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「スイミー」を発問道場で読んで(2)

野口塾in大阪の発問道場の題材となった「スイミー」。
作品中に,スイミーが逃げている途中に見た光景がでてきます。

1,にじいろの ゼリーのような くらげ。

2,水中ブルドーザーみたいな いせえび。

3,見た ことも ない さかなたち。
見えない 糸で ひっぱられて いる。

4,ドロップみたいな いわから 生えて
いる,こんぶや わかめの 林。

5,うなぎ。かおを 見る ころには,
しっぽを わすれて いるほど
ながい。

6,そして,かぜに ゆれる
ももいろの やしの
木みたいな いそぎんちゃく。

この6つの内,話の筋を考えたとき,重要となってくるのはどれか。
そんなことを,一昨日書きました。

b7763正解は,3番です。
では,なぜ3番目の光景が重要なのでしょうか。

スイミーは最後に新しい兄弟を大きな魚のようにしました。
どうして,大きな魚のようにしたら良いのだと気づいたのか。その切っ掛けとなったのが3番の光景を見たことなのです。

はじめ,スイミーは兄弟たちと一緒に暮らしていました。群れているのですが,スイミーは群れの中にいるので,その群れがどんな形・動きをするのかはわかりません。
また,他のさなかの群れも見たことがなかったのです。

ところが,逃げている途中で別の魚の群れを見たのです。群れの外から見たので,その泳ぎが,まとまりある群れに見え,その動きが「見えない糸で引っ張られている」ように見えたのです。

ですので,「見た ことも ない さかなたち。」から,初めて見たのは,「種類として魚」もありますが,もっと重要なのは,その集団が作る「群れの形・動き」を初めて見たことなのです。ここは,見落とせないところです。

この群れを見たことで,マグロより大きな魚の形をした群れを作ればいいのだと,スイミーは考えついたのです。

(1)大きい方が勝つ。
マグロに襲われることで,(1)をスイミーは知りました。
でも,これだけでは,大きな魚のふりにはたどり着きにくいです。

(2)見えない糸で引っ張られるように泳げる。
逃げる途中でこれを見たので,「ふりができる!」と思考が進んだのです。
この思考は,大人の私でもたいしたものだと思います。

ここまでわかれば,「スイミーは おしえた。けっして はなればなれに ならな こと。」とあるところで,スイミーがどんな言葉を発したのかもわかってきます。
見えない糸でつながるんだ!」というような言葉となります。
この場面で「見えない糸」とつながることで,全体に大きな筋ができてきます。

こういったことを授業で教えると,「見えない糸」が学級経営にも生きてきそうですね。
良い作品ですね,「スイミー」は。
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「チーム算数」が躍動しはじめたよう

「チーム算数」の開催日でした。
参加者はいつもの4人。
テレビ出演の話,雑誌原稿の話,アプリの話,プログラミングの話,アフリカの話。
どれもこれも,実に面白い内容でした。

この4人がこの調子で前進したら,どうなってしまうのでしょう。
そんな行く先の広がりに心を躍らせられる良い一時でした。

b7631終わりの頃に,算数ソフトを使った授業について,語り合いました。
すると,3人とも同じようなことを言い出したのです。
「見てるだけでどんどんわかる」

3人が3人とも,「見ればいい」とか,「見るだけ」とか,とにかく画面を見せる事だと言うのです。
しかも,「ノートはあまり書かない」と一人が言うと,「確かにそうだ」「大して書いてない」と他の人が言い出します。
それでいて,成績も良い。

この話を聞いただけでも,かなり大きな算数改革となると感じてきます。
何しろ,見ている内にわかる算数の授業というのは,あまりありません。
大切なのは考えることと言われ,授業は考えることにストレートに向かわせるようになっています。
そしてその考え方は,論理的であることを求められます。
それが今の算数の流れなのでしょう。
これと対峙するのが算数ソフトを使った授業ですね。
ソフト画面を見ることにより,自動的に自分で考えるようになるのが算数ソフトを使った授業なのです。
考え方は論理的ではなく,どちらかというと感覚的です。
何となくこうじゃないかと気づくところから出発し,次第にこうだ!確信を持つようになり,さらに問題を解くことで,すっかり自信がつくのです。
だから,説明をさせるとそれぞれの子がそれぞれの言葉を使って説明してくるのです。
これは,大きな相違点ですね。

