Monthly Archives: 6月 2016

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この自習がすごい

3年生の算数の能力別クラス。
4クラス中,上から3番目を担当していた先生から,驚きのメールが届きました。

研究授業のため,授業を25分ほど空けることになりました。

単元は3桁・4桁のたし算・ひき算です。
担当の先生は,算数ソフトを起動し,数回3桁同士のたし算・ひき算のソフトを見せ,子ども達に次の2点を話しました。

b7595「マウスを持った子が『一の位は?』『十の位は?』と言い,みんなが声を出して答えたら,クリックをして正解を見せます。」

「一人が1問担当したら,次の人にマウスを回します。」

そうしたら,25分間,みんながキチンと取り組んでいたのです。
各教室を回る役割の先生からも,しっかりとマウスリレーをしていたと報告があったそうです。

算数ソフトを使って自習ができただけではなく,ソフトで自習をしたことで,大きな成果がありました。

成果1.その日のミニテストは全員バッチリ!

成果2.翌日,4桁の計算に入ったのですが,子ども達は自力でやり方がわかった。

こういう成果が出た主な理由。
それは,繰り上がり・繰り下がりのイメージを,何度も見て答える体験をしたことです。
何事もそうですが,体験が多ければ,足腰・土台は強くなります。
自然,4桁を理解するに足る実力となったのでしょう。

こういう体験的に理解を進め,習得をしていく授業が,自習でできたこと。
これも実に大きな驚きです。

このメールをくれたのは藪田先生です。
一緒に勉強をしていますが,授業に向かうセンスがいいです。

PCで算数を体験してから,教科書を自力で読む

これは,新しい授業スタイルです。PC時代の授業スタイルです。
とても楽しく,それでいて力の付く授業です。
こういう授業が進むと,「教科書を自力で読めるようにするぞ!」という子がどんどん育つでしょうね。すると,算数への意気込みが変わってきますよね。
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「明日の教室」に三宅貴久子先生が

「明日の教室」に三宅貴久子先生がご登壇されます!
嬉しいですね。

「明日の教室 三宅貴久子先生 元関西大学初等部」

6月25日ですので,今度の土曜日です。
場所は,京都橘大学。京都方面の先生方,良いですね!!

コクチーズに申込先が出ています。
その紹介文から一部抜粋してお知らせします。
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三宅先生は、岡山県の先生だったのですが、2006年にNHKの「わくわく授業」でも二度にわたって、その実践が取り上げられ、多くの教師がその名を知ることになったと思います。
*2003年 わくわく授業『歴史の見方を深めよう~三宅貴久子先生の社会~』
 2006年 わくわく授業『自分を見つめる 未来予想図~三宅貴久子先生の総合的な学習~』
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私が三宅先生に着目していたのは、この「わくわく授業」より数年前に放映されていた「おこめ」というNHK教育テレビでの教育実践でした。とにかく子どもたちがどんどん動いていくのです。
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詳しくはリンク元に書いてありますので,ぜひ,お読み下さい。
そうして,京都近隣の先生,ぜひ,ご参加下さい。
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「スイミー」を発問道場で読んで(2)

野口塾in大阪の発問道場の題材となった「スイミー」。
作品中に,スイミーが逃げている途中に見た光景がでてきます。

1,にじいろの ゼリーのような くらげ。

2,水中ブルドーザーみたいな いせえび。

3,見た ことも ない さかなたち。
見えない 糸で ひっぱられて いる。

4,ドロップみたいな いわから 生えて
いる,こんぶや わかめの 林。

5,うなぎ。かおを 見る ころには,
しっぽを わすれて いるほど
ながい。

6,そして,かぜに ゆれる
ももいろの やしの
木みたいな いそぎんちゃく。

この6つの内,話の筋を考えたとき,重要となってくるのはどれか。
そんなことを,一昨日書きました。

b7763正解は,3番です。
では,なぜ3番目の光景が重要なのでしょうか。

スイミーは最後に新しい兄弟を大きな魚のようにしました。
どうして,大きな魚のようにしたら良いのだと気づいたのか。その切っ掛けとなったのが3番の光景を見たことなのです。

はじめ,スイミーは兄弟たちと一緒に暮らしていました。群れているのですが,スイミーは群れの中にいるので,その群れがどんな形・動きをするのかはわかりません。
また,他のさなかの群れも見たことがなかったのです。

ところが,逃げている途中で別の魚の群れを見たのです。群れの外から見たので,その泳ぎが,まとまりある群れに見え,その動きが「見えない糸で引っ張られている」ように見えたのです。

ですので,「見た ことも ない さかなたち。」から,初めて見たのは,「種類として魚」もありますが,もっと重要なのは,その集団が作る「群れの形・動き」を初めて見たことなのです。ここは,見落とせないところです。

この群れを見たことで,マグロより大きな魚の形をした群れを作ればいいのだと,スイミーは考えついたのです。

(1)大きい方が勝つ。
マグロに襲われることで,(1)をスイミーは知りました。
でも,これだけでは,大きな魚のふりにはたどり着きにくいです。

(2)見えない糸で引っ張られるように泳げる。
逃げる途中でこれを見たので,「ふりができる!」と思考が進んだのです。
この思考は,大人の私でもたいしたものだと思います。

ここまでわかれば,「スイミーは おしえた。けっして はなればなれに ならな こと。」とあるところで,スイミーがどんな言葉を発したのかもわかってきます。
見えない糸でつながるんだ!」というような言葉となります。
この場面で「見えない糸」とつながることで,全体に大きな筋ができてきます。

こういったことを授業で教えると,「見えない糸」が学級経営にも生きてきそうですね。
良い作品ですね,「スイミー」は。
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『三宅貴久子という教師』もうすぐです!

b7597『三宅貴久子という教師』がもうすぐ発売になります。
24日です!!

