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中村健一先生の本『学級担任に絶対必要な「フォロー」の技術』

3年の算数「三角形」のソフトが完成しました。
「もっと!算数」サイトにアップしました。
是非,ご覧下さい。
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中村健一先生の新刊『学級担任に絶対必要な「フォロー」の技術』(黎明書房)です。

たくさんの具体的な指導が載っているので,即座に使えます。
若い先生にとってもいいです。

中村先生は,私にタイプが似ています。
面白さが前面に出るタイプです。
だから,本当は面白いことだけをどんどん書いていけば,すごいスピードで実践の山ができていきます。
しかし,この本には,滑り出しにちょっとした理論が書かれています。
フォローの論理です。
御本人がどう思っているか分かりませんが,これは頭が成長を始めているのです。
年齢が進み,ある程度熟してくると,人は自然と理論・論理の頭が成長し始めます。
その時に,儒教・仏教・武道などの素養があると,論理に人間的深みがでてきます。
中村先生のこれから先の本がどう変わっていくのか,一つの楽しみでもあります。
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『雑兵物語 おあむ物語』(岩波書店)

元旦に本が届きました。
『雑兵物語 おあむ物語』(岩波書店)です。

研究所の藤原先生から話しに聴いていた本です。
いつか読んでみたいと思っていました。

まさか,お正月に届くとは思ってもいませんでしたので,
今年はさい先が良いと感じつつ,すぐに読みました。
実によい本です。

目当ては「おあむ物語」です。
でも,「雑兵物語」が先に書いてあるので,流れに乗って読みました。
「雑兵物語」には足軽の心得がしっかりと示されています。

敵の騎馬が来たら,まず馬に一発鉄砲を撃ちます。
それから侍を打ちます。これが基本です。
でも,相手が集団だったら,馬上の侍を打ちます。
馬が,暴れ馬のようになり,攪乱できるからです。

場に応じて,ねらいが変わります。
これは良いです。
何でもかんでも,いつも同じ,という訳にはいかないのです。
根本は相手を倒すことです。
倒すために,相手の状況に応じて,こちらも対応を変えていきます。
400年も前の足軽が,こういうことを考えているのですから,日本人は立派です。

「おあむ物語」は,もっと感動しました。
落城寸前の大阪城。
お城には,敵の生首が運ばれてきます。
この首の所に,お歯黒を塗るように仰せつかります。
そういう習慣(作法)があったからです。
塗るのは,今で言えば,高校生ぐらいの女の子です。
その女の子の名が「おあむ」です。
おあむは血なまぐさい生首の間で寝ることもあったそうです。

人の感覚は,時代によって,場によって,大きく変わることがわかります。
それでいて,時代に応じた礼儀作法が横たわっていることもつかめます。
このような具体的な内容が,時代の大きな流れを形成し,私に強く響いてきます。
実に,本は有り難いです。

 

『視写の教育』

池田久美子先生の『視写の教育』(東信堂)です。
視写の効力がどれほどあるか,それが書いてあります。

読みながら思ったことは,素読を実践している先生にもオススメだと言うことです。
素読の効力と比較しながら読み進めると,これまで気がつかなかった素読の効力を見いだすことができるように思えています。
そうして,もし視写の実践も行ったらどうなるか,それを思うと,夢が膨らみます。

この本を読んで,視写は掘るとかなり大きな宝が発掘できるのではないかと感じました。
どんな宝なのかは,研究をすることで発掘し続けた人が見つけるので,私には分かりかねますが,ただ,感じることは,私が進めている「作法」「姿勢」に匹敵する,人々のためにとても役立つ研究成果につながるということです。私も狭い範囲でも視写を研究してみたいと思います。面白い研究対象です。

「不便の至」

本を読んでいたら,下のように出てきました。

  ・一家滅亡不便々々
  ・流浪不便の至

どうも,しっくりきません。
一家が滅亡して,ふべんなのです。続いて, 流浪なのでふべんの至りとなるのです。
どこか,微妙に違和感を感じます。

元気のいい人なら,書き手の文章を疑うのでしょうが,
書いてあることは,できるだけ額面通りに読むようにしているので,
自らの読みの力を疑った方が良いと思い,
広辞苑で引きました。

なんと,「不便」とかいて「ふびん」と読むのです。

一家が滅亡して不憫だ,不憫だ
流浪の身となるのは不憫の至りだ

これなら,意味が通じます。

本を読むと力がつきます。
有り難いです。

「不便」がでていた本は,まだ読み始めたばかりの本です。
『赤穂義士史料 上巻』(雄山閣)です。
漢字出現率95%強ぐらいの漢文な上に,返り点があるので,案外読みやすいです。
漢字は有り難いです。

『学級づくりの教科書』の書評

『教育展望』(教育調査研究所)の11月号に,
有田和正先生の『学級づくりの教科書』(さくら社)の書評が載っています。
1ページ分,まるまるが書評でした。

書き出しは・・・
著者(有田和正先生)は,授業の達人,特に,子どもたちから「はてな?」を生み出すネタを次々と発掘し,それをもとに子どもたちを「追究の鬼」に育てる社会科授業の名人として名高い。

この書評を書いたのは,小島 宏氏。
財団法人教育調査研究所研究部長です。

各章の紹介が記されていて,
最後に,次のように書かれています。

さすが,学級づくりの「教科書」というだけあって,基本的なことが具体的に示されていてすぐ役立ち,応用もきく内容構成になっている。若手教師やベテラン教師,そして指導的な立場の教師のテキストとして是非とも勧めたい一冊である。

『学級づくりの教科書』に載っている,有田学級の子の文章を読むと,その実力の高さ,豊かさが伝わってきます。

私は,算数のネタとして,「とんち九九表」を教えていただいたことがあります。
さすが,有田先生!と思ったことを覚えています。

スティーブ・ジョブズの本

自分のやっている仕事が,
少しだけジョブズに近いので,
この『スティーブ・ジョブズ 夢と命のメッセージ』(三笠書房)は共感を感じました。

「ぶっとんだスグレモノを
つくれるかどうか」

やっぱりそうなんだと思います。
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ぶっ飛んだスグレモノ,と言えば,
私にとっては,
「ディレクター」という ソフトです。

よくぞ,これだけあれこれできるソフトを
開発してくれたものだと,
感心するやら,感謝するやらです。

何しろ,操作性が非常に良いです。
特に,プログラムの書き込みが,
どこから書いてもOKなので,
自分の思考に合わせて,
どんどん書き進めることができます。

そうして,使い続けていたら,
膨大な数の「算数ソフト群」へと
行き着いてしまったのです。

教室が盛り上がって,大喜びとなったり,
全員が90点を超えたり,
やる気の無かった子が,手を挙げたり,
「私を指して」光線を目から飛ばしたり,
嬉しい授業が全国で展開されています。
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良い道具は良い作品を作ります。
良い本は良い思考を作ります。
ジョブズのこの本,オススメです。