Category Archives: 道徳

「道徳のそもそも論」000「教育とはどろぼう」

「教育とはどろぼう」と言うところまで、前回書きました。
これだけを読むと、「そんなわけ無いだろう!」「こいつはアホか!」と思われそうです。
誰も、「教育はどろぼう」だと言っているわけではありません。
「そもそも教育とは?」と問われた時のヒントが、「どろぼう」だったのです。
それを縮めたら「教育とはどろぼう」となり、実際にそれがフレーズの頭になっています。

正解は、「教育とはどろぼうに入られても、取られないものを培うこと」となります。
教えること、教わること。それが如何に大事なことなのかが、この簡単な1文で伝わります。
しかも、短縮フレーズが「教育とはどろぼう」ですから、印象的です。

ありがたいのは、こういう言葉を学んでおくと、万一、泥棒に入られたとしても、それ自体は大黒柱を揺るがす事ではないことにも気がつきます。
動じにくくなりますね。
道徳という学問は、少々のことでは動じないしっかり者を育てることなのです。

「教育とはどろぼう」に、納得した人はたいてい頭の中であれこれうごめきます。
それを少し語ってもらいました。

印象的だったのは、佐々木先生の「知徳体、全部がそうだ!」という言葉でした。
さて、皆さんはこの言葉から何を感じられたでしょうか。
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人事異動のシーズンですね。
嬉しいニュースをいろいろ聞いています。
良いですね!!
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チーム算数開催! 道徳の「そもそも論」は面白い!

「チーム算数」開催日でした。
いつもの4人(城ヶ崎先生、佐々木先生、藪田先生、私)が3時間休む間もなく語らい続けます。
井戸端会議と何が違うかと問われると、どうにも返答のしようがありません。
非常にぬるい教育サークルなのです。

今回、嬉しかったのは、佐々木先生が「そもそも論は面白い!」と太鼓判を押してくれたことです。
そう言う嬉しい一言をいただいたので、そろそろ、道徳の「そもそも論」をノートにまとめようと思います。
番号を付けていくのですが、その000番は「教育のそもそも論」です。

Q そもそも教育とは何か?

こう問われたら、皆さんはいかがお考えでしょうか。
佐々木先生が「教え育てること」と答えました。
これ、いいですね。
漢字を訓読みしています。
こういう答えがスッと出るだけでも、「さすが!」となります。

ですが、私がわざわざ問いを出しているのですから、訓読みレベルという訳にはいきません。
少々、批判的に書けば、「おしえる・そだてる」という訓読みは誰でも知っている上、返り点を使うなどの妙味もありません。
ですので、「ああ、なるほど!」と感動を呼ぶことはありません。
頭に少し響く程度の答えなのです。
いい線行っていますが、常識の範囲となります。
大事なことは、「心に落とす」回答を出すことです。

皆さん、考えあぐねていましたので、ヒントを出しました。

ヒント: どろぼう

「教育とはどろぼう」がヒントです。

これは、ミラクルのヒントです。
こんなヒントが出るのですから、そもそも問いの正解が常軌を逸しています。
ですので、最初から誰もわかるはずがない解答を私は用意していたのです。

このヒントを出してからのメンバーの回答は、城ヶ崎先生が3点。佐々木先生がマイナス100点。藪田先生には点数を付けていなかったと思います。
佐々木先生の答えは、全くダメな答えなのですが、ダメもきわまれば正解に近くなります。その逆を考えれば、正解に届きます。
思考の一発逆転が生じます。

正解を話したら、城ヶ崎先生も佐々木先生も藪田先生も、大納得。
それも、かなり強烈に響きました。
そうして、佐々木先生の「そもそも論は面白い!」のお言葉に至った次第です。

これを道徳の「そもそも論」ノートを作った時の、000番のページに書く予定です。
001番のページは、「人の図」。
002番は、「人と自分の図」。
以下、「主張ある道徳授業を創る!」で40分間お話をした道徳の「そもそも論」の内容を続ける予定です。
その後には、私の「まめノート」に記されている中味が続きます。

そうして、何番目になるのか分からないのですが、今日は「潤いの図」を発表しました。
この図を見て、佐々木先生はがつんと来たようで、「正・反・対偶」論を話してくれました。
切れ味抜群です!
「そもそも論の図は、見る人の思考を活性化する!」
これは大発見!とにこやかな気分になりました。

