Blog

わくわくブラックボックス,早くも算数で大活躍!

藤本浩行先生考案の『わくわくブラックボックス』が,amazonnからいよいよ出荷され,先生方のお手元に届き始めました。

早速,福山先生のMLに,佐藤先生が算数の「変わり方」の授業で使ったと,報告が入りました。
授業は「大成功!」でした。

ブラックボックスに「1」のカードを入れます。
すると,「8」になって出てきます。

次は,「 2」のカードを入れると,「7」になって出てきます。

1 →  8
2 → 7
3 → 6
4 → 5

ここまでやったら,何と子ども達から「5から書かせてください」コールが出たそうです。
あっちからも,こっちからも!

自分で考えたくなったのです。これは,素晴らしいことです。
ブラックボックスを使って,カード入れて,またカードを入れて,さらにカードを入れて・・
と4回カードを入れたら,自分で考えたくなってきたのです。
子ども達の心が「自分でやりたい心」に変わったのです。

なぜでしょう。算数ソフトと同じです。「きまり」が見えてきたのです。
「きまり」が見えてきて,まだ,続きがあると,「自分でやりたい心」に変わります。
これが授業の嬉しい瞬間です。

そうして,佐藤先生は最後のまとめに,「看板コーナー」を活用しました。
看板コーナーというのは,写真の「特産品は?」のカードが入っているところです。
「入れた数 + 出た数 = 9」
看板コーナーに,このまとめを入れました。
このまとめを考えさせたとき,LDのお子さんがビシッと手を挙げたそうです。
これも嬉しいことです。

普通に授業をしても,普段通りに授業は進みます。
そこに,子どもが頭を使いたくなる教材が出てきたら,授業は激変します。
「算数ソフト」 も「わくわくブラックボックス」も,そういう授業激変ツールなのです。

授業後,子ども達は『わくわくブラックボックス』に群がったそうです。こういう光景,嬉しいですね。

★佐藤先生曰く 「ブラックボックスが6班ぶんあったらなぁ」

「慎重の心」を育てる,鈴木文男先生の「一発君」

 

鈴木先生とお会いしたとき,1つのスタンプを見せていただきました。
そのスタンプは,「一発君」です。

このスタンプがもらえると,子ども達は大喜びをします。
何しろ,このスタンプ,おいそれとは押してもらえません。
「よほど」の事がないと,押してもらえないのです。

どんなときに,その「よほど」が起こるかというと,「一発でできたとき」 です。
何事にも,素早くやる子がいます。
ノートへの取り組みをさせれば,アッと言う間に仕上げて,「先生,できました! 」となります。
先生は赤ペンでマルやらペケやらをつけます。
早く仕上げる子は,心が急ぐあまり,ちょっとしたところでミスをします。
そこを直して,めでたしめでたしとなります。

でも,この子は,「一発君」スタンプを押してもらえません。
一発で,ミス無く仕上げることが出来なかったからです。

仕上がりには,少し時間のかかる子もクラスにはいます。
落ち着いているので,あまりミスはありません。
概して,一回でOKとなります。
その時です。鈴木先生の手は,「一発君」スタンプに伸びます。
そうして,“ポン!”
赤い,立派な「一発君」が,落ち着いて慎重に取り組んだ子のノートにしっかりと押されます。

早くやり終えた子がもらえず,遅くてもしっかり行えた子がもらえます。
担任の先生が求めている心が,クラスに伝わります。

学校の学習にスピードはつきものです。
早くやることを躾けることも大切です。
だらだらとした心を,ピンと緊張させ,意欲が向上します。
また,鈴木先生のように,落ち着いて慎重に取り組むことも大切な指導となります。
「落ち着きましょう」と,何度言っても,クラス全体は自然と急ぎ足の空気を持っています。
少しばかり,むなしい指導となりかねません。
そんなとき,一発君のような「心の栄養グッズ」が力を発揮します。
落ち着いて取り組むことも,クラスの空気になっていきます。

鈴木先生の「一発君」スタンプをお借りし,私の手帳にポンと一押しさせていただきました。
私も,落ち着く心,慎重に行う心がどこかに行ってしまわないように,心がけましょう。

伊藤仁斎先生の『童子問』

江戸時代の儒学者,伊藤仁斎先生の『童子問』

孔孟に正宗(せいそう)を得(う)ること無し。高からざれば即ち楽しまず,奇ならざれば即ち悦ばず,常(じょう)を厭(いと)うて新を喜び,近きをすてて遠きを取る。予深く悲しむ。

これが一貫している本です。
野口芳宏先生が「根本 本質 原点」と仰います。 まったく,その道です。
こういう考え方をしていると,「仁者は俗を嫉(にく)むの心少し」「不仁者は世を憤るの心勝つ」といった見方にも納得するものがあります。

この本からの最大の学びは「内外一致」論です。
仁斎先生の内外一致論は実に優れています。
仁斎先生の論により,私は作法の教えを輪切りにした様子を明示できるようになりました。しかも,作法の効用を非常にわかりやすく説明できるようになりました。学んで良かったです。

何かを習得することの説明には,2つの視点が必要です。
---
1つは流れ(時)の視点
1つは輪切り(場)の視点
---
仁斎先生の内外一致論は,作法をこの「輪切り」から実に明快に説明できるのです。

作法書はたくさん世に出ています。しかしながら,「何をどうする」のハウツーの域から出る書がほとんどありません。
そんな中,戦前の相島亀三郎先生や下田歌子先生の本が奮闘してくれているので,私もその道を拓いていきたいと思っています。
作法の根本・本質・原点は何なのかを,先達の水準を超えて語り記せるように,前進していきたいと思っています。

関西大学初等部の『関大初等部式 思考力育成法』がすごい!


