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藤本先生が「文部科学大臣優秀教員表彰」を受賞!

明日から,出張にでます。
荷物の準備を終えた後には,どの本を持っていくか,選びます。
今回は,荷物がちょっと重いので,読み進めるのに時間のかかる文庫本を2冊カバンに入れました。
1つは,『幼学綱要』で,もう一冊は『浄土三部経(上)』です。
ゆっくり,味わいながら読みたいと思っています。

b8976_300今回の出張には,大きな楽しみができました。それは,行った先で藤本浩行先生と会えることです。
何しろ,藤本先生は,「平成24年度文部科学大臣優秀教員表彰」で表彰されたのです。
自分の友達が,このような栄誉をうけたのです。嬉しいです。

藤本先生との記念撮影をしようと思っています。うまく撮影できたら,ブログにアップしたいと思います。

藤本先生が出された本の一つに『新任教師 はじめの一歩』があります。
この本を読んだ,明治図書の編集の方が,藤本先生に連絡をして,そこから,『信頼を勝ち取る「保護者対応」 (はじめての学級担任)』を刊行するに至りました。
どちらも,良い本です。
藤本先生の真面目な姿勢が良くでています。

福山先生の算数のML

今日,新しい算数のメーリングリストができます。
その名前がいいです。「待ち遠しくなる算数授業を創る会」です。
中心になるのが,福山憲市先生と,熊本の黒川孝明先生です。

80人前後の先生方が参加して,今日,スタートです。
日本全国の先生方の,算数への声をきけるのですから,楽しみです。

それにしても,福山先生のパワーには敬服します。どこから,あの超人的パワーが出てくるのでしょうか。
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b8631_300右の『聖徳太子』ですか,随分前に購入した本です。「十七条憲法」の方を知りたくて買いました。
今は,「法華義疏」の方への関心の方が高く,先日も読み返しました。
初めて読んだときは,法華経を読んでいなかったので,消化不良を起こしていましたが,法華経を読んだ後に読むと,これが良い感じで入ってきます。

とはいえ,仏教というのは世の中から離れる方向に向かうので,頭で分かっても実際にはそうはできない所があります。
そういうところと日常との折り合いをどうやってつけていったのだろうかと,仏教への関心が高まっています。
最澄や空海の本もいずれ読んでみたいですが,その前に,法華経以前の仏教として,お釈迦様のあたりの説法に触れてみたいなと思ったら,なんと,本棚の中に『ブッダのことば』がありました。
読んでもあまりにも面白くなく,途中で止めた本です。でも,昨日,再び開いてみると,これがなかなか良い感じで,面白いのです。

どんなテーマにも言えることなのかもしれませんが,中身がある程度わかると,面白くなってきます。

不思議なことに,儒教や仏教の本を読むと,城ヶ崎先生との会話が弾みます。
やっぱり,城ヶ崎先生は一線を越えていると思います。

「チーム算数」例会。押田先生の折り紙。

押田先生から,折り紙の実践が語られました。
私は算数で折り紙をあまり使ったことがないので,珍しさが先立ちました。

先生の指示通りに,折り紙をおります。毎度,三角形になるように3回折り,そこにハサミを1回だけ入れます 。
開いてみると,これが何とも言えない形。

こういう遊びのようなことをしていると,やっていることを説明するために,意外と算数用語を使うことになります。
まずは,「三角」とか「三角形」が出てきます。
三角形になるように折っているのですから,どうしても口にせざるを得ません。
元が正方形の折り紙ですから,「四角」とか「正方形」とかも口に出やすいです。
折り紙ですから,「かどをそろえて」と出てきたら,それはもう「頂点」です。
「へりを合わせて」は「辺」ですし,「折り目」は「直線」「辺」。「真ん中」は「中心」ですよね。

子ども達が自然に使っている言葉を,意図的に算数用語に切り替えて先生が話し始めるだけで,「生活語」から「算数語」への大成長を促すことができます。

三角 →三角形
四角 →四角形
かど →頂点
線  →直線
真ん中→中心
へり →辺

押田先生は,紙の大きさを各種用意したので,「拡大」とか「縮小」という言葉も飛び交っていたそうです。

折り紙で楽しみながら,算数用語に慣れ親しんでいくこの実践。実に良いなと思いました。

こういう勉強の時,作った折り紙に,「用語を書き込む」ことがお勧めです。書き込みが成された折り紙を見ると,妙に勉強をしている感じがしてきます。
書き込んだ折り紙はノートに貼ります。そこだけ分厚くなるので,自然と開きやすくなり,その度に用語を目にすることになります。

