Monthly Archives: 6月 2017

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道徳、1つだけ教えるとしたら

「主張ある道徳授業を創る!」の最後は、「質疑応答」でした。
4つの質問が出たのですが、その内の2つの質問は、私にとっても良い勉強になりました。

その1つの質問は、
道徳で1つだけ教えることを選ぶとしたら。
というような、内容でした。

いろいろと教えることはあるのですが、その中でどれか一つを守るとしたら、つまり、他のことは捨て去って、どんどん捨て去って、最後の最後に1つだけ残すとしたら、それは何かという問いです。

この問いは、ある意味、「志」を問われているような質問でもあり、守らなければならない「最高の道徳」を聞かれているような問でもあります。
質が高いと感じ入りました。

同時に、この種の質問をする人にありがちなことが頭をよぎりました。
この種の質問をする人は、自分なりの解答を持っている人と、持っていない人に分かれます。
解答を持っている人なら、こちらの答えもそれなりに響きます。
自分の持っている解答と比較し、考えが巡るからです。

しかし、自分なりの解答を持っていない人だと、こちらの言葉が右の耳から入って、左に抜けていきます。
頭の中にも、心にも、引っかかるに値する思いが無いからです。
この状態の人に答えても、虚しさだけが残ります。
お粗末な場合は、こちらがテストされている状態になります。

そこで、質問者に聞き返しました。
「あなたの心にある一つだけ守る道徳は何ですか?」

その答えはスッと出ません。
きっと自分の考えを持っていないのだろうと思いました。

どうなるかと思っていたのですが、質問者は立派でした。
私からの質問に、答えてきたのです。
「尊敬です」
退かない力強さ。
自ら答えを定めた前向きさ。
良いものを持っている青年だと思いました。

これで、とりあえず質問者の頭には、「尊敬」こそが一番大事な道徳と位置づきました。
有り難いです。
私が答えても、何かしら質問者の中に引っかかると思います。

このやりとりは、私にとって重要で、「道徳のそもそも論」で話しているところと重なります。
◆心は教えられない。心は自分から。
心の部分へのアプローチを、このやりとりで再確認できました。
道徳は学び甲斐のある学問ですね。

セミナーでは「ブランコ乗りとピエロ」を扱ったのですが、この作品をよく言い表しているのが「上に居りて寛 礼を為して敬」かなと、思っています。
論語が好きで、道徳も好きという先生とは、少しゆっくり話したいですね。

今週の土曜日は、埼玉の本庄早稲田でのセミナーです。
こちらでは、「講演者、発表者と語るフリートーク」が1時間ほどあります。
どんな語らいになるのでしょう。楽しみですね。
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『やさしい漢詩教室』は良い本です

論語などを読んでいると、漢文の書き下し文も読むことになり、次第に、書き下し文の調子がいい感じに入ってきます。

そういう調子の良さは漢詩によく表れるので、身の丈に合わせて、『やさしい漢詩教室』を読み始めました。
最初の漢詩は「胡隠(こいん)君(くん)を尋ぬ」です。
いきなり知りません。
ですが、スウッといい感じで入ってきます。
高校生のころ口ずさんでいた「青春の城下町」に似た雰囲気で、なかなかいいです。

6つ目の漢詩は「春夜(しゅんや)」。
もちろん、知りません。
その最後の行に「鞦韆」とあり、ちょっと強めに反応しました。

道徳教材「ブランコ乗りとピエロ」を、もし国語で指導するとなると、真っ先に「ブランコ」にチェックが入ります。
ぶらんこは日本語なので、ひらがなで書くのが小学校国語と言うものです。
そのぶらんこの漢字が「鞦韆」なのです。
そのむかしは、「ゆさはり」と日本語で言っていたのですが、江戸時代のころに「ぶらんこ」が一般的になり、今に続いています。

すると、「春夜」はいつごろ書かれたのかが、気になってきます。
その気になった心に応えてくれるように、『やさしい漢詩教室』には、読みやすく分かりやすい解説が載っています。
そこに、作者の蘇軾(そしょく)は1036-1101をありました。
平安時代の後半でしょうか。
その時代の中国では、「鞦韆」が普通に使われていたとわかります。

この体験で道徳の周辺教養の得方を学んだ気持ちになりました。
『やさしい漢詩教室』はいい本ですね。
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石川晋先生と会いました

先日、久しぶりに石川晋先生とお会いしました。
退職をして東京に転居したとのことで、落ち着いた頃にお会いできたらと思っていました。

話は弾み、退職のことやら、東京住まいのことなど、あれこれ盛りだくさんの話をしました。
石川先生は各方面から声がかかっているようで、さすが当代の売れっ子と思った次第です。
また、見聞を大きく広めるなど、未来構想も豊で、才覚ある先生は違いますね。

メルマガの話もありました。
「教師教育」に関するメルマガです。
すでに、50人近くの執筆者がいます。
そんなにいるなら私は無用と思いましたが、枯れ木も山の賑わいで、私もその中に入れていただきました。

石川先生のあたらなる活躍が楽しみです。
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「道徳読み」深澤久先生の感想が

