日が来たら1歳です。
とすると,満は算数臭いように思えますが,年の数え方が数直線的な世界から生まれたとはなかなか理解が及びません。気にはなるのですが,満は西洋から伝わってきた数え方なので,西洋の年齢の歴史を紐解かないと,これより先には思考が進みません。いつか,何かの拍子に,西洋の年齢の歴史にふれられたらと思っています。
まあ,それでも,満0歳が先で,0の発見が後ということはあり得ませんので,何となくですが,デカルト以降に定まった数え方ではないかと思います。

年齢という不明瞭な存在もありますが,無いものを0として扱うという非常に観念的な世界が算数の世界なのです。
こんな風なことを考えていると,やはり,算数は論理的に考える方向に指導するのが筋なのだと思えてきます。生活臭さからの脱却ですね。
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笑いと下支え

図形の指導作法・姿勢と静寂な方向の話題を良く書いていますが,私は笑いが大好きで,講座では爆笑が多めになっています。
話の中身より,どうやったら笑わせられるのか。
そんなことを聞きに来る先生もいるほどです。

爆笑状態になるのは,それほど難しいことではありません。
まずは,自分がその場を楽しくて仕方がないという心境になっていることです。

笑いの源は自分の心にあります。
悲しみに沈んでいる時に笑いを取るのは厳しいです。
怒り心頭状態も,難しいです。
自分の心が他のことに気を取られず,その場のことに集中できているとき,笑いは生み出されやすくなります。

重要となってくるのは,その場で話すことをよく知っていることです。
十二分に下ごしらえがしてあれば,問題なく笑いを取ることができます。
逆に言えば,自分に情報がない状態での笑いは難しいということです。

子ども達を難なく笑わせることができたら,学級は安泰です。
子ども達は先生についてきてくれます。
「墓地と遊園地,どっちへ行こうか」と問えば,たいていの子は明るさでうんと勝っている遊園地を選びます。
明るくって,楽しくって。そんな場所に子ども達は心がひかれていきます。

ただ,笑いは不安定です。
下支えがあった方が,笑いも良い状態になります。
劇場での笑いには,下支えがあります。
静かに聞く。ヤジは飛ばさない。人に迷惑をかけない。
こういう暗黙の約束が下支えです。

学級は時として,この下支えが崩れるのです。
笑いのある明るい学級を作るには,相応の下支えの約束(礼儀作法)がしっかり成立している事が基本条件なのだと私は思っています。
そういうこともあって,崩れようのない学級の下支えの話を時々書いています。
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写真は昨年東京で開催されたセミナーで,図形の指導をそれらしく実演したときの一こまです。大爆笑の連続でした。
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今度の土曜日は「チーム算数」です

今週の土曜日は,城ヶ崎滋雄先生と「チーム算数」です。
場所は,いつものジョナサンです。
会場がファミレスなので,話は緩いです。
緩いながらも,「立腰~静の教育~」について少し話したいと思います。
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3月14日(土)は,木更津技法研の修養ツアー第2弾の日です。
二宮尊徳記念館で開催されます。
もう既にほぼ満席と思います。
私のテーマは「二宮尊徳に関わること(論語・大学など)」ですが,「やる気の無い人を導く」ということが,講話の柱となりそうです。
ばくちばかりしているお百姓さんを,真っ当に働く人に変えていく,奇跡の導きをしたのが二宮尊徳です。そこを少し深めてお話ししたいと思っています。
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3月28日(土)は,「算数スタートダッシュ!セミナー~算数ソフトを授業開きに~」です。
算数を新学期のスタートダッシュからバリバリに進めていき,しっかりした成果をだしていく。そんなあれこれが語られるセミナーです。
藪田顕嗣先生 「子供が前のめり!事前学習法×算数ソフト!」
丸岡慎弥先生 「算数ソフトで先生は銅像に~事前学習がすべて~」
佐々木智光先生「算数ソフトをさらに楽しく使う小技」         
佐藤宗巧先生 「算数、年間学年全員満点のミラクル」
奥田吉彦先生 「算数ソフトの三段活用」
藤本浩行先生 「クラス全員100点をめざす!算数授業づくり ~教材教具、デジタル教材の活用~」
期待値大のセミナーです。
会場は狭いですが,ふるってご参加下さい!
私も算数ソフトについて,少しお話をします。
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野口芳宏先生写真は,大阪の野口塾での一こまです。
背景のホワイトボードから,発問の話が行われていたことが分かります。
発問→挙手→指名
この流は,できる子中心の上澄みの指導になります。
そこを,
発問→ノート→机間巡視
このシステムにすると,発問に応じた解を意図的に発表させることができ,授業が深まります。

そういう深みのある話を学んだ直後にケーキが登場し,傘寿の祝賀となりました。会場の先生方もビックリです。
野口先生も大変感激されていました。
大阪レッズの皆さんのサプライズに,感謝の気持ちで一杯になりました。
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国語の事前学習のヒントをいただきました

野口芳宏先生大阪では事前学習法の話を,丸岡会長とのジョイントで行いました。

その話の前に,野口先生の学習の手引きの活用の話がありました。
「教科書手引き&学習用語で国語授業を充実させる!」です。

お話を拝聴しつつ,事前学習法への大きなヒントをいただきました。

国語の教科書に載っている学習の手引き。
これを授業に入る前に読んでおくと,大筋の指導の方向性が見えてくることをお話しされていました。

これを授業の初めに,子供達にも授けたらどうなるでしょう。
子供達も読む視点ができるので,授業が少し円滑になり,深まりも出てくるように思えます。

こう思うと,さらに一歩進めて,該当学年の学習の手引きを俯瞰させるような学習をしたら,どうなるでしょう。その学年で必要な読み取りの視点が把握でき,今回はこれ,次はこれ・・・となってきます。
似たような視点が2回,3回と出てくれば大変ラッキーです。
まるで読解の思考ツールを手にする事にもなるからです。

こんなことを思っていたら,丸岡会長が話しかけてきました。
最近の国語の教科書には,学習用語が巻末に載っています。
これを子供達にこういう用語が出てくるからね・・・と事前学習したらどうなるでしょうか。
私の返事は,「わくわくしてくる」でした。

事前学習法の講話の中で私が話したことの一つに,
◆教師の3大変化
がありました。
その3つめが「本の読み方,実践の見方が変わる」です。丸岡会長は,この変化が著しいです。
事前をどうするかと,再構築するように読み聞くと,そこに新しい絵図面が見えてきます。
それが,「なるほど,そうか!」と思えれば,実践の価値ありとなり,そこから,小さな研究が生まれてきます。

セミナーに参加されていた先生の中に,事前学習法を学んでみたいという先生もおられました。
ぜひ,「事後の百策」に勝る,「事前の一策」を一緒に勉強していきましょう!
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