Category Archives: 道徳

実力が無いのだから

b7407「文坂」と掘られた石。
御茶ノ水駅からさくら社に歩いていくと、その途中に出てきます。

どういう意味なのかは、全く分かりませんが、見ると何となく良い気分になります。きっと、自分の世界観とフィットしているからでしょう。

「文」という字がいいですよね。
若い頃から教育論文をたくさん書いてきましたし、本も出してきました。
そうして、出版社まで。
自分のたどってきた道が文に重なり、ふつうの人がやらない、自分の世界を作り上げる、そういう努力をし続けろと言っているような気になります。

さらに、「坂」がついています。
上り坂の時もあれば、下り坂の時もあります。
努力をしていても、下り坂になることもあります。
一瞬にして上り坂になることもあります。
自分ではどうにもならない世界を感じます。

b7406「文坂」の文字に、フッと人生を感じ、グイッとやる気がでてきます。
そうして、自分に言い聞かせます。
「実力が無いのだから、努力という鎧を身に着けろ」と。
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法言の親孝行

b7416伊能忠敬出生の地で撮影した写真です。
県の史跡に指定されたことを記念して建てられたそうです。

場所は、千葉県の九十九里町にあります。
「想い出の九十九里浜」という歌がヒットしましたが、その九十九里浜に面している町です。

一方、千葉県の佐原に「伊能忠敬旧宅」が国の史跡としてあります。
ですので、伊能忠敬は、「佐原の人」とずっと思っていましたが、生まれは九十九里だったのです。
良い勉強になりました。
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b7597来週は、三宅貴久子先生とお会いします。
楽しみです!

この春に退職したのですが、大学院で学んでいるバリバリの先生です。

途上国の話を伺いつつ、思考力の育成について、その王道的歩みの話も聴けたらと思っています。
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「チーム算数」で『法言』が話題になりました。
ちょうど、仏教と儒教について話していたところで、城ヶ崎先生から「法言」と発され、なかなか良いタイミングで法言が話しに入ってきました。

法言を書き表したのは、揚雄(ようゆう)です。孔子の後、500年ほどに活躍をした儒学者です。
法言には、論語と同じような内容が、ちょっと角度を変えてb7410書かれているところがあります。
そんなところを読み進めると、ハッとするところがあります。

その一つが、親孝行について記したところです。
「親の気持ちを満たす」
当たり前すぎて、それがググッと実に新鮮に響いてきます。
そうして、「深いなぁ」と感じ入ります。

道徳を学ぶという事は、こういう徳のある言葉をかみしめて、自らを省み、これからの行動を思案することなのです。
こういう道徳を「昔ながらの道徳」と呼んでいます。
12月の神戸での野口塾で、少し、「昔ながらの道徳」の話しをします。
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伊能忠敬出生の地で

b7415車で出張。

その帰りしな、カーナビに「伊能忠敬出生の地」が出てきました。
行く時には全く気がつかなかったのですが、帰りと言うこともあり、ちょっと寄ってみました。

入り口には「千葉県指定史跡 伊能忠敬記念公園」とありました。

千葉県ゆかりの偉人ということもあり、伊能忠敬にはあこがれるものがありました。
50を過ぎてからでも、努力をして日本全図を作成したのです。
b7411「人生は後半、真価あり!」との思いを強く抱かせてくれた偉人です。

銅像や、出生の地という石碑などを見ながら、伊能忠敬の50以降と、自分自身の50以降とが妙に重なって来て、改めて心が奮い立ちました。

50歳の頃に新しいことを始めたのが似ている。
忠敬は20歳も年下の人について天文学を学んだのと同様、私も一回り年の若い先生について学んだ。

この2つが似通った生き方と思っていたのですが、今年は新たに、もう一つ似通ったことができました。
忠敬は幕府に認められて蝦夷の測量を開始したのです。
私はJICAに認められてルワンダへの調査を開始しました。

こうなると、忠敬の第10次測量まで自分もできるのではないかと思えてきます。

小さな公園でしたが、私の思いは大きくなりました。
「自分を導く先達でいてください」
ふと、そんなお願いをしました。
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『国際開発ジャーナル』にさくら社の取り組みが!