みんなで実際に折り紙を折って,切って,なんだか楽しい一時でした。

「チーム算数」例会。3つの法則の話し。

チーム算数の定例会。

今回は4名です。城ヶ崎先生,中田先生,押田先生と私。

スタートは算数ソフトの新作発表。
神奈川の佐藤先生が平均点で97点をとるに至った授業で,活躍的に頑張った分配法則・結合法則・交換法則のソフトなどをお見せしました。

この3つの法則は,これまでの算数とはひと味違う,ちょっと数学が入り込んできている学習です。
右の画像を見ていただくと分かりますが,■や●や▲を数の代わりに使って,「こういう事が言えるね」と学ぶところです。

この■●▲が,後々のaでありbなのです。
そうです。ご存じ「代数」の世界です。

この文字や記号を使って考えるということは,これまでの算数と何が違うのでしょう。そこの理解があると,この学習はもっともっとしっかり教えたいという気持ちになります。

これまでの算数は,「具体から離れ,数で考える道」だったのです。
リンゴが5こあって,隣を見たら,また5こあって,手元を見たらそこにも5こあって。
これを1こ,2こ,3こ・・と数えても合計を知ることができます。でも,それじゃあ,ちょっと頭が足らないような気がします。計算を知っている人には,それが強く感じられます。
そこで,覚えてしまえば楽に合計を知ることができる画期的な方法として,「たし算」とか「かけ算」をしっかり学習させるようになっています。

そうして,その恩恵がかなり分かってきた頃,「そろそろ次のステップに行きましょうか」とお誘いをしてきているのが,この■●▲たちです。
「数から離れ,記号(代数)で考える道」へ誘っているのです。

具体から離陸して,数の世界へ。
その数の世界から離陸して,代数の世界へ。

この離陸するときに大事なことは,量をこなすことです。
量をこなし,頭でも体でも馴染むところまで進まないと,「その場理解」で終わってしまい,翌日には,さて何の事やらとなります。学ぶ子ども達にとっては,なじみのない考え方の世界だからです。

そんな第2回目の離陸単元で,佐藤先生は平均点で97点を出しました。
使ったソフトが量をこなせるように作られているので,子ども達の様子を見ながら,離陸できるまで指導を繰り返すことができたのです。きっと,佐藤先生は一人一人のお子さんが「ほぼ確実」になっても,「もう一押し!」と,「押さえの繰り返し」指導をされたのだと思います。子ども達の様子から,あとどの程度繰り返せばよいかを見抜く力があったのでしょう。そういう教師力が,これからの算数には必須の力となります。
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ところで,上の画像の図の部分ですが,ここの工夫は自分でもお気に入りの所です。
図を囲っている線,縦は実線なのですが,横は点線になっています。括弧をイメージしています。

ここまでは,ソフトを見た先生なら,すぐに気付きます。
ですが,この点線の重要性にはなかなか気付きません。 それは,括弧は「弧で括(くく)る」と書いてあるように,円の弧で括られているのです。ここから考えれば,もしかしたら,原始的な雰囲気として「8+7」や「7+3」をぐるっと括っていたのを,その左右両端だけを残して表記しているのではないかと思えてきます。

ここまで思えてくると,その先,ちょっと発展させることができます。
小学校では小括弧しか出てきませんが,中括弧・大括弧も,ぐるっと括ってみると,「囲みの中から外に向かって計算する」 という規則が分かってきます。その囲みは必ず入れ子状態になっている事にも気付きます。

括っている記号にこういう原理があるのでないかと思うと,似たような物として,文章のカギ括弧があることに気になってきます。カギからカギまでを括ると,マンガの吹き出しのようになります。
また,二重括弧と,ただのカギ括弧。これも,算数の括弧同様,必ず入れ子状態になります。

最初に紹介したソフトのところで,このような話しになり,ついには,句読点を使わない文章の話しなど,話しは多岐にわたりました。面白かったです。

 

 

23日(金)は「算数夕食会」

「チーム算数」を月に1回ぐらいのペースで開催していますが,それとは別に,「算数夕食会」を開催することにしました。
一緒に食事をしながら,算数ソフトやその周辺の話しを熱く語り合います。

その第1回が23日(金)です。場所は稲毛付近の居酒屋です。
目下,北海道の渥美先生と,神奈川の佐藤先生の参加が決まっています。(御一緒に!と思う先生,ご一報下さい。一緒に楽しく過ごしましょう)

