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3年「三角形」のソフト4本目

 

3年生の三角形のソフトです。
円の中心と円周を使って,三角形を作るソフトです。
三角形の作り方は,とても簡単です!

円周上に頂点が2つありますね。
その頂点のところで,マウスをドラッグすると ,三角形の頂点がマウスに着いてきます。
黄緑の小さな円のところで,ドロップ!
これで,三角形の形が変わります。

三角形の一つの頂点が円の中心になっています。
ですので,三角形の形をどのように変えても,必ず二等辺三角形になります。
その上で,中心角が60度になるときには,正三角形になります。
その「正三角形」になるところを,よくよくわかりやすく[桜]スライダーを左の方に動かし,円周上の黄緑小円を6個にします。
ここから,円の中には,この正三角形を6個敷き詰められることも,何とはなく伝わります。

黄緑小円の数は,今のところ,4個~60個(偶数個)を自由に出すことが出来るように作っています。
その黄緑小円を使って三角形を色々と作るだけでも,「円の持つ不思議な世界」を感覚的にとらえることが出来ます。
このような「感覚的な素地づくり」が,算数ソフトで豊かに行うことができます。有り難いことです。
算数ソフトを使うと,テストの点数が上がる効果もありますが,最も重要なのは,このような「算数の世界の感覚をしっかりと身につけられる」ことです。
多いに使って欲しいと願います。
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話のついでですが,算数ソフトの有り難い点をもう一つ。
それは,黄緑の点に頂点がピッタリ止まるように,プログラムできることです。
これが良い感じなのです。
紙で作る教材もそうですが,人為的に作るので,「授業ではここを!」というポイントを押さえての表現ができます。

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このソフトは,「もっと!算数」サイトに近々アップします。
「もっと!算数」サイトのソフトは,無料で使えます。
算数ソフトの画面を,教室で大写しにして授業をすると,どんな感じになるのか,それを体験してみたいと言う先生

「分数の紙」,次の一手!

「分数の紙」をブログにアップしたら,若い先生から,「オー!」「ウワー!」と,そのわかりやすさへの感動をいただきました。ありがとうございます!

この「分数の紙」を使って,分母・分子などの「分数の表現」に慣れたら,次の一手を打つことが出来ます。

分子を分母の方におろすのです。
すると,分母と分子が重なっている教科書の図と同じ構造になります。
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「分数の紙」は,色上質紙を2枚つかっただけの,シンプルな教材です。
それでも,この教材を教室に持ち込むか,持ち込まないかは,とっても大きな違いになります。

特別支援の指導では,「シンプルフォーカス」が大切とされています。
あれこれ目に入ってくると,気が散ってしまうので,全体をシンプルにすることが大切となります。
すると,焦点が定めやすくなり学習に効果的となるからでです。

「教材を使う」というのは,このシンプルフォーカスを自動的に行うことになります。
ですので,子ども達は先生のされることを真剣に受け止めるのです。

1時間に1つ,教材を教室に持ち込む事が出来たら,算数の授業は大きく変わってきます!

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算数の教材を毎日1つずつ教室に持ち運べるぐらい,中身をたくさん作り込んでいるのが,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』です。

この「分数の紙」のアイデアも,「算数ソフト」に,しっかりと継承されています。

「算数ソフト」には,パソコンならではの表現も加わっているので,子ども達は集中し,理解をどんどんしてくれます。

「算数ソフト」の最大の特色は, 「図と分数」を同時に表現できることです。
クリックして,分子が1つ飛び出します。
その分子が着地した,その瞬間に,分数が「1/4」から,「2/4」へと変わります。

この「図と分数の同時表現」を,分母を変えてスイスイと何度でも繰り返して示すことが出来るので,子ども達の頭にストン!と入っていくのです。

北海道の渥美先生のブログにその様子が記録されています。(こちらです!)
是非,ご覧になって下さい。

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分数が持っている2つの時制「過去」と「今」

このブログには,コメントが書き込めるようになっています。
昨日は,渥美先生,槙本先生,福山先生からコメントを頂きました。
有り難いことです。

コメントを読みながら,フッと分数の教材開発について思ったことがありましたので,その話をいたしましょう。

カステラを4つに等しく分けた,その1つ分

これが「1/4」の言い回しになります。
「4つに・・・分けた」「1つ分」と言うことは,「1/4」という一つの数は,過去と現在を同時に表現している数と見ることができます。

