Monthly Archives: 9月 2016

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悲しいお知らせ

悲しいお知らせを致します。

平光雄先生がお亡くなりになりました。
謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

お葬式の御連絡を致します。
通夜:9月17日(土)午後7時より8時
告別式:9月18日(日)午後1時30分より2時30分
式場:八事山興正寺 光明殿
(問い合わせ:名古屋典礼株式会社 0120-8510-57)

私はお通夜に参列させていただき、最期のお別れをと思っております。
残念でなりません。

平先生と出会ったのは、今から30年もの昔です。
それから四半世紀、それぞれの道を歩んできたのですが、平先生がネットで私を見つけてくれ、久しぶりにお会いしました。
落ち着いて話をするどっしりとした紳士。それがその時の印象です。
お話を伺うと、教育の技術研究とは別に、人間性を高めることにエネルギーを注いでいたと語ってくれました。
その話の中身が充実していたので、その後、さくら社から『究極の説得力』を出させていたできました。
それから1年もたたない内に、平先生は『道徳の話』を出版され、道徳や人間力で引っ張りだこになりました。
忙しくなっても、図書館をオフィス代わりに学び続けていたのが平先生です。
いよいよ円熟され、人間力を高める指導者としての道を着実に登られている最中・・・・。
早すぎます。
実に残念です。

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「目の子算」から「暗算」へ

以前から、気になっていたことがあります。

頭の中で計算するのは「暗算」。
では、○や/を書いて計算するのは、何と言うのだろう?

ルワンダに限らず、途上国では、3+4を暗算でしないで、○や/を書いて計算しています。
このやり方にも何か名称があるだろうと思っていたのですが、自分の頭の中には用語がありませんでした。

b7456ところが、つい先日、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』を少しだけ読みました。
そうしたら、そこに出ていたのです。
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ト五文ヅツ、ひとつひとつにかぞへてめのこざんやうにひったくられ
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「めのこざん」の所に注釈が立っていて、「眼算(まなこ)の転か」とありました。

この「目の子算」という言葉、今はもうすっかり使われていません。
ですが、辞書で調べると、戦国時代や江戸時代には使われています。
貨幣の流通に合わせて発生した言葉のように思います。

貨幣は今も使われていますが、目の子算という言葉は消えました。
これは、明らかに小学校教育の影響でしょう。
1桁のたし算・引き算は暗算でできるようにと教えられているからです。

こういう事が分かってくると、途上国で3+4をする時、○○○○ ○○○と書いてから、それを数えて答えを出すやり方が、戦前、あるいは明治以前のやり方のように思えてきます。
たかが1桁のたし算引き算ですが、ルワンダの子ども達を「目の子算」から「暗算」へ移行できたら、それは歴史的大ジャンプとなりえると感じています。
やりがいのある取り組みです!
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藪田先生が人工知能の本を読んで見いだした指導法

算数ソフトを使って、とても良い成果があったと、藪田先生からメールをいただきました。
単元は、4年生の「大きな数」です。
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学年を4グループに分けたうちの下から2つ目のグループ(19名)を受け持ちました。
単元末テストの結果は85点2名、90点2名、95点9名、100点6名でした。

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平均点を計算したら、95点です!
下から2つめのグループで、上からは3つめのグループが、平均点95点。
これは、実に素晴らしい成果です!!

点数の成果も素晴らしいのですが、今回は、藪田先生が驚きの指導をしていました。
そこをご紹介します。
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『人工知能は人間を超えるか』に出てきた「人間は特徴量をつかむことに長けている。
何か同じ対象を見ていると、自然にそこに内在する特徴に気づき、より簡単に理解することができる。」

ということを頭において学習を進めました。
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「特徴量」「内在する特徴」
これですよね。
同じ対象を見ているというのは、似たような問題を何問かこなしているとと言うことです。
すると、人間はそこに内在する特徴(きまり)に自然に気づくということです。
こんな風になっているんだ!と気がつき、理解が進んでいくのです。

人工知能の本を読んで、特徴のとらえ方に注目をした藪田先生、さすがです!!

さらに、ここから藪田先生は画期的な指導法に気がつきました。
それは、「気づいた特徴を何度も尋ねる」ことでした。
ちょっと長くなりますが、引用します。
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10倍100倍・10でわった数は何度もソフトを繰り返し見せました。
その後、10倍の時は(100倍の時は・10でわった時は)元の数がどう変化するのかを聞きました。

b7458何度も変化する様子を見ているので、0が1つつく(2つつく・1つ減る)という法則に気づくことができました。
最後に1円玉が10枚でいくら?
10円玉を10個にわけるといくら?
などと簡単な数で抑えをしておくと、特に何の助言もなしに教科書問題を解いていました。

数直線の問題も06Bのソフトを繰り返し見せました。
06Bの1〜4は1万ずつ増減する問題、5・6は2万ずつ増減、7・8は5万ずつ増減するソフトです。

1〜4までを見せながら、まずは子供に答えさせ、その後なぜ答えが分かったのかをしつこく聞きました。
「わかっている数を隣どうしで比べると1万違っているから」
「2目盛で2万増えているから、1目盛は1万」
と、いくらずつ増えているのかを気にしだしました。

5・6・7・8のソフトに取り組むとき、最初は1〜4と同様に1万ずつ増減するだろうと予想して間違えてしまう子もいましたが、いくらずつ増えているのか聞きなおすことで注意すべきことが分かったようでした。
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赤文字にしたところが、気づいた特徴を尋ねているところです。

ソフトから出てくる問題を何問も繰り返し行っている子の頭の中には、何かしらの「特徴」が発生しています。
ただ、その特徴は頭の中にいるときは、ぼんやりとしています。
それを藪田先生は誘い出すように、言葉にして出させています。
ぼんやりしていた特徴が、言葉にすることで明確になります。

ソフトで量をこなし、
先生が特徴を引き出し、明確にする。
子どもが自分で理解をしていく授業です。
藪田先生のこの指導いいですね!!

