Monthly Archives: 1月 2016

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150回目の野口塾in相模原

b7851150回目の野口塾。
神奈川県の相模原で開催されました。

第1講座は野口先生による「うとてとこ」。
この言葉遊び歌の奥に潜んでいる文脈の構造。そこを見抜いた第一人者が野口先生です。ですから,この授業からは,野口先生の「発問-答え」という展開からも大いに学びつつ,できれば,他の詩を見て,「野口先生のように構造を読み取るぞ!」と,自らの読解力向上に役立てて欲しいところです。
何度聴いてもなるほどの連続です。

b7850第2講座は山中先生による「語り」です。
山中先生は語りの名人ですが,今回はさらに磨きがかかっています。
それだけではなく,照明やホワイトボードの位置など,学ぶ先生方にとって少しでも環境が良くなるようにと,心配りをしていました。
一流は違いますね。

b7849午後になり,佐藤先生の「社会」。
佐藤先生に教わった子は,なぜかどんどん社会科好きになっていくそうです。
講座の話を聞いていると,「確かにそうなる!」と思いました。
自分で収集した教材がたくさんあり,その幾つかを紹介してくれました。
黒曜石の包丁には驚きました。肉がよくきれるのだそうです。
社会の基本である地図帳の使い方から板書の仕方まで,「なるほど」が満載でした。
写真は,授業後の様子です。黒山の人だかりになり佐藤先生が見えなくなりました。
その後,先生方がかなり退いたので,シャッターを切りました。
写真の右から3人目の眼鏡の先生が佐藤先生です。

b7848私の話はアフリカの話です。
本題に入る前に算数ソフトをお見せして,それから話し始めたのですが,あっという間に時間が経ち,大事な話にたどり着く前に終了となりました。
セミナー修了後,若い先生と記念撮影しました。
「お箸」の実践をしている山田友和先生と,子供達とのつきあい方が上手な笹川友行先生です。

充実した一日になりました。
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「姿勢の良い人になろう」「人生の図」

b7853横浜の山内小学校の6年生の皆さんに見せた「人生の図」がこれです。
これから先をどうしたいか。
できれば,グッドな方向にグイッと歩ませたい!
そんなときにこの図を使います。

まず,折れ線グラフのような図を書きます。
原点からの縦横のラインを引き,学年の目盛りを打ちます。
6年生の3学期に入ったばかりですので,6年の所だけは3等分します。

次に,原点から右上がりにラインを引き,「今,皆さんはここにいます」と,自分たちの立ち位置を示します。

最後に,卒業式までの未来の図を書き加えます。
「このまま順調に進むと,このあたりにたどり着きます。
これを『普通』と言います。」
続けて話します。
「でも,ちょっとダレてしまったり,やる気がなくなってしまうと,こちらに進みます。
これは『低』です。」

そうして,子供達に聞きました。
「普通と低。どっちに進みたいですか。」
それぞれに挙手を求めました。
しかし,誰一人手を挙げません。
できる子供達です。
誰も手を挙げない光景を見て,「自分たちはもっと伸びるんだ!」という強い意識を感じました。

b7852そこで,図に付け足しをしました。
「高」の存在を知らせ,その中の上の方には「最」という所があることも知らせました。

「最高」を目指す。
でも,「最高」にたどり着けるかどうかはわからない。
でも,たどり着けるように心を強くして前進して行くこと。
これが大事なのです。
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このように未来を正しい方向に力強く歩むこと。こういった道はきわめてまじめな道徳です。
孔子が活躍をしていた2500年もの昔から当たり前のように言われていることです。
「子曰わく,君子は上達し,小人は下達す。」(『論語』憲問第十四)
しっかりした心を持っている人は上に達しますが,そうでない心では堕落するのです。

