九州の書店で,店員さんとお話ししたときに,「面白いですよ」と一言お言葉をいただいたので,買ってみました。
和算関連の本であることは,絵柄を見れば直ぐにわかります。また,江戸時代に「算法少女」という和算書があったことは知っていましたので,読んでみました。
この本は,江戸時代に書かれた「算法少女」という算術書を中心に描いた小説です。
調べ物の本と違って,まるで江戸時代そのものに案内されたような気持ちになってきます。
よく調べてあるなと,感心したのはかけ算九九の言い回しです。
「二五の十,二六の十二,二七の十四・・・」
九九を唱える時に,「が」と唱えるこのとの他に,「の」ととなえるときもありました。こういうところは,本当に詳しい人しか知らないところなので,遠藤寛子氏はさすがだなと感じ入りました。
鋭い指摘は,後半に出てきます。
関流・最上流などと流派の揚げ足取り的論争に突き進んでしまった和算家が,もっと広い視野で算術をとらえていれば・・・・。
同業者同士は,どうしてもライバルの心が出てきます。知らず知らず,流派のようなものができて,そこを軸に考えを進めるようになります。そこを超えて進む人が,次の時代を拓いて進むのだと思います。
有田和正先生の『学級づくりの教科書』が,来月発売になります。
アマゾンに出ましたので,予約可能です。
有田先生の学級づくりは,私が現役の頃から「すごい!」と言われていました。
それがついに「教科書」という形で出るのですから,ありがたいことです。
内容については,私があれこれと申し上げることもありません。
名実ともに素晴らしい本です。
有田先生の『学級づくりの教科書』が近々発売になることを,ぜひ,お友達の先生にお伝えください!
よろしくお願いします!
『10の力を育てる出版学習』(横田経一郎/さくら社)
この指導法,一押しです!
たとえば・・・
「ひらがなぶっく」「カタカナブック」を作るんです。もちろん,1年生です。
理科室で使う,実験器具の「使い方説明書」を作るんです。自分でも気をつけるようになるだけでなく,取扱説明書のような説明文を書く力がつきます。
算数で「面積ブック」を作るんです。勉強したことはもちろん,参考書などを持ち寄って,まとめます。テストの前の復習にも役立ちますし,来年の子に残したら,「こういうのを作るんだ!」と分かると,グイッとモチベーションが上がります。
こういうあれこれが満載されています。
しかも,「作る形」もあれこれあります。1枚の紙に切り込みを入れるだけで作れる冊子も登場してきます。各種,表現方法が学べます。
なにしろ,これまでの作文・まとめの多くは「読者=先生」でした。読者が1名というのは,寂しいものです。でも,「出版学習」は作品を形にまとめるので,読者層が一気に広がります。
クラスの子はもちろん,下級生,地域の人たち・・・
インターネットのブログやツイッターなどもそうですが,読んでくれる人が多くなると,やる気がでます。そこから,読者意識が高まり,役立つ内容を書こう!と思考が進んでいきます。
これが,「出版学習」です。良い方向でのスパイラルが始まる素晴らしい方法です。
それだけでなく,「出版学習」(欧米では日常的に行われているそうです)を行うことでついてくる「10の力」も明示されています。
「意欲」「読解力」「論理的思考力」「編集力」「メタ認知力」
「読書力」「表現力」「自己肯定力」「コミュニケーション力」「愛着の深化」
それぞれの解説を読むと,思わず納得します。
ぜひ,ご一読を!