また,これまでは,ノートにたくさん書くことが良いとされてきました。
ノートにあまり書かない授業は,要するに考えていない授業ともなり,ダメなのです。
でも,算数ソフトを使って進めていく授業は,あまりノートが進みません。
画面に出てくる問題を大量にこなしているからです。
これは,子どもが考える過程として,一問をじっくり考える一問完結型ではなく,複数の類似問題に取り組むことで,徐々に考えを明確にしていく複数経験型の思考過程が,子どもの新しい思考タイプとして存在感を持ってきていることを示しています。
これも,大きな相違点です。

そうして,佐々木先生がとどめを刺すように話してくれます。
「マウスを回すだけで,圧倒的な問題量をこなすことになる。
できるようになるのは当然。」
圧倒的な問題量をこなす授業は,これまでの授業ではほぼ不可能でした。
それができるようになっただけでなく,子ども達が盛り上がって問題を次々にこなしていくのです。

短い時間でしたが,3人の話を聞いていると,新しい算数の時代が今確かに構築されつつあることが伝わってきました。
これらの成果を日本だけでなく,アフリカにも押し広げていくのが,今の私の仕事です。
チーム算数のメンバーとこれからのワールドワイドの算数教育の基礎を作り上げて行こうと思います。
次回は7月9日(土)です。
チームの皆さんからの,算数ソフト授業論を楽しみにしています。
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4年生の「折れ線グラフ」に「食いつく食いつく」

b76404年生が,「折れ線グラフ」のソフト「食いつく食いつく」状態です!
そんな嬉しい便りを千葉県の石井先生からいただきました。

いただいたお便りなので,そのままご紹介しますね。
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昨日大雨で児童は業間休み外に出られず、
私の教室についていた「折れ線グラフ」の貴社ソフトが大好評。
四年生が食いつく食いつくです。

普段やってない普通の四年生です。
目盛りに点を打つのは集中力すごし。
昼休みもやりたいと、聞きつけた人も来て教室が繁盛しました。

感想を聞いたら、「ヘリコプターを自由に飛ばし、数値を答える」が
一番楽しかったと四年生女子が言っていました。
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大雨の日は,外遊びができません。
校内で楽しく過ごす時間に,算数ソフトが大活躍。
それだけでなく,お昼休みには噂を聞いてやってきた子も。
これって,「口コミ」ですね。
小学校の休み時間に,子ども達の口コミで算数の勉強をするのですから,算数ソフトの威力はたいしたものだと思います。

『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』は,今,アフリカでも注目されています。
いつか,アフリカの子も算数ソフトを使ってビシバシ手を挙げる日がやってくると思います。
そうしたら,雨の日,石井学級のような口コミが起こるかも知れませんね。
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「ひまわりフェア」千葉測器

b7645千葉の幕張臨海地区にアパホテルがあります。以前はプリンスホテルでした。
そこの敷地には結婚式場の建物もあり,そこで「ひまわりフェア」が開催されています。

主催しているのは,つい先日,本社でミーティングをさせていただいた千葉測器さんです。

案内の封筒にも書いてあるように,千葉測器はICTに強い会社で,フェアの中を歩くと,キャノン・OKI・リソーなどのブースがずらりとそろっています。
聞けば,フェアには1000社を超える企業が参加するほどの人気で,今日もお客さんでにぎわっていました。
ドローンの実演もあり,しばし鑑賞しました。子どもの頃,鉄人28号のまねをして遊んだことをフツと思い出しました。

私を案内してくれたのは福島さんで,一つ一つのブースを案内しつつ,「これは新製品で・・・」と展示されている商品を見ては,話をしてくれますが,話はリードぐらいですぐにブースの方にバトンタッチします。
なかなかいい案内をしてくれました。まだ30代前半のナイスガイです。