関西大学初等部の『関大初等部式 思考力育成法』本の表紙をちょっと大きくしてみました。

ベン図が見えます。
三角形のピラミッドチャートも見えます。
Xチャートとピラミッドチャート両方を使って思考している子も見えます。

まさに,驚きです。

何よりも,優れているのは,思考図を印刷している用紙が大きいことです。
大きいので,たくさん書き込めます。
頭の中や手元にあるたくさんの情報を一つ一つ書き込んでいけば,比較・分類・関連づけなどができ,俯瞰した考えも見えてきます。

取り組みがシンプルなので,それが功を奏している,そんな気がしています。

関西大学初等部の本『関大初等部式 思考力育成法』はすごい!



2月10日発売の『関大初等部式 思考力育成法』です。まだ,発売前ですが,あんまりすごいので,ちょっと御紹介します。

とにかく,この本はすごいです。
表紙の「めざせ!考える達人」の「達人」の文字の上の写真をご覧下さい。
小さな女の子が紙に円を2つ少し重ねて書いています。
これ,なんだか分かりますか。
「ベン図」なのです。

ベン図は,学校現場では数学で学ぶ論理とされています。
かなり昔のことですが,ベン図を小学校でも教えていたことがありました。
「集合」の中心的な図として登場していました。
ところが,どうにも理解できない子が多かったのか,算数から姿を消しました。

ですので,「ベン図は中学から」 という暗黙の学び時が発生しています。
そのベン図を小学校2年生の子が使って,自分の考えを進めているのです。
驚くばかりです。

論理は算数・数学で学ぶと,隅々までキチッとするので,細かいミスが気になる方向へと進みがちです。
それが他教科だと,少々アバウトでも,弁別が大方あっていればそれで良し!とできます。
ですから,2年生でもベン図の弁別を理解できるのです。
これは,画期的なことです。

表紙に,大きな「バツ」が見えますね。
これは「Xチャート」という思考図です。
右下の子が紙を持ち上げています。そこに書かれているのは「ピラミッド図」です。
これも,思考図です。

関大初等部は,2010年に開校したばかりの新しい小学校です。
でも,思考力を育てることについて徹底した研究をすすめ,図を用いて思考する達人小学生をどんどん生み出しています。
「有田先生の追究の鬼」と同じように,「関大初等部の思考の達人」です。

ベン図
Xチャート
Yチャート
ボーン図
ピラミッドチャート
などなど。

このようなチャート図を1つずつ,しっかりと学習を通して学んでいきます。
学びが進むにつれ,各種のチャート図を使って,自分の考えで比較・分類・関連づけなどがどんどん進められる子になっていきます。
思考力がつくのです。考える達人へと育っていくのです。

チャート図に情報を書き込むためには,「この情報はどこに書くべきか」と,まず,頭を使います。
友達に「なんで,これはここなの?」と問われても,考えてそこに書いたので,その理由は説明できる状態になっています。
作り上げたチャート図を元に,作文を書くこともできれば,発表もできます。
非常に優れた言語活動ができるわけです。

思考スキル,ミューズ学習(考えることを考える学習),評価基準,実践 等々
この本に,非常に詳しく記されています。実に良い本です。

お勧めします!

※公開研究会が2月4日に関大初等部(大阪・高槻)で開催されます。
http://www.kansai-u.ac.jp/elementary/2011/12/post-59.html
この本(『関大初等部式 思考力育成法』)も,発売前ですが,先行して入手できます。
--

思考力を楽しく付けていく学習法として,『10の力を付ける出版学習』(横田経一郎著,さくら社)もお勧めです。

3年_算数_三角形のソフト/2本目

三角形の頂点をドラッグして,いろいろな三角形を作るソフトです。
頂点は,方眼状に並んでいる点の所にドロップすることができます。

この方眼状のタイプは,円形に点が並んでいるタイプに比べ,二等辺三角形のきまりをみつけやすいです。

何度か二等辺三角形を作っている内に,点の数と関係づけて,「二等辺三角形ができる時は,どうもこんな風なきまりがありそうだ」と自分なりの「きまり」が生まれてきます。
さらに,二等辺三角形を作っていると,そのきまりがいつもでも成り立つことが経験的に証明されてきます。
すると,二等辺三角形とはどんな三角形なのか,自分なりに表現もできるようになります。

ドラッグドロップで三角形づくりをしている内に,二等辺三角形の自分なりの定義を見いだせるのです。これは嬉しいというものです。

[桜]スライダーをドラッグすると,点の数の増減ができます。
点の数が増えても,自分の考えた定義(きまり)が通じると分かった時,子ども達は「やっぱり!」「考えは同じだ!」と感じます。
作った定義(きまり)が正しかったと実感する瞬間が生じます。

こんな嬉しい瞬間がソフトを使っている最中にやってくるのですから,グッドな気分になります。

※近日中に,「もっと!算数」サイトにアップします。