Category Archives: 友人知人

ハイチの算数

キューバの隣の島にあるハイチから帰国した光長氏と一献傾けました。
飛行機の長旅で到着したその日に会ったのですが、さすがは光長氏。極めて元気でした。

ハイチでは、日中でも、用のない時は外出できない状態で、欠かさず行っていたジョギングも全くできなかったとのことでした。

算数のことも少し聞いてみたら、驚きの話をしてくれました。
お金を見せてもそれがいくらであるのか、スパッとは分からない現実があると言うことです。
100グールド紙幣2枚。
10グールドコイン数枚。
1グールドコイン数枚。
5年生の子に、これらを見せて、いくらなのか聞いたそうです。
しかしながら、スパッとは答えられなかったそうです。
100グールドを見て、その100を数えているのです。
信じがたい姿です。

ルワンダやケニヤでは、3+4の計算をする時、○○○ ○○○○とか、/// ////などと、書いて、それを数えて答えを出しています。
アフリカのニジェールなどでも、同様です。
そして、この日、中央アメリカのハイチでも同様であることを知りました。

「数える計算」(目の子算)は、途上国の定番のようです。
10,20,30・・・とか 100,200,300・・・と 数えられない状態。
何とかしたいですね。
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宮内主斗先生の『子どもが育つ5つの原則』、本日発売日

今日は、宮内主斗先生の新刊『子どもが育つ5つの原則――特別支援教育の視点を生かして』の発売日です。
嬉しいですね。

宮内先生の出版記念、「子どもが育つ5つの原則」セミナーが茨城で開催されます。
今月の29日です。
お近くの先生、ぜひ、御参加下さい。
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ルワンダの情報もいろいろといただいています。
私の注目は、やはり新指導要領です。

ルワンダでは、4年生で「負の数」が出てくることになりました。
その教科書を見ているのですが、かなり、色濃い勉強をしています。

負の数は、日本では中1からです。
学習環境の整っている日本でも、中1で扱うほど、理解しにくいのが負の数です。
環境が残念な状態にも関わらず、「4年で負の数」を教えていくルワンダの教育、その意気込みを感じます。

しかし、負の数を理解させていく指導は、なかなか難しいです。
そこをどうやってクリアできるようにするか。
今、そんなことを考えています。
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ケニヤの悲惨な学校

ケニヤの長沼氏から、ケニヤの学校の悲惨なニュースが届きました。

校舎がひどいのです。
屋根は大きく隙間が空き、窓は枠しかありません。
作った当時はキチンとしていたのだと思いますが、風雨にさらされている内に、壊れていったのでしょう。
それを修繕をする費用がなかったのでしょうね。かわいそうです。

教室内もすさまじいです。
机や椅子があるのはまだ良い方でした。
床が地面なので、石に座って地面に指や棒で字を書いて勉強している学校もありました。

「なんという状態なのだ」と思っていたら、これでもまだ良い方で、大きな木の下に黒板を立てかけ、そこで授業をしている学校もありました。

さくら社の取り組みは、こういうすさまじい学校までは届きませんが、長沼氏らと共に、ルワンダの教育改善に大きな夢を持って取り組んでいきたいと思っています。

明後日は、同じ夢を抱いている光長氏がハイチから帰国します。
一献傾けつつ、ハイチの教育情報をいろいろと聞きたいと思っています。
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城ヶ崎滋雄先生と

城ヶ崎滋雄先生とコーヒー。
他愛もない話しで2時間があっという間に経ちました。

いつもながら、道徳の話しが多めでした。
私と話す道徳ですから、「道徳読み」が中心になります。
城ヶ崎先生にとっては、「道徳読み」はとても感覚にフィットしているそうです。
そうだろうなと思いつつ、道徳の「学問と心の話」を少ししました。
これは、「学問と徳性の話」とは別の話です。

どんな話をしても、城ヶ崎先生は飲み込みが良いですね。
古武道の達人だからでしょうか。
武道にたとえて、「武技」と「人間技」に対応させた道徳の話しをしましたが、こちらもすんなり伝わりました。

今回は珍しく、近未来の教育も話しました。
時代が変わっても言えていることは、こっち側にいつつも、向こう側にも行ってみたいと思うかどうかです。
そう思える人は頼もしいですね。