◆ 分けた=過去
◆ 1つ分=現在

この2つの時制を同時に言い表してるのが分数なので,過去も現在も両方とも見えるようにすると,分数の意味がわかりやすくなります。

また,「過去と現在」をちょっと考えてみると,そこには,時間差が生じていることが分かります。
時間差を教具で生み出すには,どうしたらいいのでしょう。
その解決法は,教具に「動き」を生じさせることです。

◆ 「動き」が出せて,
◆ 2つの時制を示せる

そんな教材が出来れば,確実に子ども達の頭にストンと落ちます。
試行錯誤して,「分数の紙」になりました。
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分数の図と言えば,左のような表し方が普通の表し方です。

「分数の紙」を知った先生には,この図は「4」と「1」を重ねて表現していることがわかります。
そうして,その重なりが,学習上,ちょっと困難を発生させていることも,何とはなく感じられてきます。
実際,ちょっと理解が難しいと感じる子も何人かは出てきます。

それでも,先生がこのような「重なった図」しか知らない場合は,あれこれ説明して,理解を進めていきます。
この努力,なかなか大変です。

でも,「分数の紙」を知っている先生は,ここをかなり良い感じで,楽しげに導けます。
分数の表記の意味をしっかりつかんだ上で,普通の図を学べば,「分数の抵抗」は激減します。

今日,釧路の渥美清孝先生が「分数の紙」を使って授業をされました。
非常に盛り上がり,子ども達は非常に集中していたそうです。
子ども達が,とっても前向きになるので,「分母」「分子」「括線」などの用語も,どんどこ教えていったそうです。
きっと,私が授業をしたときより,さらに,今風に進化したグッドな授業だったのだろうな,と想像しています。
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こういった「教材開発」で救われる子が,ドーンと出るのが算数なのです。
有田和正先生は,「教材7分,腕3分」と仰います。
これは,社会だけでなく,算数にもドンピシャで言えることです。

渥美先生の明日の授業では,「算数ソフト 」が登場する予定だそうです。
場外ホームラン級の授業の連続になりますね。

分数の意味が一目で分かる「分数の紙」 嗚呼,懐かしい!

福山先生のメーリングリストで,昔懐かしい「分数の紙」が話題になりました。

この教具,とっても面白いです。
手作りで簡単に作れます。
分母が3でも,4でも,5でも,いとも簡単に作れます。

簡単なんですが,効果はてきめん!
あっと言う間に分数の意味が,子ども達の頭にインプットされます。
20年以上も前に開発された分数の教具「分数の紙」を御紹介しましょう。

左の画像の一番下に,【使い方】を載せました。
まず,そこをご覧下さい。

教具の見た目が,分数の表し方と一致しています。

ここが,この「分数の紙」の最大の特徴です。
見た目が分数表記と似ているので,分数指導で普通に用いている「母」「子」をこの紙に託すと,効果倍増となります。

--(授業で・・・)--
セロテープで留めた分数の紙を子ども達に見せます。
これを「カステラ」に見立てます。(なので,「カステラ式」とも呼ばれています)
オレンジ色の紙がカステラです。
白い方は,カステラの下の敷いてある薄紙です。

家には子ども達が遊びに来ています。人数は4人。

お母さんは,依怙贔屓(えこひいき)をしないので,カステラを平等にわけてくれます。
優しい素晴らしいお母さんです。(分数は収穫物を道徳的に分け与える時の基本的な思考法ですので,ここは平等の気持ちをしっかりと伝えます)

包丁がないので,はさみで平等に切ります。

そうして,お母さん(先生)は言います。
「太郎君(誰でも良いですから,クラスの子一人を見ながら),このカステラを1つ上げましょう。」

太郎君は欲しくなるので,頷きます。

お母さん(先生)は言います。
「では,1つ上げましょう。」
「1つ上げますよ。」
「本当に上げますよ。よく見ていてください。 」

オレンジの紙を1切れ,上にめくるように上げます。
「はい,上げました!!!」

(教室全体が,思わずズッコケムードになります)

