「垂直」の「垂」の意味。
これを漢和辞典で調べると,面白い授業ができることを昨日,書きました。
『漢字源』でも『字通』でも良いのですが,「垂」については字通が分かりやすいです。
字通に出ている1つめの意味を引用します。
--
[1] たれる、たれさがる、地につく。
--
垂れて,それから垂れ下がって,地面に付くのです。
そういうものと言えば,「鼻水」がうかびます。
そこから,「鼻水の話」が出てくるわけです。
その「鼻水を話」を昨日書いたら,山﨑先生から「面白いです!ぜひ使わせてください。」とお声がかかりました。5年の担任ですが,ちょいとした復習として話をするのだろうと思います。
その後,城ヶ崎先生から「鼻水が左右に移動する垂直を作ろうと思っています。」と,教材を作って授業に望む知らせを受けました。ちょうど4年生を担任しているのナイスだったようです。
この「垂直の話」は4年生向けなのですが,5年生でもちょこっと話してみるのもいいと私は思っています。
その訳を書くのですが,その前に,「垂直の話」をもう一度記します。
--
「垂直の話をします!」
と言って,黒板に地面の線を引き,そこに少年の略画を描きます。
「この少年,風邪を引いています。」
「風邪を引いているので,鼻水が垂れてきました。」
「少し垂れてきたと思ったら,どんどん垂れ下がって来ました。」
「おおっ! ついに地面に付くまで垂れ下がりました。」
「そうしてできた形が垂直です。」と話し,漢字で「垂直」と書きます。
訓じて,「真っ直ぐに垂れた形が垂直」ということ伝えて,「垂直の話」が終わります。
--
題材が鼻水なので,教室は楽しい一時になります。
この「鼻水の話」を受け入れられる先生は,5年生の担任になった時にも,子供達に話してみてください。
それは,「地面」と「鼻」を結ぶと三角形ができるからです。
5年の図形の面積では,「三角形の中に底辺と高さがある」と教えます。
これは,「三角形」→「底辺・高さ」の流れです。
「地面と鼻」は,その流れが逆になります。
骨組みとしての「地面と鼻水」があり,その「地面の両端」と「鼻」から三角形が生まれてきているのです。
「底辺・高さ」→「三角形」の流れです。
両方の流れを知ると,少しは頭が柔軟になります。
頂点が底辺から外れている場合があります。
それでも,底辺と鼻が結ばれて三角形ができていること。
鼻水は真下に行くこと。
そんな話になり,それなりに楽しいです。
5年生の場合,このような図を画用紙などに書いて,壁に画鋲でさします。
それを回転させると,いろいろな向きの三角形を勉強できます。
--
こういう手作りの算数話に,算数ソフトを使うと,強力な授業になりますね。
--
関連記事:
垂直・並行を学習する単元。
右のような透明シートを重ねてどんな形になるかと学習するシーンがあります。
教室には画用紙とか工作用紙・板目紙などはあるのですが,どれも不透明です。
切って重ねても,学ぶべきポイントが見えません。
スッと頭に浮かぶのは,透明な下敷き。
これを切って・・・・。
しかし,少々分厚い。
うまく切れないかもしれません。
ハッと思い出すのは,トラペンアップの透明シート。その厚めのタイプはほどよい堅さもあります。
それを切って,マジックで色を塗って・・・。
なかなか良い感じで授業の準備をしました。
トラペンアップと言われても,分からない先生が増えています。あれはなかなか面白い教材作りマシーンでした。
多分,学校で一番使っていたのは,私だと思います。
--
ところで,右の赤と青のシートですが,これは回転させることができます。
ですので,実際にトラペンシートなどで動かしているのと同じような表現ができます。
透明シートの方は5組。
中抜きシートの方も5組。
準備してあります。
これだけあれば,授業のどこかで5分ほど見せるだけでも,かなり盛り上がって授業ができますね。
-----
「垂直」の「垂」の意味,漢和辞典で調べると面白いです。
いつもの『字通』から1つめの意味を紹介します。
--
[1] たれる、たれさがる、地につく。
--
これを読むと,授業で十分に楽しめますよね。
垂れて,それから垂れ下がって,地面に付くのです。
これなんでしょう??
