Category Archives: 算数

2年生の九九のソフト

  「もっと!算数」の新作を1つ作り進めています。
  2年生の九九ソフトです。
  
  名前は「九九の積み重ね図」です。
  妙な名前です。
  でも,私にはこの名前が良い感じです。

  まだまだ作り途中ですが,見れば,どんな仕組みなのか,うすうすわかると思います。
  図が「平面座標」の考え方になっています。
  ですので,図を開いたまま九九を打ち出しするだけで,座標の素地が養われてきます。

  思うのですが,なぜ,長方形の面積を求める公式は「たて×横」なのでしょうか。
  座標への発展を考えたら,「横×縦」となってしかるべきものと考えています。
  座標へと考えなくても,平行四辺形も台形も横(底辺)から縦をかけます。
  「横→縦」が基本なのです。
  そう思うと,どうして,長方形は「縦×横」になったのか,不思議でならなくなります。2500年以上も前の中国の話を持ち出すまでもなく,縦横(じゅうおう)という熟語があるほど,縦は横よりも偉い位置にあるので,それを受け入れて「縦→横」の語順になったのだと思っています。
  西洋数学の系統をもう少し捉えて,明治初期に,「横×縦」と決めてくれれば,中学でのX軸・Y軸もすんなり頭に入り,座標への導入も少しは楽になっていたと思います。どうにも,熟語の語順に乗ったまま今に至っているようで,ちょっと残念に思っています。
  なんというか,長方形の面積の公式の求め方は,算数ファンとして悲しいです。でも,悲しがっていても「縦×横」はこの先も続きます。しっかりとそれも受け止めて,前進することが“通”の生き方です。

埼玉県毛呂山町へ

  埼玉県の毛呂山(もろやま)町へ行ってきました。総務省のICT絆プロジェクトの会議のためです。
  私の役割は,教材選定のアドバイスです。少しお話をさせていただきました。
  ありがたかったのは,現場の先生がとても真剣で,前向きだったことです。
  
  会議終了後,情報教育推進室に案内されました。室長自らが作り上げたソフトを見せていただきました。
  http://www.town.moroyama.saitama.jp/www/contents/1285736768773/index.html
  こちらにアップされています。膨大な量があります。
  パワーポイントで作られているそうです。いったいどうやったらパワポで作れるのでしょうか。ディレクターしか知らない私にはつかみきれない制作の世界です。

  現場で教材ソフト開発をされている先生はたくさんおられます。その中でも,「さすが違うな!」と感じる先生がいます。私の知り合いの中では,佐々木智光先生,金川秀人先生,奥田吉彦先生が群を抜いてすばらしい作品を作っています。アイデアや発想,学ぶところが多いです。毛呂山町でまた優れた教材ソフト開発の先生と出会えました。とても良かったと思っています。

  この日の前日は,医者三昧でした。花粉をキャッチしていたので,今年はしっかりガードをと思い,耳鼻科→皮膚科→眼科と,めぐりました。ですので,毛呂山町への鞄の中は薬袋がいっぱいでした。病院の待ち時間はいつものように読書です。『荀子』を読んでいました。『論語』の時代との違いを感じさせる作品で,なかなか面白いです。

6年の算数ソフト_速さ

  とっても人気のある,速さを体験するソフトです。
  これは,『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』の6年2巻に収録されています。

  このソフトを見たことがある先生に,お話をします。

  「速さ」が,「道のり」と「時間」で決まることは,このソフトを使って,体験的に理解できます。[速さ]ボタンをクリックすると,その式も登場します。
  基本的には,これでとても良い授業が展開できます。

  これに,一つだけ,「押さえ」を加えることができます。それは,「分数」を見せることです。
  上の画面のどこかに分数の線(括線)を引くことができます。すぐに,わかったと思います。先生のお考えの通り,そこに線を引くと,急速にどうやって計算をしたらいいかがわかってきます。これが,「1時間あたり(時速)」という単位量を求める式につながります。

  高学年の算数は,「分数が支配している」と考えても差し支えないほど,分数で考えるとあれこれが「はは~ん,なるほど!」となります。
  具体や半具体と分数を結びつけるようにするのも,問題を解く一つの有力な方法となります。

5年生の算数ソフト/立体図形

  「立体のソフトはないんですか」
  思いもしていかった質問を受け,びっくりしつつ,「立体のような3次元の物をPC画面という2次元にしても,効果は無いと思い,作っていません」と答えました。
  でも,もし,作るとしたら・・・と考え始めたら,もしかしたら,立体でもソフトの方が伝わりがよいことがあるかも知れないと思えるようになり,ちょっと試作してみました。
  特徴をお話しします。
【特徴1】
  頂点をドラッグすると,立体の形が変わる。
【特徴2】
  辺や頂点をクローズアップできる。(右にある[辺]と[頂点]ボタンで)
【特徴3】
  手前の側面と上底辺が透ける。(右にある[桜]スライダーで)
【特徴4】
  「学習」をクリックすると,名称の問題が出てくる。(右にある[学習]ボタンで)

