ルワンダのレストランに入りました。
そう言うところに入ったとき,時々,コカコーラを注文することがあります。
どうと言うこともないのですが,なんとなく,「コカコーラ=アメリカンドリーム」という図式が頭の中にあって,そんな思いでふと注文することがあります。
なにげに,ビンを見たら・・・。
「30cl」と表記されています。
これは,珍しいです!
日本では見ることができません。
なにしろ,商品の品質を表示するにあたってのきまりがあるからです。確か,品質表示規定だったと思います。
この商品はミリリットルやCCで表します,などと決められているのです。
その単位の中に「cl」が入っていないので,メーカーとしてはclを使っての表記ができません。
その結果,日本の中では,このclを見ることができないのです。
でも,ルワンダにはそういう細かいきまりが無いようで,おかげで,この珍しい単位を実際に使っているビンを見ることができました。
「cl」は「センチリットル」です。
「ml」が「ミリリットル」ですから,ml表記より0が1こ少なくなります。
30cl=300ml,ということになります。
ルワンダに行って,ちょっと幸せな気分になった瞬間でした。
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海外関連で知り合いになった方が紹介してくれた本を読みました。
この本『なぜ数学を学ぶのか』は岩波ジュニア新書なので高校生ぐらいが読者対象です。読みやすく,一日の通勤中に読み終わりました。
面白かったのは,「数学の本質」です。
それは2つあり,「論理性」と「自由性」です。
その説明の後,ずばり,次のように記しています。
「数学の世界」というのは「論理のうえに成り立つ自由な世界」
こういう見方はいいですよね。自由というのは規則が明確になっているから成り立っているということがわかるからです。
算数でも同様のことが言えます。
棒グラフや折れ線グラフを学んだ人は,新聞のグラフを見ても,縦軸・横軸などから中味の様子が大方伝わり,「そう言うことだったのか」などと,そのグラフから自分なりに考えたり,感想を持ったり出来ます。でも,学んでいない人はそうはいきません。「わからない」という壁ができるだけで,グラフから得る自由な思いを体験できません。
算数は数学より生活に近いため,算数の規則性を学ぶことで,日常の多くの共通認識を会得し,さらにそれを一瞬で理解するようになります。そこに自分のこれまでの体験が関わりを持ち,自由な思いを巡らせることが出来るのです。
算数を学ぶと言うことは,言い換えれば,頭をより複雑により高度に自由に巡らせられることなのです。これは,脳の解放と言ってもいいと思います。
この本は,論理性と自由性の後,証明・論証などの話へと進んでいます。
その方面が気になる方は,ぜひお読みになってみて下さい。
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明日は「チーム算数」開催日です。
終わって一休みしたら,ルワンダへ出立です。
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さくら社にルワンダ人のお客様が来ました。
ハッピー ブザアバさんです。
日本の大学院に留学中で,目下,博士号取得に向けて頑張っています。
日本に留学する前は,ルワンダのIT企業に勤めていました。ですので,その方面は詳しいです。
そんな話もしましたが,私の関心事は,「指を使った数の数え方」です。
「日本ではこうやるけど,ルワンダではどうやるの?」と尋ねたら,1~10までの数え方を実演してくれました。
まずはてをグーにします。ここまでは日本と同じです。
日本では人差し指が立ちますが,なんと,ルワンダでは小指が立ちます。それが1です。
その次には薬指を立て,2となります。
以下同様にして,10まで数えます。
基本は右手で5まで数え,6からは左手となります。
初耳のやり方で,私は感動島倉千代子でした。
バングラデシュの20までの数え方をやって見せたら,「それはやらない」と言われました。その時のハッピーさんの顔が何とも言えずいい顔でした。
写真は,算数ソフトをクリックしているときのハッピーさんです。
楽しそうですね。
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算数ソフトを活用されている先生,今年度もバリバリと,楽しい算数の世界へ子ども達を導いて下さい!