渥美先生は,朝日新聞の「窓」に紹介された先生です。1年生から担任しているクラスの中に特別支援のお子さんがいて,残念なことに,入学後も数の大小が分らずにいました。どう指導したらよいのか考えた末,算数ソフトを使うことにしました。そうしたら,その子がとっても強い興味を示してくれたので,その後もずっとソフトを使い続け,根気よく教えてきました。結果, かけ算九九で満点をとるまでに成長しました。
私が,渥美先生の取り組みを知ったのは,かけ算九九に入り始めた頃でした。その後,九九のテストで満点を取ったと知らされ,どうしても渥美先生がそのお子さんと行う算数の勉強を見ておきたくなり,無理を願って授業参観させていただきました。教室で見たのは,特別支援のお子さんがどの子なのか分からないほどの素晴らしい授業でした。

佐藤先生は若い先生です。10月に崩壊学級の担任を任され,それを10日でほぼ復旧させた先生です。いろいろな指導を繰り出しつつも,主力は算数の時間です。算数ソフトを十二分に活用して,すさんだ心になっていた子ども達を,みるみる間に明るい暖かい子ども達へと戻していったのです。
中には,算数の練習問題になると,教室から逃げ出してしまうお子さんもいたそうです。その子が,今は,「先生,静かにしていて下さい。勉強に集中できません」と言うほどに大成長しています。
勉強そのものが面白ければ,子ども達はどんどん良い道を歩み始めるのだと,強く感じています。

こんな素晴らしい先生方と稻毛で一緒に夕食会です。
算数のことを楽しく語らいながら,さらに一歩進んだ学習を生み出せるように考えたいと思います。

そうして,翌日は,東京の江戸川区船堀で「奇跡の算数セミナー」です。
楽しみな日が続きます。

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12月7日(金)には,九州の平川先生と「算数夕食会」です。第2回の算数夕食会です。
平川先生はデジタルに強い先生ですので,その方面の話も伺いつつ,算数の様子なども聞いて,多いに語らいたいと思います。
とっても楽しみです。

「チーム算数」は面白かった

城ヶ崎先生,佐々木先生。いつもの二人に加え,今回は筑波大付属小の中田先生と,私立の小学校の押田先生が参加。中田先生も押田先生も算数の先生なので,多いに盛り上がりました。

今回は,城ヶ崎先生がノートパソコンを持ってきてくれたので,新作の6年の体積のソフトを2本披露しました。といっても,1本はまだつくり途中です。

1本目は,すでに5年生でつくったソフトに似たソフトなので,新しさが特にありません。
2本目のソフトは,ちょっと画期的なソフトになっています。ソフト自体が画期的というより,その考え方がちょっと良い感じという所です。
中身は,「角柱の体積の求め方を考える」ソフトです。
このソフトには,直方体と三角柱の図と,計算式が出ます。

重要になってくるのは,2つの計算式の方です。
図形と式を連動して見ることができるように設計していますが,これは,関心を式に向けるための装置です。
式に意識が向いてから,「両方の式に共通する計算法」を見い出すように促すことです。
この状態になれば,子ども達に公式を考える思考「公式化思考」に頭を集中させることができます。

このような話しをしていた時に,城ヶ崎先生が「ブラックホール」と「ビッグバン」を口にしたので,話はタイミング良くそっちに飛びました。この公式化場面は,「ブラックホール型」の場面です。
算数のブラックホールには巨大なのが3つあります。それについては,次回のチーム算数でお話ししたいと思います。

佐々木先生のアドベンチャー学習ゲームに算数ソフトを加えた実践。これは面白かったです。プリントには文章がかなり書いてあり,楽しみながら読書もできる面白仕掛けです。また,プリントには算数的配慮が随所にあり,佐々木先生の力量を感じました。とても良かったです。

城ヶ崎先生から,比喩の話しがでました。
今回は子ども達に比喩を考えさせる話しだったので,私からは「形に落とし込む」ようにと話しました。
古武道をやっている城ヶ崎先生には多くの説明が入りません。それが有り難いです。

会の最後に,福分堂の村岡さんからいただいた古書を1つお見せしました。
「墨塗り教科書」です。歴史を証言している本なので,みんな楽しみながらページをめくりました。楽しんで笑っているのですが,頭・心に何かしらの真剣さを感じる一時でした。
こういう雰囲気が私には「本物の学習」と感じられてきます。
「質が高く」,それでいて「ユーモアを内包している」教材は,こういう場面をつくってくれます。
算数ソフトもその一つです。

次回は,墨塗りしていない教科書と,墨塗り教科書とを見比べる企画になる予定です。
そうして,その次の回は,また面白い物を持っていきます。
初めて参加した中田先生も押田先生も楽しんでくれたようで,良かったです。

次回は何時になるのか,風まかせですが,楽しみです。