昔から良いとされる所の教えを,私も子供達に伝えることができました。
ありがたい一時でした。
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ところで,論語など古典には,このような図は出てきません。
もし,この「人生の図」が論語の時代に示されたら,どうなるでしょう。
まず,誰一人理解できないでしょう。
なぜなら,この図には「座標」という算数数学の概念が用いられているからです。
座標はデカルトが作ったとされています。
1600年以前の人には,基本的に理解不能な図なのです。
日本では江戸時代までの人たちにはかなり複雑な図として映ると思います。

そんな「人生の図」。
日本の小学生はすんなり理解します。
小学校の先生方が熱心に算数を教えて下さっているからです。
そういう教えの場がつくられている日本の教育システムにも感謝の気持ちが起こってきます。
道徳を勉強するにも,算数や国語の学力は大切なのです。
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関連記事:

「姿勢の良い人になろう」「人の図」山内小学校6年生

b7857横浜の山内小学校6年生の皆さんに,「人の図」を教えました。
宇和島の下灘小学校3年4年の皆さんにも「人の図」を教えました。
違いは,「心」に対応する言葉です。
3年4年生の子には「好きになる」と書きました。
でも,今回は,「やり遂げる」としました。6年の3学期という特別なシーズンでもあり,指導の先に卒業式が待っていたからです。

そうして子供達に話しました。
人は大雑把に言って,「体」と「頭」と「心」に分けることができます。
「体」は「できる」ようにします。
「頭」は「わかる」ようにします。
「心」は「やり遂げる」ようにします。

「体と頭のことは,先生やお父さんお母さんに教わって,できるようになり,わかるようになります。
でも,心は自分でやり遂げようとしないとできません。
と,いつものように,心だけは自分でするところだと話しました。

姿勢の指導がはじまり,私は何度となく「自分の心を強くするのだ」と熱く語りました。
それが子供達の印象に残っていたのでしょうか。
最後に質問を受け付けたときです。
感動的な質問がでました。
「心を強くするには,他に何がありますか」
つまり,姿勢を良くすること以外にも自分の心を強くする方法があるのか,という問いです。
この問いが出るということは,「今の自分の心をもっともっと鍛えたい!」という気持ちになっているのです。
指導を受けたその先を自分でどんどん歩みたい!という気持ちになっているのです。
これこそ道徳です。「道」を歩もうとしているのです。
私は痛く感動し,思わず「良い質問です!」と褒めました。

最初に示した「人の図」を見せ,「やり遂げる」を示しつつ,「やり遂げたいというものを見つけ,やり遂げようとすることです。」と話しました。
質問した子は納得顔になりました。
私も良い気持ちになりました。
道徳は道を示し歩ませる勉強なのです。

ここで,もう一つ付け加えて話をしたかったのですが,次の時間の算数の授業もあるのでやめました。
付け加えたかったことについては,また,今度書きましょう。
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横浜の山内小学校で

横浜の山内小学校へ行ってきました。
ありがたいことに,6年生への姿勢の授業と,5年生への算数っぽい授業をさせていただきました。
若い先生方の研修の一環です。

この日,妙に電車が気になり,30分前には到着する列車に乗りました。
これで十分大丈夫と思っていたのですが,ダイヤの混乱とぶつかりました。
最寄り駅に着いたのは予定の10分後。臺野校長先生をお待たせしてしまいました。
申し訳ないことをしてしまいました。