アパホテルは東京湾のすぐそばに建っています。
建物から広い駐車場に出たら,急に空が大きくなり,白い雲との色味も良く,千葉測器さんとのこの先を描いているように感じました。
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アマゾンで133位! 『まんがで知る教師の学び』

b77126月5日(日)の午後。
「第3回 教育と笑いの会 in 東京」が新宿で開催されます。
笑いのプロである落語家も登場します。
私は大喜利で司会進行役を担います。
楽しくなるだろうなと,今から楽しみにしています。
皆さん,ぜひ,お越し下さい。
お申し込みは,<こちら>です。
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当日の午前中,同じ会場で「野口塾ビギナーズセミナー・スペシャル」が開催されます。
9:57 開会
10:00 野口芳宏先生「紙芝居①」
10:20 野口芳宏先生「紙芝居②」
10:40 休憩
10:45 横山験也先生「ケニヤ・ルワンダ・バングラデシュ教育事情」
11:05 塚田直樹先生「特別支援教育の現場から」
11:20 山中伸之先生「道徳授業の単純化」
11:30 閉会
申し込みは,<こちら>です。

私ところがちょっと異色ですね。
でも,今,私はルワンダの算数教育で燃えています!!
今日も,その関係で千葉市にあるT社でミーティングをしました。
非常にエネルギッシュな取締役会長が終始同席してくれました。
大変,力強かったです。
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b7743前田先生の『まんがで知る教師の学び』が,アマゾンで133位です!!
レビューも15!
そのどれもが★5つです。
最近は,企業の方が読み始めているようです。
教師の真摯な仕事は,そのものがビジネス人にも響くのだと思います。
皆さん,ありがとうございます。
ぜひ,知り合いの方々に広めて下さい。

前田康裕先生の東京公演,『まんがで知る教師の学び』刊行(&重版出来!)記念 前田康裕@東京セミナーは6月11日(土)です。
先生方のみならず,企業の方からのお申し込みも届いています。
お申し込みは,<こちら>です。
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城ヶ崎滋雄先生の『教師の腕前診断–困ったに答える』

b7734城ヶ崎滋雄先生の新刊『教師の腕前診断–困ったに答える』です。
城ヶ崎先生の講座を受けたことがある先生でしたら,すでにおわかりと思いますが,とにかく「懐の深い先生」です。

先日も,某出版社の方と歓談したのですが,その方も「話を受け入れてくれる先生」と話されていました。

もう30年ほども前になりますが,千葉県の船橋市に先生達が集うサークルがありました。城ヶ崎先生と私はそのメンバーで,今は千葉市で「チーム算数」で一緒に教育研究を続けています。
なんというか,城ヶ崎先生と私は30年来の研究メンバーなのです。

城ヶ崎先生の指導力が格段に上昇したのは,不登校の子への専任教師になってからです。
子ども達との対応力が認められ,全国の先駆けのようにして,城ヶ崎先生は不登校対応の専門の先生になりました。

でも,実際に子ども達や親御さんに接してみると,これまで学んできた教育の技術が通じません。
かなり思い悩んだこともあったようですが,そこを救ってくれたのが古武術の精神です。
埼玉県にある古武術の稽古場へ,遠く離れた千葉県から通っていました。
そこで学んでいた体裁(たいさば)きなどから,「相手の流れに逆らわず,流れに合わせて対応する」事の大切さに城ヶ崎先生は気がつきました。
その姿勢で不登校の子に臨んだら,予想を超えて,みるみる子どもや親御さんは笑顔になり,距離感も縮まり・・・・。
そうして,再び学級担任の道を歩み始めたら,どんな子にも動じない先生となっていたのです。
相撲にたとえれば,受け入れて相手に力を出させて,それから裁く。そんな横綱相撲がとれる先生に大変容していたのです。

城ヶ崎先生は教室とは離れたテレビの教育特番にも出演しています。
私も視聴しましたが,城ヶ崎先生のコメントは一つ一つが優れた内容でした。

その城ヶ崎先生が,学級で起こりえそうな各種の困り事をテーマに,どう対応するのがよりよいかと答えてくれているのが,この本『教師の腕前診断–困ったに答える』です。
担任をしつつ,困り事を感じたことのある先生には,ぜひ,ご一読いただきたい一冊です。
お勧めします!
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城ヶ崎先生と進めている「チーム算数」の4月例会は23日(土)です。
場所はいつものジョナサンです。午後2時からのスタートです。
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