正解は「鼻水」だと,私は思っています。
「垂直の話をします!」
と言って,黒板に地面の線を引き,そこに少年の略画を描きます。
「この少年,風邪を引いています。」
「風邪を引いているので,鼻水が垂れてきました。」
「少し垂れてきたと思ったら,どんどん垂れ下がって来ました。」
「おおっ! ついに地面に付くまで垂れ下がりました。」
「そうしてできた形が垂直です。」と話し,漢字で「垂直」と書きます。
訓じて,「真っ直ぐに垂れた形が垂直」ということ伝えて,「垂直の話」が終わります。
若い頃,こんな「垂直の話」をしたことがありますが,楽しい一時でした。
--
関連記事:
さくら社への道中,電車の中で読んでいるのは,『私の個人主義』です。
まだ,途中までしか読んでいないのですが,講演をされる先生や,これから先の人生で講演をするようになったら良いなと思う先生にお薦めの本です。
この本に記されているのは,夏目漱石の講演記録なのです。
「漱石はこんな風に話すのか」と,漱石の人間味を感じつつ,「さすが!」とその内容に納得します。
講演では,内容のしっかりした話をするタイプの先生,一度は読んでおくと良いです。
笑いを取りつつ話を進める私でも,勉強になっています。
講演は全部で5つ載っています。
1,道楽と職業
2,現代日本の開化
3,中身と形式
4,文芸と道徳
5,私の個人主義
私は,5→3と読んでいます。
その先は1→2→4となる予定です。
この本を読むきっかけは,宇佐美寛先生です。
明後日,宇佐美先生とお会いします。
--
算数ソフトを今日も見ていますが,これを使って授業をしているクラスは,いいですね!
--
関連記事:
100の束,10の束,1のバラを使って,
「折り紙が何枚あるか」
「鉛筆が何本あるか」
など,数えるところからスタートします。
この時,お役に立つのが右のソフトです。
やり方は,簡単です。
1,金太郎をクリック(問題が出ます!)
クリックする度にアイコン(「100」とか「10」とか「1」と書いてある折り紙)の出てくる数が変わります。
ですので,クリックすると新しい問題になるのです!
簡単でいいですよね。
2,アイコンをクリック(数が出る)
アイコンを一つクリックすると,アイコンが位取りのマスの中に飛び込みます!
その瞬間,赤文字で数がでます。
100束をクリックしたら,百の位に赤文字で「100」と出るわけです。
100を2個クリックしたら,「200」です。
量と数の両方を見ることができるので,数字の学習と同時に,量感の学習ができるのです。
底力がつきますね。
3,最後に,位ボタンをクリック(位取り表記)
位取りのマスの下に位のボタンがあります。これをクリックすると,正解になる数が位毎にでてます。
--
既にソフトを使っている先生から嬉しい使い方を教えてもらったことがあります。
【力のつく使い方】
100の束だけをクリックしていく。
その時,みんなで一斉に声を出す。
「100が1つで100!」
「100が2つで200!}
「100が3つで300!」
・・・・・・
これは,良いですよね!
「何がいくつで,何?」という定番の問題を具体的にしっかり学んでいることになるからです。
算数ソフトを使うときに,こうした「算数的唱和」はグッドです。
やる気も高まりますし,数の仕組みも身につきます。
算数ソフトを使っている先生,ぜひ,大きな声で元気に授業を進めてください!
--
木曜日は,宇佐美先生とコーヒーです。
金曜日は,広山先生と会食です。
土曜日は,城ヶ崎先生とチーム算数です。
--
関連記事:
昨年度末から,算数ソフトの「校内フリーライセンス版」が新登場しています!
学校の予算で購入できる算数ソフトです。ですので,個人向けには販売されていません。
「校内フリーライセンス版」の良いところと言えば,3つあります。
1,全部のPCにインストールできる
何と言っても嬉しいのは,学校が所有するPC(Windows)なら,そのすべてにインストールして使えることです。
40台でも,100台でも!
