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新田先生が取り組んだ「校内立腰研修会」

b7983大阪の新田先生から,嬉しい知らせが届きました。
「校内立腰研修会」が無事に終了したとのことです。

学校の研修会のテーマに,「立腰」が取り入れられることは,すこぶる重要なことです。
子ども達の受容力が次第に高まるからです。

また,姿勢が良くなると,他の礼儀作法にも関心が高まります。どんな礼儀作法があるのか,知りたがる子が出てきます。
少しずつ,分かる範囲で教えていけばよいのです。

右の写真は,新田先生のクラスの正面黒板の上にある掲示物です。
・もたれない!
・おへそ前!
・足ピタ!
どれも良いですね。

特に重要なのは,「おへそ前!」です。
これが立腰の具体的な指示になっています。
おへそが前に出れば,腰骨が立ちます。
すると,背中が背もたれにふれなくなります。
「もたれない」が自動的に実行されてきます。
それでも,「もたれない」と示すことは重要です。
腰よりも,背もたれに触れる背中の方が意識しやb7982すいからです。

立腰と言えば,森信三です。「立腰道」を唱えていました。
私も立腰を心がけていますが,森先生には遠く及びません。
その森先生の指導言が右の本に載っています。
ご紹介しましょう。

一,尻を思いきり後につき出すこと
二,反対に腰骨をウンと前へつき出す
三,そして下腹に力を入れると,肩のキバリがスカッととれる
(『立腰教育入門』p11,p12)

森先生の指導言は腰に集中しています。
さすがは「立腰道」の宗家です。

新田先生の指導言は伝達力が高いです。
わかりやすさへの英知が,教育現場で実によく高まっていることを感じます。
新田先生の取り組みが,少しずつ広がって欲しいと願います。
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深澤久先生の語り

b7985深澤久先生。
若い人向けのメッセージを語っていました。
会場の先生方を少々いじりながらの語りは,さすがに他の講師の先生はできません。
場数を踏んでいる事もありますが,教員時代の子ども達とのやりとりに妙味があったのだと思いました。

ところで,深澤先生の服装。
猛暑の中,長袖です。さらに,上着も用意していました。
きちんとした服装で登壇!とも思えますが,私の知っている深澤先生には,その線はありません。
ですが,もしかしたら,礼儀作法を意識し,修養を高めているのかも知れません。
そうだとしたら,これはとても喜ばしいことです。

b7986修養と言えば,この日,一番良い感じだったのは,姿勢の良い千葉県の先生がすぐそばに座っていたことです。
ご覧のように,受付の椅子はセミナーと逆を向いていました。
体の向きを変えて座っているのですが,そのような時でも,姿勢よく座っているのです。
日頃から修養を積んでいる先生のこうした姿は,見ているだけで良い気分になってきます。

「気をつけ」と号令がかかった時だけ良い姿勢をする人。
普段から良い姿勢の人。
皆さんは,どちらの人に好感を持つでしょうか。
私は,断然,写真のような普段から良い姿勢を心がけている人に好感を持ちます。

かつての道徳には,こういった我が身を修める内容がたっぷり入っていました。今は,ほんの少しです。
当然の結果として甘えん坊が増え続けます。
信じられないよう事件が起こり続けるのも頷けます。

それでも,私の周辺には姿勢を良くしている先生がたくさんいます。
少しずつですが,子ども達にも伝わり,辛抱我慢の出来る子が増えます。
それがとても嬉しいです。

立腰を意識している先生。
ぜひ,セミナーなどに出かけたら,姿勢の良い先生に「先生は姿勢が良いですね」と一言声を掛けてみてください。
その一言が,良い姿勢の先生を増やすことになります。
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道徳の授業をします

明日の土曜は,夕方から明石先生のSG会です。今,そのレポートを書きました。「算数のこの先」と言う題です。視点は良いのですが,論述が少ないです。イマイチです。

ところで,だいぶ先のことですが,12月27日(日)に,3年生,4年生の子へ,授業をすることになりました。道徳です。
場所は四国,愛媛県宇和島市です。
松澤校長先生の学校です。

b7996この日,道徳の授業が3つ展開されます。
1つは,野口芳宏先生。実感道徳研究会主宰。
1つは,山中伸之先生。実感道徳研究会会長。
そうして,私です。私の肩書きは,さくら社社長です。が,もし道徳的な名称で名乗るとしたら,「小学校作法研究会」でしょうか。全国に行儀作法ファンの先生方が結構いらっしゃいます。そういう先生方と心で連携している幻の会です。

