Category Archives: 作法

作法教育を!

姿勢を良くして,できるだけ,姿勢を良くして,
気がついたら,姿勢を良くして。

そうしていると,嬉しいことが起こります。

「横山先生,姿勢が良いですね。」
こんな声が私に届きます。
自分では普通に良い姿勢をしているだけなのですが,
周りの先生は,何か私に伝えたくなる気持ちになるのです。
言われた自分も気持ちいいですが,
きっと,良い姿勢を見た先生の心の中も気持ちよかったのでしょう。

これは,私だけの特別のことなのでしょうか。
違います。
姿勢を良くして,できるだけ良くして,
気がついたら良くしていると,
誰でも言われる言葉です。

セミナーに参加したら,周りの方の姿勢を見てください。
職員打ち合わせの時,周りの先生方の姿勢を見てください。
授業中に子ども達の姿勢を見てください。
廊下を歩いているとき,他のクラスの姿勢を見てください。

腰骨を立てて座っている人はほとんどいません。
大方の人は,いわゆる「普通と言われる座り方」をしています。

これが今の日本人の座り方です。

でも,ちょっと昔を思ってください。
江戸時代の公務員,つまり武士を思ってください。
どんな姿勢をしていたでしょう。
立派な姿勢です。

作法の教育は,今からでもしっかり進める事が大切です。

「道徳に作法を!」が好評!

東京の丸ビルで,ちょっとリッチに打ち合わせ。
内容は,算数ソフトの今後の展開における傾向と対策。
近未来のあり得る姿,十分に気をつけておくこと等,
自分では気がつかない内容で,とても勉強になりました。
各方面のプロが集まると,質が非常に高くなると,痛感しました。

翌日は,実感道徳研究会の全国大会。
「道徳教育に作法を!」でお話をしてきました。
なかなか評判が良く,3月に佐賀県で講演して欲しいと頼まれました。
次の次の相模原でも!と熱いお言葉をいただきました。
全国大会の最後は,野口先生の御講演です。
驚きました。すごいです。

算数ソフト,非常に高い水準での成果が続々と届いています。
そのことも,実道研全国大会の懇親会で話題になりました。
そこで,来年度の4月か5月頃に,
「算数ソフト活用セミナーin東京」を東京の水道橋で開催しようと思っています。
まずは,大成果を挙げている関東近辺の先生にお話をいただこうと思っています。
もちろん,私もコメントを入れます。
これが良い感じ進めば,全国展開を進めたいと思います。

 

 

『小学生の行儀作法』(PHP)が発売になりました!

PHPから『小学生の行儀作法』を出しました。

文春新書の『明治人の作法』は大人向けです。作法の歴史などもいろいろと書いてあります。

岩波ジュニア新書の『行儀作法の教科書』は高校生・大学生・新入社員など若い人向けです。

このPHPからの『小学生の行儀作法』はタイトル通り小学生向けとなっています。

タイトルにある「恥をかかない」というのは,作法の入門的思考です。自分が気になる思考です。
作法を勉強すると,「人に不快感を与えない」という,人様を思いやる思考をします。
そういう意味で,「恥をかかない」というタイトルは,入門書ですよと言っているようにも読み取ることができます。
この本には,入門から,ちょっと深いことも載っています。

PHPのホームページからご注文するか,書店にご注文を!

道徳に作法を!

城ヶ崎滋雄先生と久々の「チーム算数」が開催されました。

今回は,6年生の円の面積。
円が分割され平行四辺形になる,あのソフトを何度か見せている内に,
子ども達が半径が高さで,円周の半分が底辺で・・・と,
それが観念的に見えるようになったのです。
その話を詳しく聞いている内に,
もう少し,ソフトに手を加えたくなりました。
しかし,かなりやっかいな作業となるので,
時間を見て進めてみたいと思っています。