  かなり,あれこれ使えるように作りました。 
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  特徴1の形を変える機能。これは,まさにPCならでは威力です。実物の三角柱で伸縮する物は,まだ見たことがありません。紙などで自作したというのも,私は知りません。実物の伸縮は,実に難しいと思います。

  「三角柱」の「柱」,柱は細長いというイメージがあります。でも,上のような薄べったい形でも,算数では「柱」とみなします。ここを理解することは「実物」と「算数用語」とを結びつける大事な部分となります。画面の三角柱を平べったくして,「これでも柱なんだ!」と力強く言っていただけると嬉しいです。

  そうそう,昔は三角柱といっしょに,三角錐を学んでいました。ですので,両方を比べながら,「柱」と「錐」の違いを授業したことを覚えています。
  
 
  このソフトも,「もっと!算数」にアップしました。無料で使えるので,算数ソフトファンの先生,どんどん使ってください。 

1年算数ソフト_かたちをつくりましょう

  点をクリックして,かたちを作るソフトです。
  赤い枠の中にはいると,鉛筆(小さく緑色に見えているのが鉛筆です)がマウスについてまわります。
  点をクリックすると,その点を起点として青い直線が出てきます。また,点をクリックすると,起点→終点を結ぶ青直線ができます。
  これを繰り返して,形を作ります。

  一応,「1つ戻る」と「この形で決定」と「はじめから」ボタンがあります。

  ちょっとした,「図形かき」ができます。

  このソフトを使うときに大事なことは,算数用語を意図的に使うことです。「点」「線」は自然と使います。これだけでも,良い勉強になります。おまけ的に「直線」も言葉にしておきたいです。
  できれば,「点」には,「頂点」や「端点」という仲間があることも,何かの拍子に話してあげると良いです。
      「頂点」は2つの直線が交わる点です。
      「端点」は直線の端の点です。

  三角,四角を超えて,五角・六角を作る子も出てきます。そんな良いタイミングの時に,「オッ,これは6角形じゃないか! すばらしい!」などと,言葉かけをします。褒められて,嬉しくなると,脳はパカッと開きます。先生の言葉が耳から脳と体全体にしみこみ始めます。良い状態になります。

  このソフトも,さくら社の『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』をお使いくださる先生方のために,「もっと!算数」サイトにアップします。嬉しいことに,無料です。
  でも,まだ,オープンしていないので,申し訳ありませんが,今しばらくお待ちください。

4年算数ソフト_変わり方


  4年の変わり方のソフトです。「変わり方」というのは,「関数」のことです。中学で学んだ「一次関数」とか「二次関数」などの「関数」です。

  「関数」を和風に読むと「数の関わり」となります。数同士が関わり合っている状態を「関数」と言います。ですので,最低でも数は2つ必要となります。
  「関わる」というのは,2つの数の一方が変わると他方も必ず変わると言うことです。変わり方に規則性があっても無くても,関わりがあればそれは「関数」です。でも,小学校では規則的に変わる「関数」を教えます。わかりやすいからです。「典型例」から学ぶということです。

  この「関数」を,小学校ではひらたく「変わり方」と呼んでいます。

  添付の画像は,18本の棒で長方形を作るときの縦と横の関係を題材にしたソフトです。縦と横のペアを見付けて,表にして,縦+横=9という式を作り出します。この式を中学風に書くと,「y=-x+9」となります。「y=ax+b」の仲間です。

  中学の関数で重要なポジションをしめるものとして,グラフがあります。4年生ですからグラフは出てきません。 ですが,関数からグラフを取ってしまうと,理屈ばかりの本を読むような世界になってしまいます。見せられるものなら,できるだけグラフは見せた方が良いです。よく分からなくても,そこに規則性が出ているので,ちょっとした美しさも感じ取れてきます。
  この算数ソフトでは,[桜]スライダーをドラッグすると, 長方形の形が変わるように作りました。長方形の左下が,グラフの原点になるように作っています。ですので,一歩算数を深めたい先生は,右上の頂点が左下がり45度の直線上を移動することを子ども達に話すことができます。

  このソフト,「もっと算数」にアップしました。さくら算数ソフトをご活用の先生,こちらもどうぞご活用下さい。