Category Archives: 古典

ルワンダの飛行機の中で『論語』

b7662ルワンダへの旅の友として,本を3冊持って行きました。
行きの飛行機で2冊読み終え,それでも時間が余ったので,宿や帰りの飛行機で読もうと思っていた貝塚茂樹先生の『論語』を読み始めました。

論語は良いですね。
ザザッと読み進めるだけでも,妙に心が洗われます。
しっかりと生きようという気持ちになってきます。

飛行機が次第にルワンダに近づいて来た頃,本に異変が起こりました。
ページが束になって背からはがれ始めたのです。まあ,200円の古本だったので,そう言うのは起こりえることです。
特に,違和感も感ぜずにいたのですが,帰りの便で読み終わった頃には,全ページが背からはがれました。
これは,「もう一冊買いましょう!」というシグナルです。
改めて,新刊を買って,またルワンダに行くときに読みたいと思います。

b7877論語は修養に役立つだけでなく,思わぬひらめきと出会います。

日めくりの教室論語は簡潔で良いですね。
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『儒教とは何か』

b7869神田の本屋さんで購入。
以前から読んでみたいと思っていた本が,増補版となっていたので徳をした気分になっています。

この本,パラッと読み進めたら,すぐに引き込まれました。
面白いです。
自分がなぜ儒教好きなのか。その理由がわかってきました。
また,どうして仏教の『法華経』になじめなかったのか,その理由もわかってきました。

また,この本を読みつつ思ったことは,素養の大切さです。
私はたまたま好きで,『論語』『礼記(らいき)』など儒教の本を読んでいます。だから,この本に記されている内容になんとかついて行くことができました。
もし,読んでいなかったら,関心があっても厳しい読書になっただろうなと思います。

その論語ですが,「心のフェスティバル」の最終講座の質疑応答でちょっと話しました。
手に持っていたのは,『日めくり論語』です。
先生方の関心事と重なったようで,質疑応答後,あっという間に全部売り切れました。
購入した先生の教室では,年明けにみんなで一斉唱和が始まります。
すると,学級に論語文化が芽生えます。
クラス全員で共有する論語言葉ができることは,価値観を同じにする共同言葉が生まれるということです。
これが,道徳における「体・頭・心」の「頭」の成長を促します。
共同言葉の存在は,「頭」を道徳的に成長させるので,道徳を好む「心」へと導くことができます。
販売しつつ,ありがたい気持ちになりました。

『儒教とは何か』には,文献がかなり多く記されていました。
どの本にしたらいいか悩みますが,この本を軸にして少し本の幅を広げたいと思いました。
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『孫子の兵法がわかる本』

b7912「兵法」ですから,戦って相手をやっつけることがきっちり書いてある本と思えてきます。
孫子を読んだことのある人は,皆さん知っているように,最高の戦い方は,「戦わずして勝つ」ことと説いているのが孫子です。

戦わないのです。
それでいて,戦わなければならない相手より優位に立つのです。
なぜ,そうするのか。
また,そうするには,どうしたらいいのか。
あれこれ,書いてあります。

学級経営では,子ども達と戦うことは基本的にありえません。
同じ方向に向かって歩んでいく師と弟だからです。
ただ,ちょっとしたボタンの掛け違いで,妙な感じになっていくことはあります。
そんなときに備えて,日頃から戦わなくてすむ方策を実践しているのが,腕の良い先生です。

原理的には,基本は言葉遣いや道具の扱いといった行儀作法の指導です。ここを毎日意図的に,自然体になるように導くと,安定します。

そんなことを思いながら,ページをめくりましたが,電車の中がぽかぽかでうつらうつらしてしまいました。
戦う気分とは縁遠い場所では読まない方が良いのかもしれません。
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日めくり論語『教室論語』

b8090今日の日めくり論語『教室論語』は,右です。
「忠告」の元になった孔子の言葉です。

子貢が孔子に「友達って何ですかね」とたずねました。
すると,孔子は「それはね,悪い道に入っていると分かった時に,誠実な気持ちから,『それはダメだよ。善い道を歩もうよ』と言える人だよ」と答えました。