アフリカの話もしたのですが、大事なところを語っていませんでした。
自らの力を信じるのと同様に、応援をしてくれる人の存在に気づき感謝することです。
そういう人生でありたいものです。

私が道徳の話しをする予定を記します。
◆5月13日 第10回 野口塾ビギナーズセミナー記念大会
◆6月10日 第2回 主張ある道徳授業を創る!
◆6月25日 授業道場 野口塾in大阪

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良い姿勢で、友だちを待てる子

11日は、宮内主斗先生の『子どもが育つ5つの原則――特別支援教育の視点を生かして』の発売日です!
楽しみですね!!
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◆ 「速く終わった人は、良い姿勢で待ちましょう。」

私が若い頃、「空白の時間を作るな」という指導が広がりました。
「なるほど!」と思った私も、その指導を取り入れ、速く終わった子には次なる課題を与えるようにし、「何もしない時間」を作らないように努めていました。
最初の内は、なかなか面白く、「指導はこうでなければ!」と思っていました。

しかし・・・。

次第に、妙な感触が自分の中に湧き上がってきました。
「どうにも、せわしない。」

あれこれ思いが巡り、良い姿勢で待つ指導に切り替えました。

得られた効果は、「落ち着き」でした。

私が小学生の頃、習字の時間が始まると、黙想が行われていました。
心を落ち着かせてから、取り組むためです。
墨を硯でする時も、黙想の延長として黙って行います。
先生は、小さな声で「心を落ち着けましょう」「落ち着いていますか」などと言葉かけをしてくれていました。
腕白だった私も、このときは、しおらしくしたものでした。

「落ち着く」というのは、浮ついた心が本来あるべきポジションに落ちて来て、くっ着くことです。
心はちょっとしたことで、ホームポジションから離れて、ふわふわ飛んでしまいます。
姿勢良くしている時に、軽く深呼吸をして、友だちを待てる心づくりができたら、いいですね。
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感動してますか?

昨日、御紹介した羽鳥悟先生の「日本人を育てる教育実践研究会」通信。
申し込まれた先生もおられるかと思います。

その50号が3月に届きました。
記念すべき50号のトップ記事は、「第2回 主張ある道徳授業を創る!」~イベント紹介、です。
そこに、第1回の簡単な感想が記されています。
深澤久先生の話、鈴木健二先生の話への感想。
私のことも掲載されています。
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 横山験也氏が道徳教育を語りました。私はてっきり作法のお話かと思いましたが全く違いました。氏が語ったのは「道徳読み」でした。会員の皆様は「道徳読み」をご存じですか?私は初めて伺うお話でした。第1回の参加者も皆初めてだったと思います。是非次も聞きたくなりました。
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昨夜、その「道徳読み」で「ブランコ乗りとピエロ」(『私たちの道徳 小学校5・6年』文部科学省)をちょっと教材研究しました。
随所に、大事な道徳が潜んでいますね。

・「信(頼)の図」も教えたいですね。
・「3つの親不孝」も話したくなります。
・「寛容の図」も示したいです。

「道徳読み」で教材分析をすると、こういう道徳の学問として学ぶべき事が見えてきます。
見えてきた道徳の学問を我が身に照らすと、そこに大きな感動を得ることができます。
「ああ、ブランコ乗りに教えられたな」
「ああ、ピエロからも同じ事を教えられた」
「おお、サーカス団の皆さんからも教えられた」
こういった感動は作品を読んで素直に感じる「作品感動」とは別物です。
いわば、道徳の学問から感じる感動ですので、「学問感動」です。

「道徳読み」に関心のある先生、次の2つの講座でお話をしますよ。

・「第10回 野口塾ビギナーズ記念大会」5月13日(土)東京
題材:「ブランコ乗りとピエロ」
→→ http://kokucheese.com/event/index/461945/

・「第2回 主張ある道徳授業を創る!」6月10日(土)埼玉
題材:「あとかくしの雪」
→→ http://kokucheese.com/event/index/453805/

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道徳は論語ですね。
日めくり論語を教卓の上に置くと、漢方薬のようにジワーッと効いてきますね。
新年度、新しいクラスの教卓にいかがですか。
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