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全国教科書供給協会のカタログ

b7909来年の春,発売になる『単元別 中学数ソフト(校内フリーライセンス版)』全国教科書供給協会のカタログに載りました。

このカタログ,中身が教科別に分かれています。
数学のところはデジタル教科書がズラッと出てきて,その後がさくら社の『単元別 中学数学ソフト』です。

ここ数日,このソフトの最終点検をしていますが,実に良くできているなぁと我ながら感心しています。

・天秤が動いて方程式の意味を把握できるソフト。
 
・マウスでドラッグすると線分が回転移動するソフト。

・8a+4aが(8+4)aであることがよくわかるソフト。

・負の数が正の数の逆方向であることがわかるソフト。

・回転体をぐいぐい作れるソフト。

どれもこれも,すごいです。
これ以外にもたくさんの優れものソフトが収録されています。
全体では100本を超えています!

中学校の先生,カタログが学校に届きましたら,是非ごらんになって下さい。

できれば,小学校で6年生の担任をしやすい先生にもおすすめしたいソフトです。
小学校にはこのカタログは届かないと思いますので,さくら社のサイトで見ていただけたらと思います。
http://www.sakura-sha.jp/sansu/
中学に入る前に,易しそうなところを選んで子ども達に見せたら,中学入学後,しばらくしてから,「先生!」と数学の様子を報告にくる子が出てくると思いますよ。
事前に頭にイメージが入っているので,数学がわかりやすくなっているからです。
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『ことばと文化』鈴木孝夫氏

b7910本棚にあった『ことばと文化』
ずいぶん昔の本のようで,奥付を見たら,初版が1973年。
これは,私が大学生になった年です。

東京へ行く道中,読み返したのですが,昔読んだ記憶がありません。本の中には,読んでいた形跡があるのですが・・・。

ことばの本を読んでみたくなったのは,ルワンダやケニヤに行ったからです。
先日も書きましたが,かさの単位「CC」を見ても,日本人はただの記号としてこれを見ています。
でも,英語圏の人たちは,cubic centimetreの略号とわかっているので,「立方cm」と直結します。

このあたりの面白さに,学ぶべきところがありそうな予感がして,この『ことばと文化』を再度読むことにしました。

かなり,感動しました。
講座で話すとき,大先輩が聴講していると,日本人は話しづらくなります。でも,英語圏の人は違うようなのです。
そうなる理由もわかりやすく書いてあります。

大いに勉強になり,読み終わる頃,鈴木孝夫氏の別の本も読みたくなりました。
『日本人はなぜ英語ができないか』を早速,購入。
これもいいです!
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『新しい道徳』北野武氏

b7911書店に入ったら2位のところに『新しい道徳』が並んでいました。
著者を見たら,北野武氏。ビートたけしさんだ。
「切れ味の良い,痛快なことが書いてありそう」と思い,そのままレジへ。

さっと読める文体で,中身もおもしろい!

現状の道徳にちょっと不可解さを感じている先生は,これを読むと頭が巡ると思います。
道徳を熱心に教えている先生は,今までとはちょっと違った視点で問われているので,それなりに頭を巡らせておくと良いかと思います。

そう言う私はどうかというと,気に入った言葉がありました。
・人間社会の中で,上に行こうとする奴は,放っておいても道徳的になる。(p149)
これが全てを語っているように思えてなりません。
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『孫子の兵法がわかる本』

b7912「兵法」ですから,戦って相手をやっつけることがきっちり書いてある本と思えてきます。
孫子を読んだことのある人は,皆さん知っているように,最高の戦い方は,「戦わずして勝つ」ことと説いているのが孫子です。

戦わないのです。
それでいて,戦わなければならない相手より優位に立つのです。
なぜ,そうするのか。
また,そうするには,どうしたらいいのか。
あれこれ,書いてあります。

