Monthly Archives: 2月 2015

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大阪で姿勢の話を

『立腰教育入門』大阪の野口塾に参加してきました。
事前学習法と修養について,お話させていただきました。
とくに,修養では姿勢・立腰について話しました。

話が終わり,自席に戻ったら,私の席の前に座っていた新田先生が笑顔で話しかけてくれました。
うかがえば,立腰教育をされているとの事でした。
それが今や学年にも広がっているそうです。
こういう話を伺うと,やっぱり,嬉しいものがありますね。
力強く,握手をしました。

良い姿勢で座れるようになると,子供達も徐々に変化してきます。
落ち着いてくるので,集中力が高まり,良い結果がついてきます。

立腰や姿勢・作法の教育は,荒れとか崩れを予防する効果があります。
なにしろ,「荒れる」「崩れる」というのは,動きがきつい状態です。それも,悪い方向に。
そうなる前に,静かにすることをしっかりと学んでおきます。
すると,心の落ち着け方が分かる子になるので,次第に荒れることが難しくなってきます。
荒れ防止の事前学習ですね。

静かにする方向への教育を,私は「静の教育」と呼んでいます。
立腰教育・姿勢教育・作法教育。
このあたりは全部,静の教育です。
力のある先生は,静を意識するしないにかかわらず,実践しています。
どんな静の教育を実践されているのだろうという視点で,力のある先生のお話を伺うのも良い勉強になります。

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自主回収をしております

既に,さくら社のHPをご覧になった方もあるかも知れませんが,上條晴夫著『コルトハーヘン教授の教師教育学』を絶版といたしました。ただ今,自主回収をいたしております。
関係諸氏に心よりお詫び申し上げるとともに,今後は再発防止に努め,謹んで業務に精励いたします。

崩れようのない学級2「静の教育」

3ステップ「聞く」トレーニング 自立と社会性を育む特別支援教育「動の教育・静の教育」と先日書きました。
見た感じがちょっと格好よさそうですが,そういうことに目を奪われてはいけません。

落ち着く方向に指導していくのが,「静の教育」と思ってください。

ガンガン考えている時は,見た目,ジッとしていても落ち着いているとは言い難いものがあります。特に,こうした書き物をしている時に,横から「ちょっと・・」と来られると,イラッと来てしまうことがあります。体の動きは小さいですが,頭と心が燃えているからです。

学校までの道中。毎日,同じコースを歩きます。
体は動いているのですが,こういう時に,横から「ちょっと・・」と声をかけられると,「はい,なにか」とゆったりと受け止めることができます。
体は動いていても,頭を特に使っていず,気配りもたいしてしていないので,リラックスして受け止められます。

子供達に落ち着きが無くなってきたら,頭をあまり使わない方向の何かをしてみることです。それが,落ち着かせるための大切な指導となります。

頭をあまり使わないあれこれ。
何があるでしょう。

音読がそうです。
黙想もそうです。
普段の起立・礼なども,頭をたいして使いません。
掃除も毎度同じようなことなので,それほど頭を使いません。

静の教育は頭をあまり使いません。
気配りもそれほど必要ではありません。
それでいて,毎日のように繰り返すことが結構あります。
そんなときに,役立つのは,「価値ある意味づけ」です。
なぜ,それをするのか,その理由を言葉で伝えることです。
筋が通っていて,心が高まる意味づけであれば,とてもグッドです。

野口塾ビギナーズの懇親会で,若い先生が下駄箱の靴をそろえる話をしてくれました。
どうして,下駄箱の靴をそろえなければならないのかと尋ねたら,きれいになる・・・とのことでした。それもいいのですが,今ひとつ物足りなさを感じます。

下駄箱は昇降口にあります。昇降口や玄関は,学校の顔と言われているところです。
お客さんが来た時,本来なら人が出て来て,「ようこそ,いらっしゃいました」とご挨拶をする場所です。でも,学校ではそれができません。
なので,花瓶を置くなどして,物で出迎えの心を示すように工夫しています。
こういうお出迎えの心(おもてなし)を子供達も行うことができます。
何ができるか,考えてみると,靴をそろえることが浮かび上がります。
きちんとそろっている靴を見た時と,放り込んだような靴を見た時では,見る人の気持ちは違ってきますね。

このような話が「価値ある意味づけ」です。
価値ある意味づけは,静の教育でも動の教育でも役立ちます。
本を良く読んでいる先生は,このあたり,きっと豊かなのだと思います。
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『3ステップ 「聞く」トレーニング』は静の教育として読んでも,実に充実した内容の本です。お勧めします。
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崩れようのない学級

教師の作法 指導野口塾ビギナーズの懇親会。
同じテーブルは,佐々木先生,山中先生,神部先生と重鎮がそろいました。
ひとしきり,本の話題で盛り上がりました。
講師だった松島先生が返事の話をしたら,山中先生の返事の本が飛ぶように売れたとのことです。返事について,しっかり書かれている本は,実に重要です。