もう一つ話したのが、「貧乏の図」です。
道徳を専門に学んでいる先生は結構いますが、貧乏を教えられる先生はほとんどいません。
「貧乏の図」についても、佐々木先生は図を見ながら、すぐに講釈を始めました。
今日の「チーム算数」は佐々木先生の講釈が光っていました。
藪田先生には後学のために、「貧乏の図」は「易経」に依っていることを話しました。

何度も書いていますが、道徳思考の基本は論語です。
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城ヶ崎先生からは、関東学院小学校で2時間講演をするので、それについての話しをしてもらいました。
また、今後の著書の話しもあり、濃い内容でした。
佐々木先生からは、プログラミング学習にフィットする無料アプリの紹介がありました。
藪田先生からは家訓教育の手応えの話しがありました。
一つ一つがヘビーです。

次会のチーム算数開催日は、4月15日になるだろうと思っています。
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南平小学校で、「人生において大事なことは・・・である。」

◆今度の日曜日は、野口塾in横浜です。
4,5年ぶりでしょうか。久しぶりに参加してきます。
一般参加ですので、のんびりしてきます。
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◆4年生30人に20分間、外国語活動の授業をしていた時のことです。
外国語活動のパッケージ6巻を机の上に置き、子ども達に見せました。
1~3巻は5年生用。
4~6巻は6年生用。
珍しい先生との勉強なので、子ども達のやる気は高まっています。
ですので、6年用の5巻を使うことにしていました。

5巻に決めるところまでも、子ども達と楽しくやりとりをしたので、ちょっと格言を言っておきました。
「人生において大事なことは、背伸びをすることである。(時々)」
こう言い、さらに「ノートに書いておく!」と付け加えたら、ものすごい勢いで書いていました。
その意気込みが立派だったので、私はさらに付け加えました。
「背伸びをするその時は時々しか来ませんが、今、その時がやってきました。
今こそ、ちょっと無理してでも頑張る時なのです!」
そんなようなことを言いつつ、「熱血指導は子ども達に伝わるなぁ」と思った次第です。

授業を参観することがたまにあるのですが、熱血系の授業というのはメッタに見ることができません。
参観者がたくさんいるからか、極めて品の良い授業が展開されます。
それが普通なので、それでよいのです。

ただ、子どもというのは「人生最大の伸び盛り」を生きています。
基本的に熱を持っています。
その熱を刺激する授業も私は好きです。
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感想集「主張ある道徳授業を創る!」、冒頭がすごい!

「主張ある道徳授業を創る!」の感想が届いています。
皆さん、しっかりと書いてくださり、ありがたい思いでいっぱいです。

私についての感想は22ありました。
その内の10の感想の冒頭に、私の話し方のことが書かれていました。
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・横山先生の語りに一瞬で惹きこまれました。(以下略)
・横山先生は、軽快で明るい雰囲気で、会場の空気を一変させる。(以下略)
・初めて横山先生のお話を伺った。なんでもないような話の入り方から、あっという間に聴衆をとりこにしていた。(以下略)
・軽妙な語り口で横山先生の話にどんどん引き込まれていきました。(以下略)
・横山先生の圧巻の話術、授業?講座スタイルに度肝を抜きました。(以下略)
・横山先生の語り口調、受講者とのからみ、先生の口から紡ぎだされる想像を裏切る言葉の数々。(以下略)
・おっもしろい!軽い口論の底にびしっとしたことが通っていてとても良かったです。(以下略)
・横山先生のしゃべるテンポと内容、切り返しにどんどん引きこまれていきました。(以下略)
・(略)ぐいぐい引きつけられる語りにあこがれます。(以下略)
・いつも通りの楽しい語り口で、面白かったです。(以下略)
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私の話し方について、これだけ多くの方々が書いて下さったということは、その面白さが、よっぽど珍しかったのでしょうね。

話し方のような芸事は、昔から教わるものではなく、盗む(真似る)ものと言われています。
何をどうすると一つ一つ順を追って学ぶ前に、手振り身振り、口調、顔つきなど、「こんな感じだったよなぁ」と、自分から学び取ろうとする心がけることです。
真似ている最中に、技術的なことを教わると、「あっ!そういうことか!」と腑に落ちてきます。

セミナーから1か月ほど経っています。
もしかしたら、継続的に私を真似ている先生がいるかもしれません。
その先生のために、技術的なことを一つ。
「個人に強めに話しかける。」

全体に話しかけると、それがしばし続くと、子供たちの中には頭の中がぼんやりしてくる子が出てきます。
集中力が落ちてくる前に、一人の子に話しかけます。
すると、その子は目覚めます。
個人に話しかける効能は、その子の目を覚まさせるところにあります。