「道徳読み」への感想が、深澤久先生からも届きました。

験也さんの「道徳読み」――この発想には驚きました。
私の想像していたモノとは違ってたなぁ。 
何より、子どもの学習活動がキチッと1本の中心として組み立てられている――これが1番驚いたと言うか、「横山験也は商人の仮面をかぶった教育者(開発者)だ!」と・・・。

どこまで本気で書いているかは分かりかねます。
また、主催者としての礼状の中の言葉ですので、額面通りに受け止めるのは少々愚かとなります。
それでも、四半世紀以上も道徳教育の道を歩み、日本の道徳教育をリードしてきた深澤先生が良い意味で驚かれたです。
後発の私には、ありがたいです。

昨日も紹介しましたが、鈴木文男先生からも同様の感想が届いています。

道徳読みの展開は面白いですね。

まったく予想がつかない内容でした。

「道徳読み」は5つのパートに別れているのですが、「パート2」が想定外の学習となっています。
たぶん、ここから驚きが始まったのだと思います。

また、小井土美和先生からも感想をいただきました。

昨日の道徳読みの講座、とてもよかったです。
目の前の子どもたちに実践したいと思いました。

道徳を進んで実践したくなるのですから、小井土先生を惹きつける何かがあるのでしょう。
ありがたいことです。

「道徳読み」については、6月25日の野口塾in大阪で少しお話をします。
「道徳のそもそも論」の後に、「道徳読み」のガイドラインを話すかと思います。

今週末の17日は埼玉の本庄早稲田で教師の成長について少しお話をしてきます。
深澤久先生と城ヶ崎滋雄先生を題材にしてお話をしようかなと思っています。気が変わるかも知れませんが・・・。

道徳と言えば、論語です。
人間性を高めたいなら、論語です。
『日めくり 教室論語』をぜひ教卓の上に置いてください。
漢方薬のようにじんわりと効いてきますよ。
群馬の木村先生が、セミナーで会うやいなや、「横山先生、本当にじんわり効いてきています!」と言っていました。
とてもうれしい瞬間でした。思わず、握手をしました。
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英語のわくわくプリント、新作アップ!!

「英語わくわくプリント」の新作が、さくら社のHPにアップされました。
今回のも、きっと子ども達が喜んでくれると思います。
「形・色」のプリント2枚分が、アップされています。
ダウンロードして御活用下さい。
<こちら>です。

画像を御覧いただくと分かると思いますが、かなり変わったプリントです。
サッカーコートなのですが、なんと、片側にゴールが2つもあります。
こんなコートではサッカーになりません!!

でも、わくわくプリントの基本は「学習ゲーム」です。
多少の奇妙さは、ご愛敬の世界です。
このプリントを見て、教室のあの子が楽しく取り組んでくれたら、うれしいのです。
そう言う思いが、片側に2つのゴールという奇妙なプリントへと導いたのです。

「オッ、おもしろい」と思った先生、ぜひ、ダウンロードして御活用下さい。
体育的に、どうしても許せない先生は、見なかったことにして下さい。
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「道徳読み」は好評でした

埼玉の大宮で開催された「第2回 主張ある道徳授業を創る!」セミナーに行ってきました。

主催者の深澤久先生は切れ味バツグンです。道徳の世界が見えすぎるぐらいに見えているのです。

 

鈴木健二先生は教材作りの天才です。超越した道徳魂が全身を巡っています。

 

 

羽鳥悟先生は道徳への熱血漢です。教科化があろうがなかろうが、ほとばしる情熱が日本人の道徳への道をまっしぐらに歩ませています。

異なる才覚の持ち主である3人の先生に触れられるのがこのセミナーの大きな魅力です。
第3回も行う方向で動いているようです。
関心のある先生、第3回の情報が出ましたら、ぜひ、お申し込み下さい。
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私は「道徳読み」の授業展開の話をしました。
文科省の教材「ブランコ乗りとピエロ」を題材として、こんな風に授業を流しますよと言う話です。

ホワイトボードを使って、授業の始まりから終わりまで、順を追って話しました。
最後に、「道徳読み」で授業をやってみたいかどうか、会場の先生方に尋ねました。
パッと見、全員の先生が手を挙げていました。
「道徳読み」は広がりそうですね。

会が終わり、懇親会。三次会。
島根の広山隆行先生と隣になりました。
広山先生は、長く深澤先生から学んでいる、道徳通の先生です。
本も多数出すほどの力量ある先生です。
その広山先生が、「さっそく、月曜に道徳読みの実践をします」と言っていました。
また、道徳の原稿執筆もあり、そこにも「道徳読み」の実践を書くとのことでした。

道徳通の先生にも、「道徳読み」は価値ある授業と伝わりました。
実に、良かったと思います。

家に帰ると、鈴木文男先生からうれしいメールをいただきました。
道徳読みの展開は面白いですね。
まったく予想がつかない内容でした。
参加してよかったです。
ありがとうございました。
児童の反応などまたお知らせいたします。」
文男先生も「道徳読み」で実践をしてくれます。
授業をするに値する道徳的価値が「道徳読み」にはあると感じて下さっているのです。

ありがたいです。

今週の土曜は、埼玉の本庄早稲田で開催される「子どもに学ぶ教師の会セミナー」で話をします。
全体のテーマは「明日の教室には役に立たないけれど、長い目でこれからの教育を考えよう」 です。
午後からのセミナーです。お申し込みは<こちら>です。
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