誠実な心,相手を思うまっすぐな心,そういう気持ちから出てくる注意の言葉,それを言えるからこそ友達なのです。

私の友達も,私同様に年齢を重ねています。
年齢は,人を次第に善人にします。
ですので,あまり妙な方向に走っている人がいません。
忠告をする相手がいないのは,実にありがたいです。
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教室の教卓の上に,この日めくり論語を置いてみてはいかがでしょう。
日めくりで出てきた言葉を,みんなで唱和して・・・。
善人への道が書かれているので,じんわりと学級経営に染みていきます。

退職をされた先生も,ぜひ,ゆったりした時間を論語と共に過ごしてみてはいかがでしょう。
私は時々読み返すようにしています。読むだけですが,充実感に包まれてきます。
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さくら社 7周年

祝さくら社お陰様でさくら社は7年目を迎えることが出来ました。
ひとえに,応援をして下さる皆様方のおかげと感謝しております。

お菓子やケーキ作りの名人Kさんがお祝いのケーキを作ってきてくれました。
手作りカステラです。
上には,「さくら社 祝7周年」とお祝いの言葉も入っています。
とってもありがたく,もったいなく,食べてしまうのが惜しまれたのですが,少しずつ頂きました。
カステラは初挑戦とのことでしたが,これがとてもおいしく,いつかKさんブランドのお菓子の販売もできたら楽しいだろうなと思いました。

会社への道中,楽しんだ読書は『春秋左氏伝(中)』
随所で勉強になります。
◆景公が群臣に揖礼して門内に入る
殿が家来に「揖礼(ゆうれい)」をして門の中に入ったのです。
揖という礼は,日本では神社での二拝二拍手一拝の前後にする礼です。
上体を15度ほど前に倒す,いわゆる会釈です。
こういう作法がBC585年に行われています。
作法は時代を超えて行われ,人間関係を円滑にしているのだとつくづく思います。
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二宮尊徳記念館での修養セミナー

野口芳宏先生木更津技法研の第2回修養セミナーに参加してきました。

学校では「研修」が行われています。野口先生は「研修は研究と修養を合わせた言葉。研究は他者改善。修養は自己改善」と常々お話しされています。

自分を改善しようとするセミナーと,他者を改善しようとするセミナー。
そこに参加する時,どちらの方が身を律すべきか。それを考えさせられる場面が,今回の修養セミナーでありました。

修養セミナーというのは,その本質はどこにあるのかと考えると,行き着くのは,「心の入れ替えをする場」と理解できてきます。
これまでの自分自身を省みて,何かしら未熟を感じるところがみつかり,そこを改めてこれより先を歩んでいきたい。そう思える何かをつかんだ人は修養セミナーに参加した甲斐があるというものです。

事前学習法を研究していると,何事にも事前の一策を講じたくなります。
私なりに,「心の入れ替えをするぞ!」といった意識を持って臨んだので,また,少し前進できました。
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野口先生のお話の中に,「居は気を移す」の話がありました。孟子の言葉とのことです。
居というのは居るところの地位。
気は気品。
高い位に立つと気品を変える,という意味です。
先生という地位に立つと,それに応じた気品が備わってくるというこです。

とは言うものの,これもその自覚が無いと,教師でありながらも教師であるまじき様相となります。心の入れ替え・自覚が肝要です。
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孟子の言葉が出たので,家に帰り調べました。
居は気を移し,養は体を移す」(『孟子』第13巻 尽心章句上 36)とありました。
居るところの地位が気品を変え,栄養が体を変えるという意味です。
孟子の時代に,既に言われていた慣用句だったようです。

居→気・・・変化を起こす!
養→体・・・変化を起こす!

これは,いいですね。
居(身なり)・体(姿勢)を整えると,気(心),養(豊かさ)に変化が起こり,
気(心),養(豊かさ)を整えると,居(身なり)・体(姿勢)に変化が起こる。
こうなるからです。
内と外が互いに作用しあうことで,人間として磨かれていくのだと強く感じます。
この作用とて,意図的に続けず放っておくとすぐに崩れてしまい,悪い方向に変化が出てしまうのです。
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次回の修養セミナーの方向が少し話に出ました。
山口の吉田松陰,千葉の伊能忠敬。
どちらも,学び甲斐の大きい偉人です。
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