私のお気に入りは,ダウンロード版です。
購入してダウンロードさえすれば,その後はネットにつながっていなくても使えるからです。
途上国へ行くときは,いつもダウンロード版を持って行っています。
とにかく便利なので,まだ考え中の先生は,とりあえず使ってみることで決断されることをお勧めします。
教室で子ども達に見せた瞬間から,子ども達は大喜びします。
バングラデシュへ行ったとき,5,6本のソフトをご披露しました。
右のソフトもその中の一つです。
ピンクの「クリック」ボタンをクリックすると,問題の数がどんどん変わります。
次々に数が変わる様子を見て,バングラデシュの方々は「びっくり!」となりました。
その後,「最初の数をなぜ800と読むのか」と問いを発し,少し間をもって,数を上にドラッグしました。
見ていた方々は全く予期できなかったので,数が位ごとのカードとして分かれた瞬間,呆気にとられていました。
さらに,このように仕組みが見えている状態で,「クリック」ボタンを押しました。
この状態で数が変わります。
「これなら,わかる!!」と,非常に感心していました。
途上国では,小学校に入学しても,卒業できずに,途中で退学をする子がたくさんいます。
その主な理由は2つ。
1,経済的理由
2,勉強についていけないため
特に2は算数がネックとなります。
積み重ねの学習のため,低学年で落ちこぼれるとその先は全くわからなくなります。
私が算数ソフトを途上国に広めたいと思うのは,2の理由で小学校をドロップアウトする子がいなくなるようにしたいからです。
国民全員が算数を理解すれば,算数に含まれる「数理的平等」「数理的公平」を国民が共有できるようになります。みんなが納得した状態で平等・公平を感じることが出来るようになるのです。
その先に見えてくるのは,平和です。
同じ国家を形成するなら,平和な国家が一番です。
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大阪での2つ目のお話は,算数ソフト。
少し見せてから,会場の皆さんが見たいところを見ていただくことにしました。
その中で,「5年生の割合」というご希望がありました。
ソフトを開きつつ,「算数の一つの単元は,新しい考え方の学習なんだ!」という様なことを思いつつ,1つめのソフトを開きました。
「01A,割合/理解/試合でよく勝ったのは,どっち?」です。
このソフトでは,AチームとBチームの,試合数と勝ち数を自由に設定できます。
右のように,
Aは8試合中4勝
Bは4試合中3勝
と設定しました。
画面に出てきた「星取り表」を見て,良く勝っているのはどっちなのか,考えます。
勝ち数では,Aの方が勝っています。
これが既習の比べ方です。
でも,全体でみると,Bの方が勝っているように見えます。
それをどうやって示すか。
ここが,ソフトの腕です。
「?」マークのクリックで,一瞬で,横幅が等しくなります。
すると,Bの方の1勝は,Aの2勝分の幅をもっていることがわかります。
この全体をそろえる比べ方が割合なのです。
この新しい比べ方を,計算でわかるようにするのが,割合の学習なのです。
そんな話をしました。
ほんの少しですが,算数への理解も深まり,また,ソフトのパワーも感じていただけました。
会場の先生方皆さん,算数ソフトを使いたいと手を挙げて下さいました。
ありがたいことです。
子ども達もどんどん理解が深まり,算数力が総合的にアップしますね。
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『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』には,クラウド版・ダウンロード版があります。充実しています。ぜひ,ご活用下さい。
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3日の日曜日,大阪で笑いのセミナーに参加してきました。
会場に着くや,「さくら社のこの本,いいでですね。同僚に広めています」と言われ,良い本を出せて,本当に良かったと思いました。
この日のテーマは「笑いのバロメーターを吹っ飛ばせ!1年中大爆笑するクラスの作り方セミナー」でした。
最初は,算数の授業事例。
いつもなら,事例を示して,すぐに次の事例を話すのですが,今回は「笑い」だったので,何が笑いを誘っているのか,ほんの少し考えてもらいました。
そうしている内に,せっかくだから,「算数の思想」について話しました。
これが,思いの外,好評でした。
「算数に思想がある」なんて,誰も思っていません。
算数は淡々とした内容なので,基本は無機質のように思えます。
そう思うのは,学校での指導内容が算数の結果を対象としているからです。算数の生まれ育ってきた過程までは踏み込んでいないので,先生方の教材研究の目には,算数の思想までは映し出されないのです。
しかしながら,算数も人類の長い歴史の中で生まれ育ってきた一つのジャンルです。
突発的に生まれることはなく,それなりに人類の生活のあれこれがあって,算数も生まれ,育ってきたのです。
そんな観点で算数を見ると,算数の思想が見えてきます。
それは,「平等」や「公平」の思想であり,その目指す方向は「平和」なのです。
今回は,3年生の円の導入の演じました。
直線が否定され,四角が否定され,楕円が否定され,みんなが納得したのは円だったという流れです。
その後,「平等の思想」と話したので,参加された先生方はとてもよく納得いました。
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大阪の会場に,栃木県から参加してきた先生がいました。
「なんで大阪までわざわざ・・・」と聞いたら,近い将来,後進国の小学校で教鞭を執りたいのだというのです。それでその道を歩んでいる私の話を聞きたいと思ったのだそうです。
「徳は孤ならず,かならず隣あり」(論語)
まさに,そんなことを感じた一瞬でした。
偶然ですが,会場には海外理数科教育の会社の社長さんも参加していました。
小野口先生との交流も深まりました。
日本の教師が海外で教育支援をすることは,そのこと事態が「平和な国家作り」の基となります。大いに交流を深めたいと思います。