Monthly Archives: 2月 2015

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『小学』を買った若い先生へ

『小学』『小学』を読んでいることをブログに書いたら,若い先生が私も買いました!と知らせてくれました。

若い先生が古典を少しずつでも読むと,しなやかで強固な学級経営が見えやすくなってきます。
それは,古典のもつ歴史的重みを理解する力がついてくることに起因します。

『小学』の18ページに,乳母の選び方が書かれています。
低学年の担任となったときの重要な心得に通じます。

同じく18ページに言葉を覚えはじめたら,何を教えたら良いかが書かれています。
覚えはじめは,学び初めであり,学校でいえば新年度です。
学級開きにグイッと力を入れる点がこれです。

小学は鎌倉時代のちょっと前ぐらいの1189年に中国でまとめられた書とされています。その時代に書かれたものもあれば,昔の本からのピックアップもあります。
上の18ページの内容は,『礼記』からの一節です。
孔子の時代の内容ですから,およそ2500年もの昔に,大事ですよ!と言われていたことです。
それが,800年ほど前にも,子供達の教育に実に重要として選ばれています。
さらに,この小学は明治時代に日本で子供達の教育用としてまとめられた『幼学綱要』のたたき台になっています。
要するに,100年ほど前の日本でも,とっても重要とされていた事柄なのです。

こういう歴史を知ると,古き時代に良いとされ,今も良いと感じる事は,普遍的に大事なことなのだと実感されます。
この実感が指導に重みをましていくのです。

クラスに落ち着きが無くなってきたなと思ったら,p242です。何をさせたらよいのか,また何をさせてはいけないのか,それが書かれています。
書かれていることから,その根本を把握すると,学級の状況による実践の仕方が豊かになってきます。しなやかでありながら,強固となるのです。
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今度の土曜日,東京で「野口塾ビギナーズ」が開催されます。
この日,予定が入っているので,参加できないと思っていたのですが,終了際に参加できそうになったので,今しがた申し込みました。

北千住駅での懇親会が主だった参加になりますが,楽しい一時を過ごして来ようと思っています。
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「スタートカリキュラム」がアップされました/田村先生より

お知らせを。
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文科省の教科調査官をされている田村学先生から,「スタートカリキュラム」の資料がアップされたとの連絡を受けました。
http://www.nier.go.jp/03_laboratory/pdf/201501301500_1.pdf
http://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html
小1プロブレムを軽減させるのに有効なスタートカリキュラムです。
皆さん,ぜひダウンロードしてお読みになってください。
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ついでに,もう一つ。
2月21日(土)に野口塾IN大阪が開催されます。
算数の事前学習法の実践報告を聞き,私がコメントします。
関心のある先生,是非,お越し下さい。
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事前学習法ですが,昨夜も「事前学習法研究会」に小出先生から投稿がありました。
陸上大会に向けたリレー指導の事前学習です。
この内容が,実にすばらしく,日を改めてご紹介したいと思っています。

『論語』事前学習法研究は,目下,若い先生が中心になって進めています。
「事は予めすれば則ち立ち,
 予めせざれば則ち廃す」(論語)
日本人独特の気配り力があれば,事前学習は充実します。
これまでの指導法の事前部分(導入部分)にグイッと力を入れていきましょう!

2月21日の野口塾は,事前学習法研究会の丸岡会長が主催しています。
ですので,セミナー後にでも,ここまでの事前学習法の手応えについて,語り合いたいと思っています。

新しく始まった事前学習法研究ですが,ちょっと勉強してみたいと思った先生もおられると思います。
フェイスブックで研究を報告し合っています。「事前学習法研究会」と検索してみてください。
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右の『論語』は,私が愛用している本です。算数好きの私でも,納得感が実に大きく,お気に入りの本になっています。
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事前の「価値ある選択」で,卒業式の指導

『小学作法 尋常科第二学年』木更津で話した「卒業式の作法 儀式とは何か」を受講していた山﨑先生から,「事前学習法研究会」に投稿がありました。
一部,引用します。お読み下さい。
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横山先生から卒業式の指導について教わったので、学年集会を開き、卒業式の練習に向けた事前学習を1時間やりました。
目的は、
①卒業式の練習に向けての心構えをもたせる
②卒業式の練習がはじまる1か月後までの間に自分が準備しておかなければいけないことは何かを自覚させる
この2つです。