さくら社のHP。
「世界に広がる算数ソフト」コーナーに新記事がアップされました。

b7421新記事のタイトルは
【『国際開発ジャーナル』、『日刊工業新聞』に載りました】
です。

掲載内容は、ルワンダのJICA事務所の高田所長のインタビュー記事です。そこに、さくら社の取り組みが紹介されています。
さくら社の取り組みというのは、
「初等算数教育へのICT活用による教育の質の向上を目的とした案件化調査」
です。

さくら社の取り組みを、所長が認めて下さったのです。
大変光栄なことです。

詳しくは、新記事をご覧下さい。
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b7420ルワンダの道中に読んだ『法言』から、良い言葉をここに記しておきましょう。

こういうところを読むと、ルワンダでの事業にも、「礼」と「義」をしっかりと心に据えて進もうという気持ちになります。

相手国の教育関係者への礼。
大変な環境下で学ぶ子供達をそのままにしてはおけないという義。
こういう事を忘れてすすめると、事業そのものが小事となります。

事の大小を礼と義ではかれる心を持ちたいものです。
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飛行機の中で法言

b7424ルワンダへの旅の友。
今回は、『法言』を持っていきました。

孔子の後、500年ほどしてから書かれた書です。

帯には、「『論語』よりもおもしろい!」とありますが、私には論語の方が断然面白いです。
でも、一緒に持っていった、仏教の本より格段に面白かったです。

飛行機の中で本を読むのですが、アフリカまでの道中は極めて長く、同行の人たちと隣同士に座ると、トイレの度に、通路側の人が動かねばなりません。
長旅なので、これが結構、頻繁となります。

それを避けるために、全員、通路側に座るように、座席を確保しています。
すると、全員が少し散らばるので、飛行機の中に入ると、もう、そこは一人で過ごす時間となります。
ゆっくり読書ができます。
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b7423法言の中から、ちょっといい感じだった言葉をご紹介しましょう。
「姑息は徳を破る」

姑息は知っていましたし、徳も、破るも知っていました。
でも、姑息と徳が結びついていることは、理解の外でした。
結びつくと、自然と姑息なことは避けようという思いがやってきます。
こういう思いはありがたいです。

何しろ、姑息なことをふと思ってしまうことは、誰にでもあります。
また、あわよくばと、姑息なことをしてしまうこともあります。
そういう思いが沸き上がってきたとき、ふと、立ち止まり、徳を破らないようにと思いを改めることができそうです。

知るということは、道徳を行う上で実に重要な作用をしてくれます。
知るために、本は読むものなのです。b7473
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面に見われ、背にあらわれ、そして・・・

夕飯をいただいたら、ルワンダに向けて出立します。
その前に、一つ、書きたくなりました。
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時々、「いいなぁ」と思うメールをいただきます。
大阪の新田先生が算数の授業を大変楽しく展開されたそうです。
わり算の勉強で、トイレットペーパーが登場。それを等分するする授業です。
その時、「魔法の手」が登場したそうです。
魔法を使う新田先生、きっと、子ども達も「先生大好き」状態だったと思います。

b7437新田先生と言えば、姿勢が実に良い先生です。
姿勢が良くなれば、自然と心根も良くなっていきます。
顔も次第に柔和になります。
このぐらいまでは姿勢を良くしていると、なんとはなく分かってきます。

『孟子』を読むと、その先が記されています。
「四体に施(なが)れる」と。
振る舞いまでもが自然と良くなるということです。
ぶっきらぼうにはしたくなくなり、横柄にはしていたくなくなります。
古典を読むと、先達のナイスな言葉に触れることができ、フッと「ああ、そうか」と感じ取れてきます。
気持ちがグッと良くなってきます。

b7473新田先生は魔法を使うほどの熱心な先生です。
子ども達も新田先生を大好き。
自然と子ども達は新田先生に感化されていきます。
これが道徳の学びのあるべき姿です。
実にいいですね。
そういう状態の子は、先生からどんどん吸収し始めます。
時折、先達のグッと来る言葉などを伝えると、子ども達の体に染みていきますね。
そういう先生と友達でいられることは私には嬉しいことです。
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