学級経営では,子ども達と戦うことは基本的にありえません。
同じ方向に向かって歩んでいく師と弟だからです。
ただ,ちょっとしたボタンの掛け違いで,妙な感じになっていくことはあります。
そんなときに備えて,日頃から戦わなくてすむ方策を実践しているのが,腕の良い先生です。

原理的には,基本は言葉遣いや道具の扱いといった行儀作法の指導です。ここを毎日意図的に,自然体になるように導くと,安定します。

そんなことを思いながら,ページをめくりましたが,電車の中がぽかぽかでうつらうつらしてしまいました。
戦う気分とは縁遠い場所では読まない方が良いのかもしれません。
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明石要一先生の『ナガシマ学』はおもしろい

b7913巨人・大鵬・卵焼き。
この世界のことが書いてある本なのかと思ったら,全く違いました。
まだ,半分ほどしか読んでいませんが,おもしろいことを私に伝えてくれています。

『ナガシマ学』は巨人の長嶋を原点に,そこから世の中の各種事象へベクトルを照射し,見えてきたことをすぱっと記しています。
これがいいです。
原点が明確なので,ぶれません。
ダメなのは場当たり的に原点が変わる本です。
ですので,読むと,自分の知っていることも,少し違う感覚で伝わってきます。
原点の違いによる相違と考えることで,私の幅も少し広くなりました。

表紙にあるように,この本を読んでいると自分の生き方も気になってきます。
また,南海の野村を比較対象としてセットしているので,自分がどっちに属するのか,ちょっとした心理テストを受けているような感覚にもなります。
そのため,この本を読みつつ,不思議なほどに自分を見つめ直していました。
さらに,一般常識をどの程度知っているかを確認できる面白さを感じます。
農耕民族の話が出てきたかと思うと,アリとキリギリスの話も登場します。

若い人がこの本を読んだら,どんな感想を持つのでしょう。
21日の土曜日が明石先生のSG会です。
先月参加できなかったので,今月は参加します。
この本のことも話題になるかもしれません。
そのときは,若い人の感想に耳を傾けたいと思います。
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視点が変わると,問題が見える

ケニヤの小学校の壁面に,「CL」という単位が書いてありました。
その字が少々流れているような字だったので,私はてっきり「CC」だと思ってしまいました。
ところが,その前後をよく見ると,その単位は「CL」であり,「CC」ではありませんでした。

では,「CL」って何なのかというと,これが「センチ リットル」。
日本の小学校では教えない単位なので,私自身が「CL」に見慣れていません。
どうも私の場合,慣れない単位は慣れている単位に置き換えてしまう恐れがあるようです。

「センチ リットル」は,リットルの百分の一ですから,リットルますの中にちょっと水を入れたぐらいの嵩とわかります。
ですが,読み替えてしまった「CC」は,いったい何のことなのか,全くわかりません。
読み方も「シーシー」で,推測できません。
この頭文字による略し方は,本当にわからないです。

b7922辞書で調べてみたら,「cubic centimetre」と出ています。
キュービックです。
思い出すのは「ルービックキューブ」。
キューブが立方体で,キュービックは「立方体の」です。
ですので,cubic centimetreは,立方体のセンチメートル。
つまり,立方センチメートルなのです。
これが略されて「CC」となっているのです。
元をたどれないこの略し方,どうなんでしょうと思います。
せめて,「キュー・セン」とでも略してくれれば,少しは・・・と思いますが,そうなると,「C」を単独で「キュー」と読ませるのですから,逆に無理が生じます。

頭文字での略し方,書くには良いですが,元をたどるのはつらいですね。

ということで,「CC」は,「cm3」を文字で書いた時の頭文字をとった言葉となります。

ということは,英語圏の子どもたちには,「CC」と「cm3」は,同じ言葉を違う略し方で記したものと,すぐに理解できます。
しかし,日本の子は全く別物と感じつつ学び,覚えます。
このあたりに,言語の違いによる学びの違いが出てきます。
海外を知ることで見えてくるおもしろい世界です。

「視点が変わると,問題が見える」とはよく言ったものです。
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