その臺野校長先生から今朝ほど,メールをいただきました。
私の授業の様子を「校長だより」の記事にしてくれていました。
電光石火の仕事ぶりに,頭が下がります。
少し引用します。(改行は私の好みで変更しています)
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現役ではないが超一流の先生である。
ありがたい機会をいただいた。参観できなかった方にその一端をお伝えする。
「子どもを励ます」「ほめてその気にさせる」「しかし甘くはない」指導である。見習いたい。
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この書き出しに恐縮です。
すでに,退職をして15年。
私の腕はさび付いています。この日の授業もあれこれ反省が先立ちます。
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5校時
6年生全員へ「姿勢の良い人になろう」の授業
宇和島下灘小学校での公開授業(3・4年生対象)をベースにされながら、6年生対象に「最高の卒業式にしよう」という視点で、よい姿勢について具体的な姿、心構えや、さらにこれからの生き方にまで踏み込んでご指導いただいた。
姿勢という熟語の「勢い」が大切であること。勢いのある座り方、と「勢いのない だれて緩んだ」座り方を具体的に動作化させながら、どちらが参観する保護者に感動をもたらすか問いかけられた。
また、椅子の正しい座り方、「もたれる」の意味から背もたれをどう使うのかなど、子どもたちはもちろん、聞いている職員も「そういうことか」と納得する御指導であった。
b7867「人には優しく。自分には正しく」
「心を強くする」
「動かないことに勝てる自分」等々、
子どもたちとのやり取りの中で発せられる横山先生の言葉はどれも、実感を伴って子どもたちの心に入っていたと思う。
1時間で、子どもたち120人の姿勢や返事、何より心構えが大きく変容した授業であった。
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初めての子供達だったので,いつものように,「人と自分の図」を示しました。
子供達からは,「自分に正しく」とはスッと出てきませんでした。
これは,現状の道徳がこういった基本的な所を教えていないので,答えられなくてごく自然なのです。
なにしろ,先生方に問うても,たいてい答えられません。
先生方も小学生の頃,道徳を学んでいないのです。
やむを得ないことです。

はっきりわかることは,「道徳も教わらないとわからない」ということです。
だから,道徳は授業をする必要があるのです。

この日の6年生に,「人の図」「人生の図」を示しました。
それぞれ重要な内容を含んでいます。
追って記しましょう。
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横浜の小学校で

次の火曜日,横浜市の小学校で授業をしてきます。
若い先生方を中心とした研究会があり,その研究会の一環として,5校時・6校時に授業をしてきます。

5校時は,6年生全員が対象です。体育館で「姿勢の良い人になろう」というテーマで授業をします。
6校時は5年生の一つの教室で算数です。図形の面積が終わろうとしている頃なので,そこに少し絡んだ授業をします。

授業の後は,若い先生へ向けた講話です。
どんな授業になり,どんな講話になるのでしょう。
明後日には詰めたいと思っています。
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土曜日は野口塾in相模原です。
私も一こまお話しします。
テーマは「東アフリカ教育事情 算数ソフトの視点から」です。
楽しい話になりそうです。お近くの先生,ぜひお越し下さい。
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b7858写真はバングラディッシュで販売されているBLACK TEA と GREEN TEA です。
BLACK TEA というのは,紅茶のことです。

そのバングラデシュですが,私は「バングラディッシュ」と言っていました。
でも,どうも,違うようなのです。
フェイスブックで伊藤先生から「バングラデシュ」と普通は言うことを教えてもらいました。
ありがたかったです。

こういう指摘,年をとると,どんどん少なくなってきます。
だから,自分で気をつけないとなりません。
そんな状態が今なので,指摘してくれた人には手を合わせたくなります。
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関連記事:

バングラディッシュ

b7859算数ソフトの会議が開かれました。
日本でも授業で使って下さる先生が増えています。
子供達に喜ばれ,算数好きが増えています。
何ともありがたいことです。

会議では,バングラディッシュが話題になりました。
もしかしたら,3月までにバングラディッシュにも行くことになるかもしれません。

私が小学生の頃,バングラディッシュという国はありませんでした。あったのは西パキスタンと東パキスタンです。
インドを挟んだ東西にパキスタンが分かれていて,子供心に「すごい国だなぁ」と思っていました。
そうして,東パキスタンはバングラディッシュになり,国旗は日本によく似た図案になっています。
親日と思っていますが,今日はそういう話題にはなりませんでした。

算数ソフトが日本国内はもとより,海外からも注目されるようになりました。
こうなってくると,私もますます力が入ります。
海外の「子供達の学力向上」「先生方の資質の向上」に遠く日本から協力したいと思う気持ちがどんどん強まります。
一人の力では大したことはできません。
ですが,一緒にその道を歩んでくれる方々がいてくれます。
皆さんの力をいただきながら,「私も奮励したい」と思った一日でした。
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