教室の笑いが落ち着いた頃,分数の紙を黒板に貼り,「=1/4」と板書します。
そうして,4つにけたのはおさんだから,「分母」ということを知らせます。
けてもらった方はどもだから,「分子」となります。

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こういう教具を,パソコンが学校にやって来る前に開発して,使っていました。
今も現役で活躍しているクラスがあります。嬉しい限りです。

算数ソフト『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』は,このようなアイデアが基礎となって,さらにパソコンならではの画期的な表現を用いて作られています。
ですから,算数ソフトを使っているクラスでは,子ども達が夢中で手を挙げ,やる気満々になって,しかも, 算数への理解も深まっています。嬉しいことです。
教具教材づくりのアイデア・工夫は,算数ソフトにも継承・発展されています!

最後に,「分数の紙」の作り方ですが,色上質紙か色画用紙2枚でつくります。
人数が少ないクラスや個別指導でしたら,「折り紙」を半分に折って作るのも良いです。

『論語』の中に,分数を発見! 嬉しいです!

『論語』は人格陶冶の基本の書と思っているので,時々,読み返しています。申し訳ない程度ですが・・・。
その論語を,今日,読み返していたら,『論語』の中に分数が出ていることを見つけました。

算数は私の研究対象なので,論語からの分数発見は,個人的な大発見です。
嬉しくてなりません。

『方丈記』に分数を見つけたときも,嬉しかったです。
『日本書紀』の発見も嬉しかったです。
そうして,今,かの有名な『論語』に分数を見つけたのです。
非常に嬉しいです。

分数と言っても,小学校で書き表すあの横棒(括線)を使う表記ではありません。
漢字での表現になっています。
その分数は,次のように書かれています。

『三分天下有其二』

「天下を3つに分けて,その2つ保つ」という意味です。

何と,驚く無かれ,孔子が分数を使ったのです。
もう,それだけで,十分に楽しいです。

論語は孔子の弟子がまとめた本なので,孔子が本当に分数を使ったかどうかは,わかりません。
でも,言葉として発したことを記録として記しているので,孔子が分数を使っていたと考えて問題なかろうと思います。

論語自体からも,たくさん学べました。良い一日でした。

3年「三角形」のソフト3本目/植松先生から嬉しいメール!

3年生の「三角形」単元のソフトです。

すでに,2本作ったソフトの姉妹ソフトです。
2本目が二等辺三角形がどんどん作れるソフトでした。
そこで,今回は正三角形がどんどん作れるタイプにしました。

色々な所に正三角形を作ることが出来ます。
小さい正三角形。
大きな正三角形。

算数パズル風に「正三角形が幾つできますか」と問うて見たくもなります。
でも,それは「三角形」単元のねらいからずれてしまいます。

着目するのは,「辺の長さ」です。
長さが等しいかどうか,[桜]スライダーをうまく使うと,その確認が出来ます。

そういう確認をしなくても,「みれば,わかるよ!」状態になってくれたら,もっと嬉しいです。
正確さには定規の確認が必要ですが,アバウトに分かることも,理解を進める重要な力となります。
「こんなもんだろう」と判断できるのは,正三角形の概念が頭に入っているからです。
この状態が作れれば,この単元の基礎はOKです。
あとは,技術的な力です。
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三重県の植松先生から嬉しいメールをいただきました。

公開研究会の授業で「算数ソフト」を使われたのです!
単元は,3年の「重さ」
「実物の秤」と「算数ソフト」を併用しての授業です。
するとどうでしょう。
子ども達はとっても集中し,やる気もマンマン状態だったそうです。

研究授業ですから,授業後には協議会があります。
参加された先生方から,
● 子どもたちが画面に集中する
● 目盛りを読む学習には効果的
● 何度も繰り返して学習できて良い
等々。大変嬉しい御言葉をいただきました。

熱心な先生が,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』表紙をカシャッ!と撮影されたそうです。
きっと,御同僚の先生に,植松先生の授業をお伝えしたかったのだと思います。

植松先生はこの先も算数ソフトをどんどん使ってくれます。
植松先生の授業で,算数大好きの子がどんどん増えます。
研究授業に参加された先生方のクラスでも,算数好きの子がどんどん増えてくれたらと願います。

算数ソフト,子ども達に大人気で,しかも理解がどんどん進んでいます。
皆さん,お友達の先生に,機会を見て御紹介下さい!