親友の神藤先生。
今年から特別支援の学級を担当されています。
非常に勉強熱心な先生で,4月,子ども達と初めてふれあうまでの間に,たくさんの関連書を読んでいました。
その神藤先生が,佐々木正美先生の本を2冊読んで「読み方が明らかに違ってくる」とメールを送ってくれました。
メールを読んで,とても感動しました。
そこには,読書の大切な点も記されています。紹介します。
群馬の神藤です。
(中略)
さて、佐々木正美先生の御著書を拝読しました。
「出会いでつむぐ私の半生」
「出会いでつむぐ私の仕事」
特別支援学級担任が決まり、購入した本の中には佐々木先生のものも含まれていました。
とにかくどんな本を読んでいいかも分からず、広く浅く手を出したので、佐々木先生については、「TEACCHを日本に紹介した方で自閉児療育の大家」と言うことくらいしか存じ上げませんでした。
こうしてじっくりと、これまでのお仕事や生き方を読ませて頂くと、単に療育の手法を書い本では得られないバックボーン、哲学、人生観、人間観、仕事観、子供観等に触れることができます。
その上でもう一度、佐々木先生の御著書を読み返すと、明らかに読み方が違ってきます。
特に印象に残った文です。
「出会いでつむぐ私の仕事」のP.54「障害を持った子どもに対して、どれだけできるようになったということではなく、どのように幸せに生きていけるようにようにしてやるかを親は目標にすればいい。」
教師も同じだと思いました。
P.99でもニキ・リンコさんの本に触れられていますが、私が自閉症児(者)のことをきちんと本で勉強したのは、花風社の本でした。
本当に「目から鱗」のことばかりでした。
「教師のチカラ」6号にも書きましたが、障がい当事者やその親が書いた本は意識して読みました。
しかし、医師自身が自分のことを語った本は初めてでした。
素晴らしい本をありがとうございました。
※ 佐々木先生は群馬県のご出身だったのですね。
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勉強する友人はとってもありがたいです。
私もさらに学ぼうと気持ちが高まりました。
算数の本の目次立てを考えました。
これを今日の「チーム算数」に提案します。それから,さくら社で検討。うまくいけば,執筆開始となります。
算数は今,本当に姿を変えつつあります。
これまでの教科書・黒板の授業を,さらにわかりやすくするために,ソフトが使われるようになってきたのです。
とっても,わかりやすくなるからです。
そのわかりやすさが,子ども達を算数を好きにし,算数を理解し,算数が頭に定着していく,良い循環が起こしています。
一説によると,算数ソフトは「デジタル算数資料館」というような様相なのだそうです。
算数資料室の教具を教室に持ち込んで授業をすると,授業がグッと良くなりました。
算数ソフトには,もっと操作性良い教具がどっさり入っているので,まるで「算数資料館」といった感覚なのだそうです。
なんというか,ありがたいことです。
総務省のICT絆プロジェクト(埼玉県)でも,サーバーに入れるコンテンツとして,現場の先生方から一押しで選ばれました。
このプロジェクトのパートナーであるキーウェアソリューションズさんが,7月に東京ビッグサイトで開催される「教育ITソリューションEXPO」にブース展開をします。
ICTのハードの仕組み,サーバーとPC,ipadをつなぐシステムの仕組み。どれもこれも超一級です。そこに算数ソフトが強力なコンテンツとして,インストールされています。
ブックフェアと同時開催ですので,足を運ばれる先生は,ぜひキーウェアソリューションズのブースもご覧ください。
このような状態になってきているので,算数ソフトを使っている先生方,これから使う先生方のお役に立てる本づくりを計画しました。
順調に進めば,来年の春には本ができます。大いに頑張ります。(執筆がGO!となったら,先行的に実践されている先生方にお力添えをいただくことになると思います。そのときは,よろしくお願いします)
だいぶ前のことですが,横田経一郎先生が「出版学習」について話してくれました。聞き慣れない学習なので,どんな事なのか聞いたら,これがとっても面白く,向かっていく方向性も実によく,本になったら良いなと思っていました。
その本がいよいよ発売,間近です!
今月17日(金)に発売になります。嬉しいです。
『10の力を育てる出版学習』(さくら社)です。
冒頭に10の力が記されています。実践もたっぷり入っています。
発売になりましたら,是非お読みください。
横田先生は野口芳宏先生のお弟子さんです。それも,新卒時代時代からですから,年季が入っています。市の指導主事や教育センター長などを経て,今や県の指導主事です。その力量はすごいです。
夏すぎ頃,また会食をしたいと思っています。