さらに、私の場合は、少々強めに話しかけます。
先生が一人の子に話しかけていると、周囲の子は、それが何の話なのか気になってきます。
先生とその子のやり取りを聞き逃すまいと、耳を強く働かせてきます。
自然、口は閉じます。
これ、まるでテレビ番組を見ているような状態なのです。
子どもはたいていテレビが好きです。
その好きなテレビを見ているのと似たような状態を教室で作るのですから、「面白い」と感じてしまいます。

私はこれを多めに行うので、他の先生の講座とは雰囲気が違ってくるのでしょうね。

私が研究していることは、内容の重い道徳をできるだけ簡単明瞭に伝えていくことです。
そのためには「軽妙」が必要です。
軽妙というのは、軽いけど妙(すぐ)れているということです。

先生方の感想を読むと、軽さは及第と感じられてきます。
でも、妙がまだまだ未熟です。
もう少し、頭が良くなるよう努めねばなりませんね。

「第2回 主張ある道徳授業を創る!」は6月10日(土)です。
道徳に加えて、話術もついでに!と思う先生、ぜひ、御参加下さい。
私は午後の講座Ⅰで40分お話しします。
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『授業参観日事典』が24日に発売されます!!

大好評の『所見辞典』に続いて、『基本からわかる 授業参観日事典』が3月24日に発売になります!

『所見辞典』を初めて読んだ時、指導要領から考えて、通知表の言葉を書くという考え方に驚かされたことを覚えています。
ですので、中味がしっかりしています。ロングセラーの本です。

同様に、新しく出る『参観日事典』では、「それでも先生???」と思われてしまうことが意外にあることを思い知らされます。
先生たる人の姿、その基本が学べ、親が納得するような授業のポイントも盛りだくさん載っています。

良い本をまた一つ世に送り出せます。
「友、遠方より来たる」ではありませんが、これは嬉しいことです。
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嬉しいことと言えば、先週、ルワンダでの案件化調査でお世話になっているJICAへ行き、勉強会でお話をさせていただきました。
ルワンダでの調査がすこぶる良い成果だったからです。

何と言いますか、人生で大事なことは、「報恩」です。
お世話になっている人や機関からお願いを受けることは、まさに恩に報いる時となります。
そう言うチャンスに恵まれことは、まことに誉れです。
良いことが続いている3月です。
こういう時こそ、論語を読む時です。
心が浮つかないように、ちょっと身を引き締めました。
姿勢も改めて良くしました。
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来週の土曜はSG会!課題図書は『議論を逃げるな』です!

前田康裕先生の『まんがで知る教師の学び 2』が、アマゾンの学校教育部門で1位になりました! 皆様の応援に感謝しています!!
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来週の土曜日は、明石先生のSG会です。
今回の課題図書は、宇佐美寛先生の『議論を逃げるな――教育とは日本語――』です。
レポーターは、付属中の桐島先生です。
どんなレポートになるのか、とても気になるのですが、当日、私は参加できません。

また、この日は、滝澤先生が「道徳読み」の実践レポートを提案されます。
こちらも、気になります。
でも、話を聞くことができません。

まあ、こういう事もありますね。

滝澤先生が発表される「道徳読み」の題材は「あとかくしの雪」と思います。
この「あとかくしの雪」は、いろいろと道徳がちりばめられていて、面白い作品です。

私が、かなり高いレベルで注目をしているのは、「貧乏」です。
好きこのんで貧乏になる人はいません。
でも、自分の意志とは無関係に、貧乏になってしまうことがあります。
特に、今の子は6人に1人が貧乏と統計で言われています。
ここに向き合うのは道徳の役割と私は思っています。
さてさて、どう考えると良いのでしょう。
いつか、どこぞのセミナーでお話をしたいと思います。

「道徳読み」については、この先、次のセミナーでお話をする予定です。
◆5月13日(土)野口塾ビギナーズ--東京にて
テーマ:「道徳読み」による教材解釈/題材「ブランコ乗りとピエロ」
◆6月10日(土)第2回 主張ある道徳授業を創る!--埼玉にて
テーマ:「道徳読み」を身につけよ!/題材「あとかくしの雪」
◆6月25日(日)野口塾in大阪
テーマ:未定(「道徳のそもそも論」と「道徳読み」を予定)

「道徳読みに関心があるなぁ」と言う先生、お近くで開催されるセミナーへお越し下さい。

足腰の強い道徳は、その根底に論語が染みこんでいます。
新年度も『日めくり論語』でスタートして欲しいですね。道徳が漢方薬のようにジワーッと広がっていきます。
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