今回は,「立腰」の話題がでました。
城ヶ崎先生は,この指導をするようになってから,
子どもの生活の崩れが見つけやすくなったと話してくれました。

立腰の指導をすると,
クラス全体の姿勢が良くなります。
ところが,ある日,
えっと思うような崩れた姿勢をする子がでてきます。
その子と話をすると,
家庭内が不安定・・・。
何らかの心配事の話が出てきます。

心に心配事があると,
立腰を維持しすることは,ちょっと大変です。
なにしろ,立腰は「静の運動」です。
動かない分,心がゆるむと,すぐに崩れます。

立腰の指導は,姿勢を良くするだけでなく,
さまざまな効果があります。
子どもの心の不安,
そのシグナルをキャッチできること。
これも立腰の一つの効果です。
このような城ヶ崎先生の話。
私の実践からもかなり思い当たる所がありました。

最後は,「道徳の時間に作法の指導を!」
そんな話になり,閉会しました。

『小学生の行儀作法』 11月に発売されます!

10月になったばかりですが,11月の話題です。
11月18日に,作法の本が発売になります。

『小学生の行儀作法』という本です。
正しい書名は,『クイズで学べる 恥をかかない! 小学生の行儀作法』です。
発売元はPHPです。

これで,私の作法の本は3冊目になります。

『明治人の作法』(文春新書) 2009年
『行儀作法の教科書』(岩波ジュニア新書) 2010年
『小学生の行儀作法』(PHP) 2011年

「数は並べて見る」
「3つ並べると規則性が見える」

脈絡の無い2009,2010,2011なのですが,並べて見ると,「どうもこの調子だと・・・」と頭が自動的に考えてしまいます。
これが「算数の力」です。
規則性が見えてくるので,その延長線も見えてきます。
自然と良い気分になり,勉強をする気になります。

昨日,松尾芭蕉の『奥の細道』を少し読み返しました。
そこに,お見送りの光景が書かれていて,とっても感動しました。
「お見送り」も行儀作法の一つです。
現代のお見送り,明治のお見送り,江戸時代のお見送り。
こうして3つそろったので,私の中では「お見送り」がひとまとまりになりました。
面白いです。

お茶碗の持ち方/ネコがけ

  お椀やお茶碗の持ち方で,時々目にするのが,左のような持ち方です。

  この持ち方でも食事はできます。
  でも,あまり好ましい食べ方とは思われていません。どちらかというと,悪い持ち方とされています。
  人差し指で引っかけているところに,どうにも違和感が出るからです。
 
  お茶碗の悪い持ち方といえば,下の2つが代表格となります。
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   (1) 掌にお茶碗を載せるやり方
   (2) 上の図のように,人差し指でひっかけるやり方
   ------
  この2つは,「持ち方」が悪いのです。

  お茶碗は「持つ物」です。
  手で小さな物を持つときには,右の図のように,指で持ち,掌は乗せる所となります。ですので,1の掌にお茶碗を載せて食べるのは,どうにも不作法と映ります。

  2は指を使っているので,確かに持っているのですが,お茶碗の持ち方の基本「4指をそろえ,親指で支える」に外れているのです。

  1も2も,ちょっとした違いです。
  ですが,そのちょっとした違いを行儀作法としてきたのが日本人なのです。

  ところで,上の2つより,もっと悪い食べ方があります。
  それは,お茶碗を置いたままで食べる「犬食い」です。
  お茶碗を持つこともしないのですから,問題外です。

  置いたままが「犬食い」なら,上の持ち方は「ネコがけ」です。ネコが前足をお皿に引っかける様子に似ているからです。  
  
  「人をして礼あるをもって,
   自ら禽獣より別つことを知らしむ」(礼記)

  「禽獣」の「禽」はニワトリ。「獣」はけもの。
  礼儀や行儀作法を学ぶことで,禽獣とは違うことを知り,より人間らしくなるのです。
  2000年以上も昔に言われた言葉です。
  このような礼儀作法を日常的にも高度に発展させてきたのが,私たち日本人です。
  これは,誇るべき生活文化です。