古典の本を開くと,実に良いことが書いてあります。
上流階級の家庭では,言葉を覚え始めたら,まず返事を教えていました。
今の日本で言えば,「はい」です。
「はい」と言う言葉には,そのすぐ後に言葉がつながります。
何かをお願いされた時には,「わかりました」という意味がつながっています。
「はい」と返事することは,「はい,わかりました」という心になっているのです。
ですので,「はい」と返事することは,それだけで,言われたことを「受け入れる心づくり」をしていることになります。
野口先生が一番大切と話して下さる「受容力」が育っていきます。
ですので,学校の始まり,学年の始まりにおける指導の基本として,「はい」の指導があるわけです。

こんな話をして,さらに,子供達の落ち着きが無くなってきたら,何をしたらいいのかの話になりました。
これも古い本に載っています。
落ち着かせるためにすることは,音読です。
逆に,やってはいけないことは,作文です。

落ち着きがないという状態は,子供達の才気が高まって外に出ている状態です。
自分の才能,気持ちを平静の状態を鑑みずに外に出している状態なのです。
音読は書かれていることをひたすら読むので,才気が外に出ません。自然,気が静まります。
作文は自分で考えるので,才気を働かせます。外に出やすいところに,才気を働かせたら落ち着きにくくなります。落ち着かせたい時には,作文にはあまり力を入れない方がいいのです。

こういう話の根本が,山中先生も研究している「動の教育,静の教育」と言われるものです。
学級経営の本には,概して動の教育が良く載っています。
崩れようのない学級作りを進めている先生は,静の教育のあれこれをよく知っていて,実践している先生です。

こんな話をしていたら,松島先生がマンネリ感・倦怠感について話してくれました。
ここは実に重要なところです。
善に進む過程的構造を知っていれば,舵取りを楽しむことができます。
これについては,陰陽教育につながるので,またの機会にしたいと思います。
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野口塾ビギナーズ,懇親会でお祝いの会

神部先生の還暦祝い「野口塾ビギナーズ」の懇親会の一こまです。
会場である東京未来大学の准教授,神部先生が還暦を迎えられると言うことで,そのお祝いの会も開催しました。

野口塾の還暦祝いは万年筆と色紙。
神部先生がお祝いの品をお披露目してくれ,その万年筆の試し書きを全員で行いました。
書き味が良く,改めて万年筆のすばらしさを感じました。
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お祝いの会も行いましたが,全体がビギナーズの懇親会です。
いつものように,宴会文化のスピーチが始まりました。
山中先生が,「いい話を!」とハードルを上げたのですが,皆さんそれをクリアーされ,さすがだと思いました。

私が話したのは,ビデオと道徳の話です。
人のふり見て我がふり直すのが,これまでのスタイルですが,ムービーを活かすと,「我が振り見て,我が振り直す」という新しいスタイルが誕生します。
これは,観の教育が行われている教室では,非常に大きな効果を発揮します。
より直接的な指導ができるので,子供達の実感度が高くなるからです。
たぶん,道徳の授業全体のあり方にも大きな変化を与えることになります。
そんな話をしたら,実感道徳研究の会長である山中先生が秘密のノートにメモをされていました。
すこし,お役に立ったようです。
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1年生の時計ソフトをさらに修正したくなっています

さくら社ネットストア1年生の時計のソフト。分かりやすいと大評判なのですが,これを少し改良する予定です。

今も,補助機能が充実していますが,これにもう少しグイッとわかる機能を取り付ける予定です。
これがうまいことできあがると,「60までの数」が分かる子は,今までより,もっと短時間に長い針をキチッと読めるようになります。
入学前の子でも,問題なく読めるのではないかと思います。

ソフトはプログラムを修正することで,少しずつですか進化していきます。
先生方の声や,直接使っている子供達の様子を見て,ここをもう少し工夫できたら・・。
それが,積み重なるとちょっとした発展となっていきます。
地味な道ですが,私にはとても面白い世界です。

問題は,その修正をどうやってプログラムするかです。
今日,明日の課題です。
「こうやればいいだろう」と思っても,その思いの通りに動くかどうかはわかりません。
ダメな場合は,知恵を更に絞ります。

ところで,この長針の理解をはかるソフトですが,左端に桜スライダーがあります。
これを下におろすと,面白い事がおこります。
それまで見えていなかった短針が姿を現すのです。
これも,実に面白いです。
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『五経・論語』今日は,易教を少し読み返しました。
易教は占いの基礎になっている考え方が記されています。
占いと聞くと,ずっと,当たるかどうかを問題にしていました。
当たるかどうかと言ういう即時的な所への意識は,易教を読むと変わってきます。
もうすこし,大きな世界で思考したくなってくるのです。
「徳のある生き方」
これを求め進むにはどうしたらいいか。
その考え方が記されているのだと感じてくるからです。

順風満帆の時,どう考えたら徳があるのか。
逆境の時,どう考えたら,徳のある道に近づけるのか。

こういうことが分かるような分からないような言葉で記されています。
私は,易教に書かれていることは,「善の中の陰陽」という世界観でとらえているので,私には読むだけでも良い修養となる本になっています。良い本ですね。
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