Category Archives: 友人知人

佐々木正美先生が亡くなられました。悲しいです。

悲しいお知らせです。
佐々木正美先生が、昨日亡くなられました。
謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

2011年の5月。
この2冊の本をさくら社から出させていただきました。
佐々木先生のお導きも素晴らしいのですが、それ以上に、先生のお人柄がたくさんの方々に届くようにと、自叙伝を出版しました。

発売されてすぐに読みました。
当時、書き込んだラインが今も本の中に残っています。

「ただ一生懸命やればいいというものではなくて、何をするかが大切なのだよ」と実に穏やかにおっしゃった臺弘先生の声が、心に響いたまま、今も残っている。(『私の半生』p22)

困ったこだわりなどの行動をなくさせようとするやり方ではなく、本当に意味のある好ましい概念や行動を教えてやることが、自閉症の人々との共生には重要であることを、私は多くのお母さんから教えられてきた。(『私の仕事』p87)

今、読み返しても胸が熱くなってきます。
人としての生き方を教えて下さっていると痛感します。

もっとも心を打たれたのは、どちらの本にも書いてあるこの言葉です。

この本を 妻 洋子に捧げます。   佐々木正美

本を開くとすぐにこのように記されています。
人生を教えてくれている本なのだとつくづく思います。

それにしても、悲しいですね。
素晴らしい先生です。もっともっとも人々に語っていただきたかったですね。
でも、もう、かないませんね。
心より御冥福をお祈り申し上げます。
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岩村先生のバロメーターがナイス!

埼玉の本庄早稲田で開催されたセミナー。
事務局の岩村考治先生とあれこれ話しました。
やる気のある先生で、妙に面白味もあります。

面白味というのは、262の法則を研究しているのです。
なんとはなく、「262の法則研究家」です。

262の法則というのは、ビジネス書や学級経営書でたまに見かける人のあり方の法則のようなものです。
2割の人は優秀で、6割が普通で、2割がダメ。
そんな風になるのが、普通ですよ、という法則です。

教育書では、子供達の状態が262の法則のようになるので、Aというプランを立てようとか、Bプランもいいですと記されていきます。
読んでいると、その気になるのですが、どうにも法則に従順な思考です。
法則からスタートする思考とも言えますが、私から見ると、法則のしもべになっている思考です。

教えることを仕事としていたら、普通の先生は262になると考えるようにすれば、この法則も生きてくると感じます。
普通が262なら、最初から352になるようにするぜ!とか、ちょいと気合いが入っているので、今度は541にしてみせるぜ!なんて考えるのがその道の人という気がします。

要するに、262を実力を測る一つの尺度としてとらえるのです。
すると、子供に向かう姿勢がグンと変わってくるというものです。

全員参加の授業というのも、この数値に直すと、550とか、820とか、3つ目の数が0になるタイプの授業と捉えることができます。
こういう見方もできるので、262は一つの尺度として見ていくのは、なかなかナイスな考え方です。

思い出すのは、若い頃の私です。
私の用いていた尺度は、林家三平師匠の言っていた「楽屋に笑いバロメーターがある」というネタです。
これをもじって、「正面黒板の裏に、笑いのバロメータがある」と考え、その針が半分を切ると、給料どろぼうをしていると決めていました。
ですので、年中、笑わせる工夫をしていました。
それが板についてしまったのでしょうか、セミナーもごく自然に笑いを取るようになっています。
新庄早稲田の講座でも、「今年、一番笑った」と言っていた先生もいました。

岩村先生は、笑いのバローメーターより、もっとセンスの良い262をバロメーターに置いて研究をしているのです。
だからか、話をしていても、この先生ちょっと良いなぁという感触を得ています。
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「道徳読み」を実践しましたメール

土曜日は、この本庄早稲田駅で降りました。
小さい駅ですが、新幹線の駅なので何かパワーを感じます。

セミナーが終了した後は、懇親会です。
椅子に座っていると、事務局の先生が気を遣って下さり、あれこれ途切れることなく、話をすることができました。
こういう気配り、感じ入ります。

そんな中、2名の先生と話している時、「道徳読み」について問われました。
懇親会会場ですから、黒板も何もありません。
口頭で簡単に話しました。
それも、5分か10分ほどです。
どこまで伝わったのか、それすらもよくわからずに、話は終わりました。

驚いたのは、翌週の月曜。
熊谷先生から「道徳読み」を早速実践したとのメールをいただきました。
このスピード感、島根の広山先生と同じです!
熊谷先生は、もしかすると、もしかする先生なのかもしれません。

授業は5年生。
題材は「ふくらんだリュックサック」

いただいたメールは長文でした。
そのほんの一部を御紹介します。

◆今までの授業では、大きな問(柱)を3つ考え、2つ目の問(柱)で葛藤させるため、どのような発問にするとよいのか考えていましたが、それを上回る葛藤が子供たちの中に生まれていたように感じます。

実に驚きました!
「道徳読み」の授業が、これまでの授業にまさりました。
わずか、5分か10分ほど説明を聞いただけで、今までの道徳授業より、グッと良い授業が展開できたのです。
これを画期的と言わず、何と言いましょう。

