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山田洋一先生のタイプ別上達法

  山田先生からメールをいただきました。
  花粉症の薬をいただいたときに,「体にあった薬が見つかって良かったですね」と薬剤師さんに言われました。この薬剤師さんの言葉が,山田先生がこの本の内容を伝えている,とメールをいただきました。

  『タイプ別上達法』を読んで,ハッとしたのは,教師にもタイプがある」とハッキリ主張されていることです。
  私は,①のタイプです。まさに,ドンピシャです。

  「学級のルールや仕組みづくりはやや甘いところがあるが,とにかく授業がおもしろく,子どもたちを惹きつけて離さない教師。」

  あまりに,ドンピシャなのでびっくり仰天です。
  そうして,私のようなタイプは,「授業力タイプ」の教師と命名されています。
  そうなんです。授業命!に近い感じで授業に臨んでいました。学級経営は一緒に遊んでいれば,ほぼOKという具合でした。
  そんな①タイプの私への「タイプ別ステップアップ」を読むと・・・。
  その1つには,テストをするときには,テストの余白に予想点数とその理由を書くようにすると良いと書いてあります。この方法,心に火がつきます。やりたいです。やってみたいです。ダメなところを子どもが自覚する力をつけられると感じます。それ以上に,子どもの内面を知ることができます。私の体に合っています!
  『タイプ別上達法』は,すごい本です。時代が変わったと感じます。
  ところで,皆さんはどのタイプでしょうか。

『伝わる伝わる見える指導』(その2)

  山本正実先生の『伝わる伝わる見える指導』は,書いてある事例が具体的なので,読んでいるとあれこれ触発されてきます。

  返事と言えば「はい」です。
  でも,元気がなかったら,「はい!」と言えるように指導したくなります。
  通常は,先生ご自身が良い声を出して,それを手本に・・・となります。これは,誰でも気がつき,誰でも行います。昔からある「師範を示す」指導法です。
  これにもう一つグイッとと来る指導を加えられたら,子ども達への浸透が変わります。
  
  『伝わる伝わる見える指導』の一つ目の事例は,黒板に「はいっっ」と書いて,声の出し方を「見えるよう示す」ことが載っています。
  なるほど!と思います。
  師範を聞いて声の雰囲気がわかり,その上に,目で小さい「っ」が2つもあることから,その気迫が伝わります。ぎゅっと,声を絞めないとならないことが,目からも伝わってくるのです。
  効果があるはずです。腕利きの先生が使う優れた方法です。

  私は,こういうちょっとしたところの,気の利いた「見える指導」が大好きです。若い頃から,すぐにまねしていました。

  まねして,効果を感じ取れたら,楽しみが2つ出てきます。
  1つは,目の前の子が変わっていく楽しみです。担任として嬉しくなります。
  もう一つは,後々に,自分でも,別のことで似たような「見える指導」が湧き出てくる楽しみです。
 
  若い先生はとにもかくにも,大量の「見える指導」をガツガツと知ることです。その量が,後々の頭の冴えを生み出します。
  お薦めします!

堀 裕嗣先生の本

  堀先生は,北海道の中学の先生です。理論派で,堀先生の書く文章はとにかく筋が通っています。「手を抜かない」と言ってもいいと思います。

  この本を読んでみたいと思った先生は,まずp48の「同一歩調の原理」を真っ先に読むことをすすめます。
  頭の中に,「チーム」という言葉をビシッと立てて,最初から読みます。どの項でも「チームで考えたらどうなるか」という視点を入れるようにすると,堀先生が書いてくださったことが数倍にふくれあがってきます。
  きっと,来年は「チーム」をタイトルに入れた堀先生の本が出ると思います。
  
  次に重要なのが,p78の「給食指導」です。ここには,中学の学級経営の肝が給食指導であると明示されています。「えさで釣るのか」と思わないでください。そうではなくて,給食指導をよく見ると,そこにはいじめの胚芽などが見えてくるのです。

  110ものメソッドが載っています。読めば,フィットするメソッドがたくさん出てきます。お薦めです。  

山田洋一先生の『タイプ別上達法』

  本に記されている優れた教育技術や方法。
  それを追試して,うまくいく先生もいれば,なぜかスベル先生もいます。こういう事は,何とはなく聞こえてきていました。しかし,たいていは,滑った先生が自分の勉強不足としてとらえ,もっと頑張らなければ・・となり,話は終わります。
  これが通例と思っていましたが,医者にかようと,どうもそうでもないという思いにさせられます。先だっても,花粉症で医者に行きました。2度目なので,薬だけを出してもらえるようにお願いをし,処方箋を持って薬局へ行きました。すると,薬剤師さんが言ったのです。
  「体にあった薬が見つかって,良かったですね」と。

  『タイプ別上達法』はこれなんです。時代が進んだと感じています。

  中を読みました。とても良いです。思っていた以上に濃い内容です。読んでいて「中身が薄いなぁ」と感じる本もあります。薄くても,その薄さがフィットする先生もいるので,中身が薄いからダメな本ということはありません。ただ,私には合わないということです。
  この『タイプ別上達法』は,私に面白いです。なんと冴えている先生だろうと感じました。具体的な指導法も役に立ちますが,「上達」についての考え方が良いです。どこまでも伸びていく,そんな姿を山田先生に感じます。
  お薦めします。

中嶋郁雄先生の本

  中嶋郁雄先生の新刊です。『うまい教師の時間術』(学陽書房)です。
  子ども達とふれあうための時間を作るために,時間を上手に使いましょう!
  そういう本です。
   心構えも書いてあれば,ノウハウも書いてあります。若い先生向けに書かれていますが,年配の先生にも「ああ,そうだったな,忘れていたなぁ」という項目もあり,役に立ちます。

  教育書に,こういったビジネス書のような本が増えてきて,とても良い時代になったと感じています。私が若い頃は,時間術にしろ,仕事術にしろ,成功術にしろ,一般向けの本がほとんどで,読んでも直接役に立たない内容が多く,少しでも「なるほど」と思えるところがあると,得した気分になっていました。
  それに比べたら,この本は,「得だらけ」です。
  若い先生は,こういった本を何冊か読み,仕事がどんどんはかどる日々を送ってほしいと思います。

  中嶋先生と,24日に千葉でスーパーホテル部を開きます。いつものように,他愛のない話をして,時を過ごします。

森 毅先生の『数学入門』

  一般向けに書いてある本なので,とにかく読みやすいです。
  勉強にもなります。

  武谷三男氏の「三段階論」について,ちょこっと書いてあり,妙に懐かしさを感じました。仮説実験授業の庄司和晃氏も,武道家の南郷継正氏も,三段階論を発展させて思考を進めていました。それを熱くなって読んでいた若い頃の自分がいます。

  小数の発明はオランダのステビィン。16世紀末。
  ニュートンの頃は,異種の割り算はまだタブーだった。17世紀。

  最後に,「〈数〉にしても,数直線のイメージが絶対によいものかどうか,わからない。・・・千年後の人間は,いまとまったく違った数学的世界像を持つかもしれない。」とあり,ゾクゾク来ました。
  学者の世界のすばらしいところは,こういった今という時代を固定的にとらえないことです。進化の最中の一こまが今なのです。そう思ったら,授業だって,教材だって,大きく進化していくことは大いに考えられることであり,考えていくべきことなのです。
  
  明日には,四角柱のソフトをアップしたいと思います。これも,「算数進化」への一石となります。