私の授業のテーマは決まっています。
「姿勢の良い人になろう」です。
目的が明確に示されている授業です。
道徳に限らず,何をするのか明確に示すことは授業の基本です。
また,子供同士で話し合っても,まず明確にならないところをしっかり示せる事。これが授業の必要条件です。
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「立腰」が正面に!植田学級,いいですね

b8093植田先生のクラスの正面黒板の上。
「立腰」が掲げられています。

しかも,写真にはポイントが3つ示されています。
1,背もたれに背をつけない。
2,深く腰をかける。
3,足を床につける。

とくに,「足を床につける」は,意外と重要なポイントになっています。

足を前に出すと,腰が曲がりやすくなります。電車でも態度の悪い人はたいてい足を前に放り出しています。その人の腰や背をみると,いかにもだらしない状態になっています。
教室でも,足を前に放り出していたら,姿勢が悪くなり,心も影響を受けることがあります。

逆に,足を椅子の下に入れるようにすると,腰は立ちやすくなります。
足の形が正座に近づくからです。
ただ,足を引くのは見た目がやや悪いので,足を床につける座り方が推奨されています。

ところで,2年生の算数で秒を学習します。
その時,10秒はどれくらいか,30秒はどれくらいか,とストップウォッチなどを使って体験する学習もします。
立腰を学習しているクラスは,この短い時間の体験を,「立腰+目つむり」でやってみてはいかがでしょう。
静かに目をつむります。自然,心が落ち着くことを学んでいくことになります。

戦前には,授業のはじまりに黙想をしている学校もありました。
全校生徒が落ち着き方を学ぶのですから,いい学校だったのだろうな思います。

植田先生のクラスが今年度も落ち着いた良いクラスになりそうで,とても嬉しいです。
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さくら社 7周年

祝さくら社お陰様でさくら社は7年目を迎えることが出来ました。
ひとえに,応援をして下さる皆様方のおかげと感謝しております。

お菓子やケーキ作りの名人Kさんがお祝いのケーキを作ってきてくれました。
手作りカステラです。
上には,「さくら社 祝7周年」とお祝いの言葉も入っています。
とってもありがたく,もったいなく,食べてしまうのが惜しまれたのですが,少しずつ頂きました。
カステラは初挑戦とのことでしたが,これがとてもおいしく,いつかKさんブランドのお菓子の販売もできたら楽しいだろうなと思いました。

会社への道中,楽しんだ読書は『春秋左氏伝(中)』
随所で勉強になります。
◆景公が群臣に揖礼して門内に入る
殿が家来に「揖礼(ゆうれい)」をして門の中に入ったのです。
揖という礼は,日本では神社での二拝二拍手一拝の前後にする礼です。
上体を15度ほど前に倒す,いわゆる会釈です。
こういう作法がBC585年に行われています。
作法は時代を超えて行われ,人間関係を円滑にしているのだとつくづく思います。
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玄関の靴をそろえる宿題

玄関の靴をそろえる宿題。
とても狭い範囲を整頓する宿題です。
だれでも,簡単にできます。

b8098同じような宿題として,自分の机の上を整頓する,というのを出してもいいのでしょうか。
こちらは出さない方が良いです。

だらしのない机の上は,整頓するのに時間がかかるからです。
玄関はとにかく時間がかかりません。
10秒,20秒で終わります。
その時間を捻出できない子は,基本的にいません。
誰でも確実に出来るから,玄関の宿題は有効なのです。

その上に,大切なことが靴の整頓には含まれています。
とても喜ぶ人がいることです。もちろん,お母さんです。

玄関の整頓は,お母さんが喜んでくれます。
お母さんにとって,乱雑な玄関は訪問者に恥をさらすことになります。
整頓により,「恥」が「誉れ」に変わります。これは,極めて大きな喜びとなります。
お母さんの心が嬉しい気持ちになる行為ですがら,誰が見ても「親孝行」です。

親孝行になる宿題。その最もシンプルな宿題が玄関なのです。
そうして,習慣付いてしまえば,言われなくても整える子になります。そういう子,良い子ですよね。
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