「道徳読み」の話は、この先、次の2か所で行います。
◎6/25(日) 野口塾in大阪 30分~40分ほど話します。
◎8/26(土) 東京 1時間ほど話します。(まだ募集は始まっていません)
関心のある先生、ぜひ、御参加ください。
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『おとなのための やさしい漢詩教室』でグッと来る言葉と出会いました。
「凍蠅(とうよう)」という漢詩に「会得」と出てきて、それに「さとり えたり」と訓じています。

以前から、「会得」には「さとる」というような意味合いがあることは、何かで読んで知ってはいましたが、今回は明確に出てきたので、ノートに記録しました。

この方面の勉強は、何とも言えない楽しさを感じます。『論語』を楽しく読んでいると、自然とこういう言葉が心に染みてきます。

『日めくり 教室論語』を是非教卓に置いて下さいね。
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「子どもに学ぶ教師の会埼玉セミナー」へ行ってきました

土曜日、埼玉の本庄早稲田へ行ってきました。
「子どもに学ぶ教師の会埼玉セミナー」です。
本庄早稲田の駅で事務局の杵淵先生が待っていてくださり、本当に助かりました。
どっちへ歩くのかときょろきょろする必要がありません。
風景を見ながら、杵淵先生と楽しく歓談。
あっという間に、会場到着です。

また、この日は電車に乗った時、大吉がやってきました。
小野口先生から「海外協力隊員になった」という目出度いメールを受けとったのです。
赴任先は、アフリカのエチオピアの小学校。
ルワンダよりずっと北に位置する大きな国です。
私の年代の人は、マラソンのアベベを思い出しますね。

報告メールのだけでも喜びが大きいのですが、小野口先生はセミナーにも参加すると記していました。
会場に着くやいなや、小野口先生とエチオピアの話で盛り上がりました。

教師経験のある先生が、途上国の教育に関わることは、今後の状況を考えると、とても重要なことと思っています。
なにしろ、言語の壁をもうすぐ越えられる時代となります。
すると、どうなるでしょう。
楽しみですよね。

小野口先生がそういう時代になる直前の「今」という時代に海外赴任します。
良い人生になりますね。

小野口先生からの報告のインパクトが強く、私の話でも話題として話させていただきました。
すると、講座終了後、森本大樹先生がやってきて、「私もエチオピアで協力隊をしていました」と笑顔で話してくれました。
講座の楽しさに加わって、気分は最高になりました。
森本先生はエチオピアの高校で体育を指導してたそうです。
聞けば、エチオピア赴任で生徒を見る目が変わったとのことでした。
自分の教育観がグイッと変わる。これ大事ですね。

小野口先生、森本先生と話しつつ、「徳は孤ならず、必ず隣有り」(論語)の言葉が頭をよぎりました。
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週末の日曜日、大阪での野口塾で、「道徳読み」の話を少しします。
読み物教材を使っての、全く新しい授業法です。
「道徳読みが気になる!」という先生、ぜひ、御参加下さい。

教卓に『日めくり 教室論語』を是非!
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石川晋先生と会いました

先日、久しぶりに石川晋先生とお会いしました。
退職をして東京に転居したとのことで、落ち着いた頃にお会いできたらと思っていました。

話は弾み、退職のことやら、東京住まいのことなど、あれこれ盛りだくさんの話をしました。
石川先生は各方面から声がかかっているようで、さすが当代の売れっ子と思った次第です。
また、見聞を大きく広めるなど、未来構想も豊で、才覚ある先生は違いますね。

メルマガの話もありました。
「教師教育」に関するメルマガです。
すでに、50人近くの執筆者がいます。
そんなにいるなら私は無用と思いましたが、枯れ木も山の賑わいで、私もその中に入れていただきました。

石川先生のあたらなる活躍が楽しみです。
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佐々木智光先生からの紹介に感謝

「教え有りて、類無し。」(論語)

昨日、このことを書いたのですが、佐々木智光先生から福沢諭吉の言葉を教えていただきました。
「教育の要は、人生の本来に無きものを造りて、之を授くにあらず。唯有るものを、悉く皆発生せしめて遺すことなきに在るのみ」

友だちは本当にありがたいですね。

福沢諭吉の言葉ですので、気になり調べてみたら、『福翁百話』に載っている言葉とのことでした。
勉強になりそうな予感がしたので、注文をしました。

「道徳読み」は、「有るものを、悉(ことごと)く発生せしめ」るという考え方に実にぴったりと沿っています。
すでに、子ども達には道徳が備わっています。
生まれ持った天性に加え、幼少のみぎりの学びも持って、小学校に入学してきます。
それなりに善悪は判っているのが小学生です。

子ども達の内にすでに備わっている道徳心を、教材文を読むことで、より明確にしつつ、発生させていく。
それが道徳読みです。

福沢諭吉が「道徳読み」を応援してくれているようです。
『福翁百話』をよく読んで、学びたいと思います。
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