体育館に120名の6学年児童全員を集めました。
はじめに、小学校生活最後のゴールとは何かを確認しました。
もちろんみんなが「卒業式」と答えました。
そこで、
「最高の卒業式にしたいか、したくないか」
の二択で子供に挙手をさせました。
全員「したい」方にあげました。
そこで、担任の思いも伝え、みなさんと担任の思いは同じであることを確認しました。
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卒業式の練習を成功させるか,普通程度に終わらせるかの大きな分かれ目が,上記に記されています。
それは,最高の卒業式にしたいか,ぬるい卒業式にしたいか,これを子供達に選択させていることです。
「価値ある選択」といいます。野口先生から教わっている根本本質原点の指導です。

この事前の価値ある選択が,なぜ重要なのでしょう。
この選択がないと,この先の指導は基本的に教師が引っ張り続ける事になります。返事はこうする。姿勢はこうする。声はもっと大きくハッキリと・・・。教師が望む姿形を示し,そこに向かわせる授業になります。
子供達の心がどこに位置しているのか不明瞭なため,心の持つエネルギーと先生のエネルギーとがシンクロしづらいのです。

価値ある選択をした子供達は,最高を目指す側に位置しています。この立場を定めていることが,重要なのです。
最高を目指す陣営に所属しているので,自分から最高を目指したい,最高を目指すぞ,という強い気持ちを持って,練習に臨めます。
みんなが同じ陣営なので,友達全体と大きなチームを作って前進させることもできます。

学ぶ側の子供達の立ち位置がエネルギーを大きく増大させているので,「最高の返事を考えてみよう」と小さな投げをしても,子供達は力を発揮してきます。その流れに乗りながら,先生は知っている限りの技術指導を付け足していくことができます。

この「価値ある選択」は,善と悪のどちらにキミは立つのかと選択をさせる場面です。
余裕がある時には,悪の側(ぬるい卒業式)の甘味を話すこともできます。
ぬるい卒業式なら,練習は簡単だ。努力もたいしていらない。早く練習が終わるので遊ぶこともできる。
こんな風に,悪の方向の甘~い,甘~い世界の話もして,さらに,最高の卒業式の持つ大感動や一生懸命にやらなければならないといった善(最高)の話もして,どちらを選択したいか聞くこともできます。

子供達は甘い方を選びません。努力して何かを得ることに価値を見いだせるだけの力を持っているからです。それを支えているのが「善の側にいたいという心」です。
これが「成長の原動力」となるのです。
ですので,事前の「価値ある選択」は,遊びたいとか,気楽にやりたいといった,怠惰な心に打ち克つ道徳の学習にもなっています。
道徳は,典型的な善と典型的な悪があり,そのどっちの側に自分が居続けたいか,どっちの世界で生きて伸びていきたいか,という学習です。

事前に価値ある選択を行った山﨑先生の学年。卒業前の道徳心も高まりました。
小学校生活,最後の最大の行事をこういう風に迎えられるのは,幸せですね。
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画像は,戦前の卒業式風景です。学年が終了する毎に,卒業証書をいただいていました。明治時代には,学齢になっても入学できなかった子が,一生懸命に勉強をして,2学年分まとめて卒業証書をいただくこともありました。
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算数ソフトのトライアル版

さくら算数クラウド トライアル版算数ソフトって,どんなものなのかと思っている方もいらっしゃるかと思います。
お試しで見ることができる「トライアル版」があります。(無料です)
https://store.sakura-sha.jp/
↑のサイトに入っていただき,ちょっと下の方にスクロールすると,緑色のアイコンが出てきます。
そこに「トライアル版(windows)ダウンロード」と太字で記されています。
そこをクリックしていただくと,ダウンロードが始まります。

利用できるソフトには「★」印が付いています。
今,張り付いている画像は,6年生の「円の面積」のもくじです。
ここでは,「03A,円の面積の公式を考える/120分割」に「★」が付いています。
ですので,クリックすれば利用できます。
無料ですから,これを使って授業をしてみるのも,グッドと思います。
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算数ソフトを使ったセミナーが3月下旬に開催されます。
詳細が決まり次第,お知らせします。
新年度のスタートダッシュに向けたセミナーになります。
どうぞ,ご期待下さい。
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