こういう指導法が進められていること、実にうれしいです。

授業では、ソフトの他にも、手作り教材なども使い、楽しんで取り組んだそうです。
その結果、見事、平均点が95点となりました。
すばらしいです。
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『デジタル思考ツール』新発売!

b7460関西大学初等部式思考力育成法の本がこれまでに4冊出版されています。

◎指導法の基本的な考え方から〈第1弾〉理論編
『関大初等部式 思考力育成法』

◎思考ツールの意味、使い方を〈第2弾〉実践編
『思考ツール』

◎日常の教科学習で活用を〈第3弾〉教科活用編
『思考ツールを使う授業』

◎研修・勉強会に最適〈第4弾〉導入ガイド
『関大初等部式 思考力育成法ガイドブック』

4部作も出版されてきたのは、それだけ関西大学初等部の思考ツールを使った授業が子ども達の考える力を引き出し、予想を超える素晴らしい成長へと導いてきたからです。

その間、
「思考ツールはソフトにならないの?!」
「校内で、思考ツールをよく知らない先生にも使ってもらえるようなソフトがあったら!」
とお声をいただいていました。

初めて取り組む教室・学校でも、思考ツールを使う考え方にすぐになじんでもらえるような、そんな関大初等部式の思考ツールのソフトがついにできました。
デジタル思考ツールです。

ドラッグドロップだけの簡単操作で、しかも楽しい。
楽しく考えている内に、思考ツールについてしっかり学ぶことができます。

詳しくは、下記のリンク先をご覧下さい。
関大初等部式思考力育成法をあなたの教室で『デジタル思考ツール』登場!
やってみよう!アクティブ・ラーニング
デジタル思考ツール

対応端末は、Windows , Mac , iPad , Androind 。
学校の環境に合わせて、使えますね。
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JICAに記事が

うれしいニュースが届きました。
フェイスブックのJICAの9月7日の記事
ここに,ルワンダでの英語版算数ソフトIMを使ったブートキャンプのことが載っていました。

b7461全文,英語ですので,私にはすんなりとは読めません。
グーグル翻訳を使って,なるほどと思う程度にしか読めていません。
それでも,確かに記事になっていると伝わります。

何よりもうれしいのは,JICAを通じて行っているルワンダでの活動を,日本のJICAが記事という形で紹介して下さったことです。
来月,もう一度,ルワンダに行きますが,さらなる期待に応えられるよう,奮励したいと思います。

詳しい記事は↓をご覧下さい。
https://www.facebook.com/jicapreng/?hc_ref=PAGES_TIMELINE

写真はルワンダのビルから見た風景です。
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佐々木先生がつくっている「日本基礎学習ゲーム研究会別館」のサイトがリニューアルしました。
楽しい学習ゲームがいろいろと掲載されています。
関心のある先生,ぜひ,ご覧下さい。
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「チーム算数」開催しました!

昨日は「チーム算数」の日でした。
城ケ崎先生,佐々木先生と私の3人です。

城ヶ崎先生が活躍しているのでその話しをいろいろと聞きました。
私の体験したことのない世界を,どんどん開拓して行っている姿は,とてもうれしいものがあります。
社長さんなどが集まっていた会場で2時間ほど話したそうです。
話しの後には,たくさんの方が詰めかけ,「感動しました」と握手を求められたそうです。
うれしいですよね。

佐々木先生からは,メルマガ「ぼうけん」の原稿が提案されました。
すぐに使えるソフトを各種紹介してくれ,また,学習ゲームも盛りだくさん。
社会が専門で,国立歴史民俗博物館で提案発表や子ども達の課題研究の相談役を行ったりしている先生とは思えなほどの多才ぶりに,いつも驚かされています。

b7464今回は,SNSが少し話題になりました。
「言を慎む」というのが,それなりの人のとるべき姿勢なのですが,書いてはまずいだろうということでも書いてしまう先生がいるようで,いささか自制心をもって欲しいと思いました。

と,このように人の勇み足を見て,それはちょっと・・・と思うのは誰でもできることです。
大切なことは,そう言う事例を知って,「自分にもそう言うところがあるだろう」と,吾に照らし,自らを少しでも反省することです。
話をしつつ,少し恥ずかしいと感じることができました。

家に帰ると,相模原で開催されている野口塾の懇親会会場から電話がありました。
内田先生が私のことを話題にしてくれていたようで,「あの人は,今」状態だったようです。
気に留めてくれる人がいてくれ事は,ありがたいことです。
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