タブレットが何台入ってきても,ドーンと使えます。
2,利用期限が無い
また,利用期限もありません。1度購入すれば,ずっと使えます。
いいですね。
3,学校名が表示される
そうして,嬉しいのは学校名がソフトの右上に表示されます。
自分の通う学校名が出てくるので,子供達も愛着が湧きますね。
詳しいことは,さくら社のサイトにアップされています。こちらです。
リーフレットも見ることができます。
リーフレットはダウンロードできます。
気になるお値段。
全学年セット:100,000円+税
1年版~6年版:各学年20,000円+税
--
関連記事:
教科書に出てくる直径の定義を見て,--「中心を通り,円のまわりからまわりまでひいた直線を,直径といいます。」(東京書籍)--それなら,これも直径だよねと,右のような図を示した先生がいました。
さて,赤い線は直径と言っていいのでしょうか。
こういった提示を時々話してくれたのは,有田和正先生でした。
でも,私の場合,有田先生から話を聞く前に,東京の某先生からも聞いたことがありました。
その時には,「そんなことを子供達に話したら,いらぬ混乱を招くだけ」と思っていました。
その後,有田先生が同じようなことを話してくれたので,少し眉間にしわがよりました。
ところが,有田先生は「直径の定義に,面積を半分にする」というのがあると話してくれました。
そんな定義があるのかと首をかしげましたが,それ以上に重要なことに気がつきました。
それは,「子供達にとって有益か」ということです。
「直径は面積を半分にする」という性質を子供達が知ることは,これは大いに役立ちます。
「面積」は4年から学ぶので,3年生には「広さ」と言うようになると思いますが,言葉として教えてしまうのは良いことです。
--
一昨日,この妙な直径の画像をアップしたら,有田ファンの北海道の福嶋先生が「子どもたちと一緒に何種類もの国語辞典を調べて比較検討したことがあります。」と教えてくれました。
これ,良いですよね。
国語辞典を引くと,面白いことが出ています。
大人用と子供用から1つずつ引用します。
--
『広辞苑』(岩波書店)(diameter)円または球の中心を通って円周または球面上に両端をもつ線分。また、その長さ。さしわたし。
『例解学習国語辞典』(小学館)円,または球の中心を通り,円周や球面上の二点をむすんだ直線。また,その長さ。さしわたし。
--
広辞苑は「線分」と用い,小学生向け国語辞典は「直線」と用いています。
この違いが生じるのは,「線分」は中学生になってから学ぶ用語だからです。
ですから,小学生向け辞書では意味を説明する用語として使えません。
代用として「直線」を用いています。
では,「線分」とは何でしょうか。
永遠に続いている直線をどこか2点で切り取った残りです。
「ここからここまで」となっている直線です。
ですので,線分と言った場合,図に示したような折れた形は線分にはなりません。
線分が2つとなります。定義には,「2つの線分」などと書く必要が出てきます。
中学で習う「線分」という用語を小学生が習っていたとしたら,「線分なんだから,基本的に直径とは言えません!」とハッキリ言われてしまいます。
漢和辞典で調べると,もう少し違う世界が見えてきます。
直径の「径」を『字通』(平凡社)で調べてみました。
--
[1] みち、こみち、ちかみち、あぜみち。
[2] 獣みち。
[3] すぐ、ただちに、すみやか、たやすい。
[4] わたる、すぎる、おもむく。
[5] さしわたし、直径。
[6] 頸(けい)と通じ、くびすじ。
--
「径」という漢字には,なんとなく「小道」という印象を持っています。
ですが,それとは別に,「近道」という意味も持っています。
すると,図の赤い線は,遠回りをしていることになります。
ということで,「近道じゃないんだから,赤い線は直径じゃないよ」という声が出てきたら,これはすごい!となります。
じゃあ,円周と円周を結んだ直線を引いたら,それは何なのかというと,それを普通「弦」と呼んでいます。
ここから,「弦」の一番長いものが「直径」とわかり,直径は弦の特別な形とわかります。
すると,直径は弦の仲間となり,半径を組み合わせた形では無いとわかります。
半径は何かの「半分」という意味ですから,半径は直径に従属しています。
赤い線の考え方は,従属関係を逆にして,直径を半径に従属させているようにも見えてきます。
こんな風にあれこれ思っているとき,頭の中に野口先生を登場させてみると,趣のちがう世界が出てきます。
考えられるのは「直線」という言葉にこだわることです。
直線は,線の仲間です。
わざわざ「直」と書いている「線」です。
ということは,「直」でない「線」もあると言うことです。
「曲線」
「折れ線」
これが見つかれば,次のように筋を通すことができます。
図のような折れている図形も直径と認めるならば,定義に「折れ線」と書くべきだ。
でも,それを書いていないのは,該当していないということなのです。
1,面積を半分にする。
2,線分という言葉がある。
3.弦という言葉がある。
4,線は直線・曲線などの総称である。