三宅先生は元祖アクティブラーニングのような先生で,
子ども達のパワーの引き出し力が並大抵ではありません。
学級にうねりを起こす,そんなエネルギーに満ちあふれている先生です。

周囲の同僚や,教育関係者も三宅先生の大波に飲み込まれて,気がつくと一緒になって前進している。
そんな先生なのです。

関大初等部の実践からもわかるように,三宅先生は途上国への教育にも力を入れています。いつかは,途上国の教育で一緒にガチャガチャやることになるだろうなと思っています。

アクティブラーニングの勉強を!と思っている先生,その道の大御所が三宅貴久子先生です。この本,お勧めです。
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「スイミー」を発問道場で読んで

b7600野口塾の発問道場は「スイミー」でした。
事務局の阿部先生から,「発問道場では横山先生に絡んで欲しい」と前夜祭から言われていました。
その方が,どうも楽しくなるそうなのです。
そんなこともあり,ちょっと力を入れて読んでみました。

野口先生の発問道場が始まり,「スイミー」をざっと読み,問うべき所はここだなと目星を付けました。
スイミーは かんがえた。いろいろ かんがえた。
うんと かんがえた。

出てきた発問は,↓です。
スイミーは「いろいろ かんがえた」とありますが,「いちばん 大きな さかなのふり」の他に,何を考えましたか。2つ見つけて下さい。

ところが,この部分は今回の発問道場の範囲外でした。
今回はスイミーが逃げて泳いだところから,小さな魚の兄弟たちを見つけるまでが発問の対象範囲として指定されました。

急遽,変更です。
気になったのは,逃げて泳いでる途中で見た光景です。

1,にじいろの ゼリーのような くらげ。
2,水中ブルドーザーみたいな いせえび。
3,見た ことも ない さかなたち。
見えない 糸で ひっぱられて いる。
4,ドロップみたいな いわから 生えて
いる,こんぶや わかめの 林。
5,うなぎ。かおを 見る ころには,
しっぽを わすれて いるほど
ながい。
6,そして,かぜに ゆれる
ももいろの やしの
木みたいな いそぎんちゃく。

この中で注目すべきは1~6のどれなのか。それがわかれば,この作品の持つ全体の文脈がよく見えてきます。
しかし,「注目すべきはどれですか?」とストレートに聞いても,これでは教材研究をしている先生向けの問いになってしまいます。
授業用の子ども向けには,もう一ひねり必要です。
それをプリントに書き終え,非常に満足しました。

阿部先生は,私がその昔に話したことを良く覚えていてくれました。
「西洋の作家の作品にはキリスト教が入っている」と。
同様に,物語文を読むときには,こうしたちょっとした知恵を持っていると読み方が少し深まってきます。

物語文を読むときは,まず,素直に感動するようにします。
すると,その感動は,たいていの場合,「正義」「愛」「勇気」などと言った側面から心を動かされて起きていることがわかります。

スイミーでは,最後の方で考えて,みんなをさそって,教えて,マグロを追い出しました。このあたりに,ググッと感動がやってくるのです。

すると,今回は「勇気」と「知恵」がどうも自分の感動の中味と思えてきます。
勇気の線で全体を読み直し,知恵の線で全体を読み直します。
すると,「勇気はイマイチだが,知恵には蓄積がある」などと気づいてきます。
問うべきことは自ずと定まってきます。

物語文は感動するだけで十分OKなのですが,こういう道筋を考えるのもそれなりに楽しいです。
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前田先生のセミナー,in愛知

b7611野口塾が三重県でも開催されることになり,これは良いなぁと思いつつ,家に帰ると,今度は前田先生の「教師の学びセミナー」のin愛知の日取りが決まったと連絡が入りました。

12月17日(土)
場所は,線蒲郡駅前「蒲郡生命の海科学館」です。
13時~17時ですので,ほどよい時間帯です。
愛知近辺の先生,楽しみですね。
(まだ,受付は始まっていません)
主催してくれるのは,小田泰史先生です。
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野口塾では,野口塾大喜利が10分間ほど開催されました。
思っていた以上に楽しい一時になりました。
回答者の中で一番活躍したのは,やはり,野口先生でした。
笑いの切れ味も抜群で,本当にすごい先生だとこのときも思った次第です。

野口塾in三重を主催してくれる岡田先生も急遽回答者となりました。
どうなるかと思っていたのですが,次々手を挙げて笑いを巻き起こしていました。
やる気と頭の回転は比例するのかも知れません。

次回の大阪の野口塾の予定も届きました。
来年の6月24日(土)です。
私もお話をすることになっています。
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